いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

漂流するギリシャ。 drifting greece

2015-06-28 14:40:55 | 日記
 (1)EUからの緊縮財政策実施を条件に支援を受けてきたギリシャだが、緊縮策に反対するチプラス政権(ノーネクタイに革ジャン内閣ー本ブログ)誕生でEUとの対立が続いていたが話し合いがつかずに、チプラス政権は国民投票で決着をはかることを決めた。

 EUが求める財政再建策(年金カットなど緊縮策)の賛否を国民投票で問うことになり、EUもギリシャ支援を打ち切る方針(報道)を決めた。国民投票はイギリスからのスコットランド独立問題でも話題を集めて、直接民主主義の機運の高まりを示すものだ。

 (2)国民支持の高さを背景に政治指導者が政策課題を国民投票で決着をはかろうというやり方は、日本の個性の強い首長の地方政治でも見かける手法だが、事は国の債務不履行(default)にEU離脱に直面する重大事だけに国民の選択が注目される。

 報道によるとギリシャ国民の中には長引くこれまでの緊縮策に嫌気も充満しており、結果としての緊縮策に反対するチプラス政権の支持となっただけに、EU離脱も考えられるあたらしい政治枠組みへの選択となるのか。
 最新世論調査では、それでもEU残留を望む国民は70%に及ぶと伝えている。貨幣、金融不安への警戒感も強い。

 (3)緊縮策はご免だがEUにも残りたいという絶対に両立しない問題に直面することになる国民投票だ。チプラス政権がどこに支援を求めることになるのか、ロシア政府が早くも手を差し伸べているがどちらにしてもギリシャにとってそう「いい話」はないだろう。

 国民投票の結果がどう出るにしても、国内的にはデフォルト危機で銀行破たん前の国民の預金引き出し、とりつけ騒ぎ(報道)が起きており、政治的、社会的情勢不安定は深刻を増している。

 (4)チプラス政権としては国民投票により対策、協力への時間稼ぎと「責任」を国民と共有する狙いが見えて、しかし早い対応策を示す必要に迫られるだろう。
 EU枠内から出て、G20の支援枠内で生き残りをかけるのか、オリンピック発祥地のギリシャの歴史はヨーロッパが起源(origin)というよりは「東方」圏との強いつながりで存在してきた(報道)だけに、中国、ロシア、インドなど経済成長の著しい新興国中心のG20勢力との協力、支援関係は不自然ではない。

 (5)仮にG20の協力支援を受けるとして、G20がギリシャの思うような反緊縮策を認めるのか、一方でギリシャのEU離脱となればEU内の負担不公平感は解消されるとして、しかしEUの結束にヒビが入ることになりヨーロッパ各地での民族国家独立の機運をさらに高める影響効果はある。

 ギリシャ国内のデフォルト危機は対岸中東、アフリカ北部のIS、イスラム過激組織の標的ともなって、経済破たん危機の波及とともに国際秩序への不安増大を招く恐れもある。

 
 

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