(1)衆院特別委員会での安保法制論議は、国会招致の憲法学者3人すべての憲法違反発言であらたな展開を迎えて、政府、自民党は今国会での成立は困難として大幅な会期延長を検討している。
長引けば8月の安倍首相の「戦後70年談話」に沖縄辺野古移設にともなう埋め立て工事着工とあわせて大きな8月の「政治の季節」の節目を迎えることになり、事態は益々混沌としてくる気配だ。
(2)安保法制案の国会審議とはかかわりなく、仮に同議案が国会承認となれば実働部隊となる自衛隊はお先に自衛隊関連法が改正されて、これまで防衛官僚(背広組)が自衛隊制服組を主導していた組織体制が制服組が防衛官僚と対等の立場から防衛大臣を補佐することになり、集団的自衛権の行使に向けてすでに進み出した。
国会招致の憲法学者が安保法制案を憲法違反と指摘して、衆院特別委員会での政府、与野党の禅問答のような集中審議を聞かせられて困惑しているのは「憲法を守るべき」当の自衛隊員だ。
(3)同特別委員会で組織トップの防衛大臣が安保法制案が憲法の上位にあるかの発言(のちに修正)をしては、憲法を守るべき自衛隊としてはどう向き合っていけばいいのかとまどうばかりだ。
国民の過半数が集団的自衛権の行使に反対(世論調査)し、憲法学者の多くが安保法制案を憲法違反と指摘する中で、自衛隊の使命感、士気もあがるはずもない。
(4)仮に集団的自衛権を行使することになっても、その実働となる自衛隊の機能、意欲、能力にこそ最大の問題があると書いたが、安保法制案を取り巻く否定的な社会風潮の中ではなおさらに問題は大きく深刻だ。
作家三島由紀夫は45年前に憲法を守るべき自衛隊が「違憲」のままではおかしいと憲法改正を訴えて自衛隊にクーデターの決起をうながしたが、その筋の通った理論、理念が今また問われることになる。
(5)与党政治家は憲法学者の机上論を非現実的理論として、政治論とは違うと詭弁を弄(ろう)しているが(憲法改正することが唯一の公正論)、守るべき憲法との整合性、国民の支持があってこその自衛隊の士気、使命感だ。
安保法制案審議とあわせて、かってのPKO国連平和活動による自衛隊のイラク派遣等海外派遣にかかわった自衛隊員の帰国後の自殺率の比較高さも再びクローズアップされている。
(6)専門家の分析でも戦場ストレスによるものも多く、また自衛隊幹部候補生の防衛大卒業予定者もそのまま民間企業に就職して全員が自衛隊に任務するわけでもない事情、安保法制案の憲法違反発言、集団的自衛権の国民過半数の反対の背景を見れば、安保法制、集団的自衛権の行使にとって自衛隊の「存立危機事態」(a state of existence crisis of the self defense forces)こそが最大のネックになってくるだろう。
(7)そういう意味でも自衛隊制服組の文民統制(civilian control)が変更されたことは大いに問題だ。
自衛隊制服組の「ストレス」がどう蓄積されて、はけ口はあるのか、情報開示のない自衛隊の「存立危機事態」こそが問われるだろう。
長引けば8月の安倍首相の「戦後70年談話」に沖縄辺野古移設にともなう埋め立て工事着工とあわせて大きな8月の「政治の季節」の節目を迎えることになり、事態は益々混沌としてくる気配だ。
(2)安保法制案の国会審議とはかかわりなく、仮に同議案が国会承認となれば実働部隊となる自衛隊はお先に自衛隊関連法が改正されて、これまで防衛官僚(背広組)が自衛隊制服組を主導していた組織体制が制服組が防衛官僚と対等の立場から防衛大臣を補佐することになり、集団的自衛権の行使に向けてすでに進み出した。
国会招致の憲法学者が安保法制案を憲法違反と指摘して、衆院特別委員会での政府、与野党の禅問答のような集中審議を聞かせられて困惑しているのは「憲法を守るべき」当の自衛隊員だ。
(3)同特別委員会で組織トップの防衛大臣が安保法制案が憲法の上位にあるかの発言(のちに修正)をしては、憲法を守るべき自衛隊としてはどう向き合っていけばいいのかとまどうばかりだ。
国民の過半数が集団的自衛権の行使に反対(世論調査)し、憲法学者の多くが安保法制案を憲法違反と指摘する中で、自衛隊の使命感、士気もあがるはずもない。
(4)仮に集団的自衛権を行使することになっても、その実働となる自衛隊の機能、意欲、能力にこそ最大の問題があると書いたが、安保法制案を取り巻く否定的な社会風潮の中ではなおさらに問題は大きく深刻だ。
作家三島由紀夫は45年前に憲法を守るべき自衛隊が「違憲」のままではおかしいと憲法改正を訴えて自衛隊にクーデターの決起をうながしたが、その筋の通った理論、理念が今また問われることになる。
(5)与党政治家は憲法学者の机上論を非現実的理論として、政治論とは違うと詭弁を弄(ろう)しているが(憲法改正することが唯一の公正論)、守るべき憲法との整合性、国民の支持があってこその自衛隊の士気、使命感だ。
安保法制案審議とあわせて、かってのPKO国連平和活動による自衛隊のイラク派遣等海外派遣にかかわった自衛隊員の帰国後の自殺率の比較高さも再びクローズアップされている。
(6)専門家の分析でも戦場ストレスによるものも多く、また自衛隊幹部候補生の防衛大卒業予定者もそのまま民間企業に就職して全員が自衛隊に任務するわけでもない事情、安保法制案の憲法違反発言、集団的自衛権の国民過半数の反対の背景を見れば、安保法制、集団的自衛権の行使にとって自衛隊の「存立危機事態」(a state of existence crisis of the self defense forces)こそが最大のネックになってくるだろう。
(7)そういう意味でも自衛隊制服組の文民統制(civilian control)が変更されたことは大いに問題だ。
自衛隊制服組の「ストレス」がどう蓄積されて、はけ口はあるのか、情報開示のない自衛隊の「存立危機事態」こそが問われるだろう。