(1)安倍首相が世界の政治指導者に先駆けてトランプ次期大統領とニューヨークのトランプさんの自宅で会談した。日本の首相としては時期、場所ともに異例の会談となった。
会談内容はトランプさんが正式に米国大統領に就任(来年1月)していないからと発表されなかったが、公表された会談写真にはトランプさんの満面の笑みが印象的で友好な会談を演出してみせていた。
(2)この時期のトランプ次期大統領との会談を世界政治指導者に先駆けて行ったことを評価する声(特に日本国内において)もあるが、まだトランプ政権の骨格も固まらない中でトランプ次期大統領の具体的に打ち出す理念、信条、政策も大統領選中の発言を頼りの予測が先行するものであり、この時期に世界の政治指導者が会うことの意味、意義は大きくはない。
(3)安倍首相、日本側は個人的友好関係の構築が大切だとこの就任前の会談を評価しているが、見ようによってはトランプ次期大統領の選挙戦中の日本に対する防衛、TPP、貿易関税問題に対する過激発言に過剰反応して「あせって」(too eager)いるとも見られる先駆け会談とも考えられる。
やはり相手の出方を見てから対策、対応を考えての「首脳会談」でなければ政治的意味、意義はないと考えるのが普通だ。安倍首相がちょっと「あせり」すぎというのは、トランプ次期大統領がTPPに反対して就任の日に離脱すると表明しているTPP承認を安倍首相が今国会で強行しようとしていることと無縁ではないだろう。
(4)安倍首相は日本がTPP承認を先行して米国の同承認を後押しする意気込みを語っているが、仮にTPP承認を日本が先行しておいて来年になってトランプ米政権がTPPから脱退して立ち行かなくなった場合、日本の立場、国会決議の先行きは空転して政府の対応は何だったのかの批判、見通しが厳しく指摘されて、国会審議、決議の意味、意義、責任の大きさが問われることになるばかりだ。
現にトランプ次期大統領の出方を見るためにベトナムではTPP議会審議が中断(報道)されたとある。
(5)日本の野党もここに来てTPP承認は急ぐ必要はないとの主張をしている。さらに駐留米軍基地の経費負担についても、トランプ次期大統領はこれまで日本側の負担増を主張していることもあり、安倍首相には日本の政治課題として現実的に「あせり」があるのではないのかの世界の政治指導者に先駆けてのこの時期の安倍・トランプ会談となった印象が強い。
世界は注目するだろうが、日本政府(官房長官)が言うように成果といえるものかどうかは疑問がある。
(6)個人的な友好関係の構築といっても、トランプ次期大統領から見ればさっそく就任前のこの時期に飛んで来てくれた日本の首相という優越感だけで、現実主義者(realist)と見られるトランプさんからすればこの時期の会談に大した意味を感じていないのではないのか。
それよりも眼中は身内、家族まで投入した政権構想、人事骨格づくりに向けられており、当選後すっかりおとなしくなったトランプさんにとってはここだけは選挙戦中のように自分に好きなようにやりたいことをやっているトランプ流儀(trump fashioned)の印象で、報道によると政権移行チーム内での身内、家族の意見、意向が影響を与える確執も取り沙汰されて早くも政治の「私物化」が懸念される状況であり、米国はしばらくはトランプ流儀に振り回される様相だ。
(7)この時期の安倍・トランプ会談に意味を見出すことはむずかしい。
会談内容はトランプさんが正式に米国大統領に就任(来年1月)していないからと発表されなかったが、公表された会談写真にはトランプさんの満面の笑みが印象的で友好な会談を演出してみせていた。
(2)この時期のトランプ次期大統領との会談を世界政治指導者に先駆けて行ったことを評価する声(特に日本国内において)もあるが、まだトランプ政権の骨格も固まらない中でトランプ次期大統領の具体的に打ち出す理念、信条、政策も大統領選中の発言を頼りの予測が先行するものであり、この時期に世界の政治指導者が会うことの意味、意義は大きくはない。
(3)安倍首相、日本側は個人的友好関係の構築が大切だとこの就任前の会談を評価しているが、見ようによってはトランプ次期大統領の選挙戦中の日本に対する防衛、TPP、貿易関税問題に対する過激発言に過剰反応して「あせって」(too eager)いるとも見られる先駆け会談とも考えられる。
やはり相手の出方を見てから対策、対応を考えての「首脳会談」でなければ政治的意味、意義はないと考えるのが普通だ。安倍首相がちょっと「あせり」すぎというのは、トランプ次期大統領がTPPに反対して就任の日に離脱すると表明しているTPP承認を安倍首相が今国会で強行しようとしていることと無縁ではないだろう。
(4)安倍首相は日本がTPP承認を先行して米国の同承認を後押しする意気込みを語っているが、仮にTPP承認を日本が先行しておいて来年になってトランプ米政権がTPPから脱退して立ち行かなくなった場合、日本の立場、国会決議の先行きは空転して政府の対応は何だったのかの批判、見通しが厳しく指摘されて、国会審議、決議の意味、意義、責任の大きさが問われることになるばかりだ。
現にトランプ次期大統領の出方を見るためにベトナムではTPP議会審議が中断(報道)されたとある。
(5)日本の野党もここに来てTPP承認は急ぐ必要はないとの主張をしている。さらに駐留米軍基地の経費負担についても、トランプ次期大統領はこれまで日本側の負担増を主張していることもあり、安倍首相には日本の政治課題として現実的に「あせり」があるのではないのかの世界の政治指導者に先駆けてのこの時期の安倍・トランプ会談となった印象が強い。
世界は注目するだろうが、日本政府(官房長官)が言うように成果といえるものかどうかは疑問がある。
(6)個人的な友好関係の構築といっても、トランプ次期大統領から見ればさっそく就任前のこの時期に飛んで来てくれた日本の首相という優越感だけで、現実主義者(realist)と見られるトランプさんからすればこの時期の会談に大した意味を感じていないのではないのか。
それよりも眼中は身内、家族まで投入した政権構想、人事骨格づくりに向けられており、当選後すっかりおとなしくなったトランプさんにとってはここだけは選挙戦中のように自分に好きなようにやりたいことをやっているトランプ流儀(trump fashioned)の印象で、報道によると政権移行チーム内での身内、家族の意見、意向が影響を与える確執も取り沙汰されて早くも政治の「私物化」が懸念される状況であり、米国はしばらくはトランプ流儀に振り回される様相だ。
(7)この時期の安倍・トランプ会談に意味を見出すことはむずかしい。