(1)世界の主要国が集まって自由に話し合うことは大切だ。国連のように拒否権を持つ大国の歪(ゆが)んだ形がい化した議論よりはよほど意味、意義がある。
ドイツで開催された2日間のG7が終了した。発表されたG7首脳宣言を見ていると、クリミア半島併合で同会議から締め出されたロシア、中国の領土拡大主義への批難と温室効果ガス削減、北朝鮮批難と目新しい注目の協議もなく、すでに互助会(fraterbal order)化したG7の凡庸な宣言に終わって存在感の低下を示すだけのものでしかない。
(2)先進主要国会議(G7)といっても今や財政危機のイタリアや米国と同じ北米大陸で発信力のないカナダも構成国では、経済発展の著しい中国やロシア、南米で構成するG20にその立場、基軸が移るのも致し方のないところだ。
G7でのイタリア、カナダの居心地もよくないものだろうが、G20に基軸が移って今更再構成というわけにもいかずに互助会化が進むばかりだ。
中国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)参加を巡っては、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアが参加を表明して、日本、米国、カナダが参加を見送る構図で、G7の結束もままならずに話し合いが低調なのは仕方がない。
(3)そのAIIBを主導した中国の趣旨、思惑は成功したかのようだが、AIIB運用面では日本、米国が問題視する不透明性、整備性不足はぬぐい切れずに、中国の構想に対してはすでにインフラ融資基準や組織運営体制で問題点も指摘されている。
一党独裁体制で国内を思想統制する中国が資本主義先進国から低開発経済国まで幅広い国際社会を巻き込んだAIIBを公正、公平に運用できるのか、まずは注目されるところだ。
(4)今回のG7会議では、安倍首相も北方領土解決問題を抱えるロシアを力で排除するだけでなく対話の必要性を強調したが、G20の旗頭でもある中国、ロシアを国際社会の中に取り込んで同じ国際基準(international standard)で責任のある共同行動を求めることは、国際平和、経済安定のためにも必要なことだ。
中国のAIIB主導はそのはじまりとして、中身、内容は別としても大いに歓迎すべきことでもあるし、導かれる結果が注目されるところでもある。
(5)今回のG7会議での経済討議では中国に関するものが3~4割(報道)といわれて、注目度も高かった。中国の経済力に期待する声も多かった(趣旨報道)ようで、G7内で対立する立場とはいえAIIBの運用の公平、公正性、透明性について自由に建設的に提言してもよかったのではないのか。日本、米国も問題視して参加を見送っていたし、その後具体的な課題指摘もでてきていた。
(6)それがG7の自由(freedom of G7)討議の意味、意義でもあった。温室効果ガス削減提言のように世界の経済安定のための目標が首脳宣言の前面に出なかったのは残念だ。
来年11月には米国の新しい大統領が誕生し、政治、外交、軍事、経済の世界地図にも新しい風が変化をもたらすのか、G7の役割にも方法論(methodology)はあり、互助会化、マンネリ化脱却が必要だ。
ドイツで開催された2日間のG7が終了した。発表されたG7首脳宣言を見ていると、クリミア半島併合で同会議から締め出されたロシア、中国の領土拡大主義への批難と温室効果ガス削減、北朝鮮批難と目新しい注目の協議もなく、すでに互助会(fraterbal order)化したG7の凡庸な宣言に終わって存在感の低下を示すだけのものでしかない。
(2)先進主要国会議(G7)といっても今や財政危機のイタリアや米国と同じ北米大陸で発信力のないカナダも構成国では、経済発展の著しい中国やロシア、南米で構成するG20にその立場、基軸が移るのも致し方のないところだ。
G7でのイタリア、カナダの居心地もよくないものだろうが、G20に基軸が移って今更再構成というわけにもいかずに互助会化が進むばかりだ。
中国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)参加を巡っては、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアが参加を表明して、日本、米国、カナダが参加を見送る構図で、G7の結束もままならずに話し合いが低調なのは仕方がない。
(3)そのAIIBを主導した中国の趣旨、思惑は成功したかのようだが、AIIB運用面では日本、米国が問題視する不透明性、整備性不足はぬぐい切れずに、中国の構想に対してはすでにインフラ融資基準や組織運営体制で問題点も指摘されている。
一党独裁体制で国内を思想統制する中国が資本主義先進国から低開発経済国まで幅広い国際社会を巻き込んだAIIBを公正、公平に運用できるのか、まずは注目されるところだ。
(4)今回のG7会議では、安倍首相も北方領土解決問題を抱えるロシアを力で排除するだけでなく対話の必要性を強調したが、G20の旗頭でもある中国、ロシアを国際社会の中に取り込んで同じ国際基準(international standard)で責任のある共同行動を求めることは、国際平和、経済安定のためにも必要なことだ。
中国のAIIB主導はそのはじまりとして、中身、内容は別としても大いに歓迎すべきことでもあるし、導かれる結果が注目されるところでもある。
(5)今回のG7会議での経済討議では中国に関するものが3~4割(報道)といわれて、注目度も高かった。中国の経済力に期待する声も多かった(趣旨報道)ようで、G7内で対立する立場とはいえAIIBの運用の公平、公正性、透明性について自由に建設的に提言してもよかったのではないのか。日本、米国も問題視して参加を見送っていたし、その後具体的な課題指摘もでてきていた。
(6)それがG7の自由(freedom of G7)討議の意味、意義でもあった。温室効果ガス削減提言のように世界の経済安定のための目標が首脳宣言の前面に出なかったのは残念だ。
来年11月には米国の新しい大統領が誕生し、政治、外交、軍事、経済の世界地図にも新しい風が変化をもたらすのか、G7の役割にも方法論(methodology)はあり、互助会化、マンネリ化脱却が必要だ。