いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

財津和夫アプライザル。 k.zaitsu appraisal

2016-11-04 19:40:47 | 日記
 (1)ノーベル文学賞を授賞したボブ・ディランさんがその後しばらくはそれに関して沈黙を続けていたが、報道によると最近ようやくメディアを通じて授賞する意向を述べたといわれる。

 米国民間人の最高勲章もすでに授与されていることから、その音楽同様に反権力、反体制思考ばかりでないボブ・ディランさんがノーベル文学賞授賞に対してしばらく沈黙をしていた真意はわからないが、あとは同授賞式に出席するのか、恒例の講演などの行事、服装(礼服)はどうなるのかに関心が移って、まだまだお騒がせは続くようだ。

 (2)そのノーベル文学賞に民間機関の予想候補としては一番高かった村上春樹さんはアンデルセンにかかわる外国文学賞の授賞でデンマークを訪れて、アンデルセン作品の「影」にちなんで自分の影、国家の影に対峙しなくて無関心でいるといつかはその影が大きな力を持って自分、国家を支配してあらわれることになる(報道趣旨解釈)と権力、権威の危険性について述べていた。

 村上春樹さんは作家としてはめずらしく国家、社会、権力に対する含蓄のある発言、発信が多くて、シュールリアリズム(surrealism)の文学作品よりは国家、社会、権力に対する発言、発信、姿勢のほうに深い共感を覚える。

 (3)そういう意味ではボブ・ディランさんの反権力、反体制批判メッセージの歌詞、歌と共通するロジック(logic)はある。
 そのボブ・ディランさんに対して今、チューリップ45周年コンサートを開催中の財津和夫さんが同コンサートの中で触れて、冒頭のようにようやく授賞を認めた話題に関連して、普遍的な愛の表現の歌と違って個人の魂の叫びのロック魂が文学として認められた(発言趣旨を本ブログ解釈)と意義を述べていた。

 ボブ・ディランさんが授賞をようやく認めるこの間のいきさつについて一家言のある財津さんに対して、メンバーから財津さんもノーベル賞をもらったらいいというようなことを言われて、これにはさすがに思わず吹いていた。

 (4)ビートルズが世界のロックシーンを革命的に変えたが、日本では財津和夫さんが日本のポップシーンを時代とともに変えたといって過言ではない。
 ビートルズの影響を強く受けたものではあるが、当時の東芝EMIディレクター新田和長さんがあたらしい音楽を探している中でこれまでにないメロディ・ワークにそのまま直すところがないと認め、同じく東海ラジオディレクター塩瀬修充さんが「日本にもこんな歌詞(日本語)を書く人が出てきた」と認めた財津和夫さん、チューリップだった。

 (5)18年間のチューリップとしての音楽活動は時代の先駆者として次々とあたらしい試みに挑戦して開拓し、音楽、時代をリードしてきた。その後、解散したチューリップを再び結集してコンサートを行い、以前と変わらない高い音楽評価を受けて、今年のチューリップ45周年コンサート開催に至っている。

 (6)財津和夫さんの音楽活動はこれまで相応の正当な評価(appraisal)を受けているとは言い難いが、メンバーの安部俊幸さんを2年前に亡くして今年残りのメンバー4人でチューリップ45周年コンサートを開催して、音楽活動を始めて45年(正確には来年6月)たって東京国際フォーラムAホールに5000人の大聴衆を集めていることが何よりの財津和夫さん、チューリップの音楽評価の高さのあらわれだ。

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