いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

最低投票率制度。 a system of minimum percentage of vote

2016-11-03 19:38:50 | 日記
 (1)1票の格差問題訴訟で国政選挙の違憲状態判決が続いている。選挙そのものはやり直しを求めれば国政の混乱を招くということもあって、無効とはしない論理矛盾(contradiction of logic)の行政に配慮した甘い判決も続く。

 国会の1票の格差是正の対策、対応に期待するというものだが、国民の公平な権利を保障する選挙制度の抜本改革を求める司法、裁判所としては国会の対策、対応が進まないことには不満が高まっているともみられて、いつまで論理矛盾のまま行政、立法の立場に甘い配慮を示すのか、このまま遅い改革進行では最高裁としても決断を迫られる時期も来ることが考えられる。

 (2)1票の格差問題とあわせて近年の政治離れによる低投票率問題も深刻だ。国政、地方選挙ともに高くて50%台、低い時には30%台という投票率で国会、地方議会の構成、勢力図が決まってしまうという現状が続いている。

 有権者の過半数に届かない、3分の1程度の意思で国政、地方政治の行方が決められてしまうというのは、国民すべての権利、身分、生活の安定を保障する民主主義社会においては非常に偏向した意思決定というしかない。

 (3)現実に安倍政権の重要政策には国民の過半数が反対(世論調査)しながら、安倍内閣の支持率は比較安定して、自民党の比較高い支持率で一強時代といわれる政治状況をつくり出している。

 これも論理的には矛盾した結果であり、低投票率(組織票頼り)で決着する選挙制度が反映したものといえる。せめて有権者の過半数の投票によって国会、地方議会の構成、勢力図を決めるとでもすれば、国民の意思判断としては理解もできるというものだが、それではほとんどの今日的選挙では選挙無効となってそれこそ政治的混乱を招くことになる。

 (4)一度そうして選挙やり直しでも経験すれば、国民投資(税負担)による多額の選挙費用のやり直し負担増を考えればこんなムダはなく、国民としてももっと積極的な投票行動につながるものと考えられて効果はあるはずだ。

 そういうショック療法も必要だが、今焦点になっている憲法改正問題となるとまさか低投票率の国民投票の意思で決めるとなると、それは国民全体の権利義務関係、利益に直接はね返ってくるものだけに認められるものではない国民全体、全員の問題意識にかかわる国民重要問題だ。

 (5)憲法改正の国民投票は「ほとんど」の国民の意思、判断が反映されるべきもので、最低でも過半数(50%を超える)の投票率設定が必要だ。
 国会の憲法審査会では、憲法改正案の国民投票に関して「最低投票率制度」(a system of minimum percentage of vote)の導入が議題になるとの見通しの報道がある。

 憲法改正をテーゼ(these)とする自民党には成立を容易に運ぶため、かってはこれに反対する(報道)姿勢を示していた。

 (6)しかし外国にも憲法改正の国民投票は「有権者の50%以上」を最低投票率と定める国もあり、本来は国政、地方選挙の投票率も含めて国民、有権者の意思、判断を正当に反映する過半数の意思決定はせめて必要最低条件だ。

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