いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

マンネリとGゼロ時代(ブッシュ対クリントン)。 the era of mannerism and group zero

2015-06-21 14:33:09 | 日記
 (1)広いようで狭い米国政治だ。来年の大統領選に向けてかねてから立候補が取り沙汰されていた共和党のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が正式に立候補を表明(報道)した。

 父、兄がともに米大統領でブッシュ家としては3人目の大統領を目指す政治家だ。現在、共和党として10人以上が立候補を予定していて乱立状態の中でもジェブ・ブッシュ氏は一家知名度を生かしきれずに、メディア支持率調査では上位数人が10%台に並ぶ中のひとりだ。

 (2)89年に父ブッシュ氏が大統領に当選してから26年の間に半数年近くをブッシュ家で米国大統領を担ってきたとあれば、さすがにマンネリの印象が強く米国民の中にも考えものだとの自己反省(self examination)の意識が芽生えてもおかしくはないだろう。

 しかも兄のブッシュ元大統領は当時フセイン政権の核兵器疑惑を名目にイラク戦争に介入して、その証拠もなく米軍がテロの標的となりイラク国内に内戦混迷だけを残してすこぶる評判がよろしくなかった印象は米国民にも強く残像として残っている。

 (3)ブッシュ一家知名度は抜群ではあっても来年11月の本選挙までの予備選挙でどういう国民評価を与えられるのかは、有利な材料ばかりでもない。
 一方民主党はヒラリー・クリントン前国務長官が正式に立候補を表明して、こちらは他に有力な候補者も見当たらずに独走(50%以上の支持率ー報道)の気配だ。

 ヒラリー・クリントン氏も夫ビル・クリントン氏が93~01年と8年間米国大統領を務めて、ブッシュ家、クリントン家の大統領「たらい回し」論で話題に新鮮味もなく、世論的にはより新鮮な候補者の待望論はあるのではないのか。

 (4)ただし、ヒラリー・クリントン氏は現オバマ大統領が黒人初の大統領として支持されたように、米国政治史上初の女性大統領誕生の話題性もあって国務長官の経験者としての政治経歴も強みだが、また実績に乏しく未知数に欠けるマイナス要素もある。

 すでにGゼロ時代ともいわれて常に覇権国家として世界政治をリードしてきた米国の影響力、支配力減少も言われて、その政治的現実が米国大統領選の26年にわたるブッシュ、クリントン氏の限られた争いに象徴としてあらわれているように見える。
 かってのケネディ大統領のように若くて行動力、発信力ある政治家の出現が米国の権威、存在を回復する待望論でもある。

 (5)EU域内の財政危機問題も政治統治力の低下が原因とも言われて、先進民主主義国の政治力低下は共通の問題だ。
 国際政治が米ソ冷戦時代のイデオロギー主義から分離独立民族主義、経済協調主義に移行して比較政治力の退潮は避けられない傾向だ。

 先進国の政治的発信力の低下、新興国の経済成長ダイナミズム(dynamism)は小市民的世界観を助長してGゼロ時代の混迷を迎えた。国際社会のあらたな枠組みづくりの模索が続く。

 (6)米国大統領選はこれから1年超の長丁場で思わぬ国民支持の候補者の出現の可能性はある。それによっては国際政治のパラダイム(paradigm)が変わることもある。

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