いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

全米メディアの敗北。 lose the all american media

2016-11-10 19:50:01 | 日記
 (1)米国大統領選は「米国メディア」の予想をくつがえして共和党トランプ候補が民主党クリントン候補を破って次期大統領に選ばれた。
 米国メディアは予想外の大番狂わせと報じているが、そう元の予想をしたのは米国メディアであり「米国メディアの敗北」(lose the all american media)でもあった。

 早くもトランプ次期米国大統領に対しては、これから何をするのか(しでかすのか)よくわからない不安、未知数(an unknown quantity)もあって戦々恐々の様相だ。

 (2)しかしいづれにしても、これも米国メディアが大統領選挙戦を通じて流してきたように「両候補どちらも不人気で、どちらがより大統領にふさわしくないのか」の争いだと言ってきたのだから、言ってみればどちらが大統領になっても不安、期待できない大統領であったわけだから、いまさら驚くような問題でもないだろう。

 それから言えばどちらがより大統領にふさわしくないかの争いで、それでもトランプ候補がよりましな大統領として国民から判断されたということだ。

 (3)今回のトランプ候補の勝利は結果論から言うしかないが、まずはこれまで8年間の民主党政権、オバマ政権への不満、批判が考えられて、そのオバマ政権を国務長官として支えてきたクリントン候補に逆風となったのではないのか。

 米国政治は民主党、共和党の2大政党が国民の政策、政治比較による揺り戻し現象でほとんど交互に政権を担うということになっていたから、むしろ2期8年間も民主党オバマ政権が続いた、しかもこの間どちらかといえば米国の世界的イニシアティブ、ステータスを低下させてきたことに対する国民の不満、人種対立問題も影響したと考える。

 (4)ここで問題にしたいのは、全米メディアは投票直前までトランプ候補が猛烈な追い込みをみせてはいるとはいえクリントン候補が絶えず数ポイントはリードしていると分析していたが、結果は完全にくつがえる格好になった。

 日本の選挙でもたまのたまにはメディアが出した当確予想がくつがえる例はひとつぐらいはあったが、メディアの選挙動向予想の分析が今回の大統領選のように完全にくつがえるのは聞いたことがない。

 (5)米国メディアは大統領選でこぞってそれぞれの支持候補者を表明してきた。これが米国流ということで、それも米国の懐の大きさ、自由さ、寛容さとしてそれ自体はむしろおもしろいことだとは思った。

 日本では考えられないことで、メディアは公平、公正な報道姿勢で中立性が何より求められて安倍首相は何かにつけてメディアの偏向報道と決めつけて攻撃してきた。
 今回の大統領選の米国メディアは、主なメディア数十社のほとんどがクリントン支持派でトランプ候補を支持したのはほんの2~3社といわれている。

 (6)選挙戦中のトランプ候補の破天荒な過激発言を見れば当然ともいえる判断だが、両候補の国民支持率の分析でそうした「偏向」性、見方が見誤りにつながったことはないのか。

 トランプ候補も不利な評価をするメディアを選挙不正として批判を強めていた。メディアは公平、公正で中立性のある記事、評論、情報提供が使命であり、今回の一番の敗北者がメディアであった。

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