いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ヒステリックに反応しすぎている。 overresponse in a hysteric

2016-11-11 20:04:21 | 日記
 (1)次期米国大統領に選挙戦中、理不尽な(unreasonableness)過激発言をくり返したトランプさんが就任することになって、米国内で全米的なトランプデモが伝えられて米国もよく目にするアジア、中東の反権力闘争デモの様相をみせている。

 米国のトランプ・ショックの混乱がよくわかる。もちろん影響は米国だけの問題ではなく、日本にも直接その影響が及んでくる可能性はトランプ次期大統領のこれまでの発言から予想される。

 (2)日米安保条約は米国は日本を守るが日本は米国を守らない不平等な条約だと批判して、駐留米軍への日本の大幅な経費負担増を主張しそうしないなら日本から米軍を撤収して、日本は自ら国を守らなければならないと日本の核兵器の保有まで言及してみせた。

 TPPは米国経済に不利な貿易協定であり、大統領就任の日に脱退すると言明している。強行採決までして今国会でのTPP承認を目指す安倍政権にとっては思いもよらない意外な展開だ。

 (3)大統領選中の印象を残す思い切った過激発言ではあるが、仮に大統領就任してからこれらを実行しないとなるとトランプ大統領として国民に対する信用問題となり、一気にダメージとなる公算もあるだけに容易にホコをおさめるというわけにもいかないだろう。

 しばらくはトランプ・ショックが尾を引くだろうが、勝利宣言後のトランプ次期大統領からは選挙戦中のような過激な発言は影をひそめて国内向けには融和と協調を打ち出しており、米国大統領としてそれなりの振る舞い言動が見られる。

 (4)米国第一主義を掲げて世界的にはこれまでと違った保護主義をさらに加速させることは間違いないだろう。しかし、トランプ次期大統領の選挙戦中の過激発言に予想だけで米国内も世界もあまりにヒステリックに反応しすぎている(overresponse in a hysteric)傾向はある。

 これから組閣が始まり政権の骨格、陣容が固まれば方向性はより明確になるので、国対国、政府対政府、政府対国民、利害関係者との交渉でトランプ政権の政策、理念が問われることになる。

 (5)プロセスはそうだとしても、そしてそれがこれまでの米国内、世界秩序に反するものではあっても、いつまでもトランプさんが米国大統領として君臨するわけではないので、4年ないしは8年間の問題だ。

 仮にトランプ大統領によって米国内、世界基準としての秩序が失われるとして「4年」のことであり、そうなれば2期目の再任の可能性は低くなることが考えられるので「失われた4年」ということになる。

 (6)本当の危険、危機はトランプ大統領がこのままの姿勢で再任されて2期目の4年(計8年)をさらに米国大統領として政治、経済、社会を指導することになった場合だ。

 「失われた8年」ということになれば、これらを取り返すのは大変なことになるだろう。それは来年からのトランプ政権の4年間の政治、経済、社会の成果、結果、評価にかかっている。

 (7)まずはお手並み拝見というところで、今からヒステリックに過剰反応することではない。まずはお手並み拝見というのはあたらしい政治指導者、政権への常道であり、見守るべきスタンスだ。

 むしろ問題とすべきは今回のトランプ現象を含めて世界の政治主義、理念が既成(政治)観念を否定するあたらしいうねりの保守的、保護的、孤立的主義に向かっている危険性だ。

 (8)欧州中心に極右勢力、政党が台頭して、中国、ロシアは拡大拡張路線を走っており、北朝鮮は核依存の異端孤立国家を進んでいる。
 世界の政治は確実に劣化、貧困を迎えている危険だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする