いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

歴史を裏からのぞく。 peep at the history through a reverse side

2016-11-07 20:02:17 | 日記
 (1)領土問題というのは「力」関係による誇示欲(desire for display)から理由はあとからいくらでもついてくる。北方4島問題は第2次世界大戦の戦勝国の一員として当時のソ連(現ロシア)が日本固有の領土北方4島を占領支配したものだが、今では法律にもとづく正当なロシア領だと主張して日本の返還要求にはまともに対応してこなかった。

 戦後の日ソ平和条約締結を目指した協議の中では2島返還論が話し合われたが、平和条約締結が進展しない中で北方4島返還問題も両国主張の平行線をたどっている。

 (2)プーチン大統領は領土問題の解決に向けて2島返還論にもとづく「引き分け」方法論を主張したことはあるが、ロシア政府の態度は法律にもとづく正当なロシア領土として日本に返還する意思のない強硬姿勢に変わりはない。

 絶対権力者のプーチン大統領の引き分け論の本意はどこにあるのか真意がつかめないところであるが、年末に日本を訪れて山口県で安倍首相との首脳会談が予定されており、安倍首相はこれまでとはまったくあたらしいアプローチで領土問題の解決を目指すと表明しており行方が注目されている。

 (3)ロシアとすれば極東開発の日本の経済協力開発援助を引き出すことが大きな名目であり、それとの効果比較として北方4島返還問題がどう取り扱われるのかまったく道筋の見えない領土解決問題だ。

 約半世紀前に同じく第2次世界大戦で米国に占領支配された沖縄が戦後30年近くたって返還されたが、密約による核兵器の持ち込み容認に駐留米軍基地の70%以上が沖縄に集中して地位協定により事実上の米軍による治外法権化(extraterritorial jurisdiction)で、沖縄の主権、人権は守られているとはいえない現実だ。

 (4)領土問題というのはそういう力関係の結果を反映した封建主義的な古い権力構造のものであり、時代、主義、理性が止まったままの権力構造持続性(sustainability)の中にあり、今日的社会構造の進化した権利や歴史の正当性は相容れない、顧みられないものでもある。

 (5)そういうあきらめ観か、直近のメディアの世論調査では北方4島の返還問題について、4島返還にこだわらずに柔軟に対応すべきだが57%と過半数を占めている。
 現実問題としてかっての沖縄のように日本国民が多く生活をしている中での米国、米軍による占領支配と違って、日本国民が生活をしていない北方4島とでは日本国民の反応、意識にも違いがあるということだ。

 仮に2島返還が日本の極東開発経済協力援助と引き換えに実現するとして、その時の条件がどうなるのか。

 (6)プーチン大統領の言うように引き分け論として他の2島の返還帰属は日本側が放棄することになるのか、いろいろと考えさせられる。
 北方4島は日本固有の領土であり、主権国家として領有権を復活させることは当然の権利であり、正当な主張である。

 プーチン大統領の言う引き分け論は、歴史を裏からのぞく(peep at the history through a reverse side)非合法身勝手な見方であり、法律にもとづく正当なロシア領土とは言えないものだ。
 

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