(1)演説は長いだけが、長いからいいわけではない。共産圏の指導者の演説はとりわけ長い。3時間ぐらい平気で話し続ける。言葉による洗脳が大事な革命思想ということもあり、話し続けることで権威、権力を誇示することが自らの立場を確固たるものと認識させる手段だ。
日本の国会本会議での首相の所信表明演説はせいぜい1時間程度のものだが、それでもTVで聞いているとやけに長いと感じる。中身、構成の問題がなおさらそう感じさせるものだ。
(2)特別国会は当初、政府、自民党は首相の所信表明演説もなく国会構成(議席指定)の確認だけで終わらせようとしたが、その前の臨時国会も冒頭解散総選挙で審議もなく、さすがにこれでは野党の反発も強く30何日かの会期で開催された。
昨日の首相の所信表明演説は「平成以降で過去2番目に短い」(報道)15分程度のもの(premier statement of fifteen minutes)となった。本日の紙面での首相所信表明演説全文紹介でも通常紙面2面いっぱいに活字が並ぶ量のものが、昨日のは1面の半分で収まっていた。
(3)そもそも安倍首相の外交日程が詰まっていてやる気がない気持ちをそのまま野党にあてこすったかのような所信表明演説であった。所信表明演説は国会で行うものであるが、もちろん与野党議員に対してよりはその背後の支持者の主権者国民に対して行う、約束するものであるから、議会制民主主義政治の国会のあり様がかなり崩壊している、国民と遊離している実感がことさらに強い。
前述したように演説は必ずしも長いだけが、長いからいいわけではないが、いくらなんでも15分程度、紙面の1面の半分では首相の気持ち、意思、意欲、決意、やる気がまるで伝わってこない。
(4)北朝鮮問題への対応、少子高令化を克服する、世界の成長を取り込む、災害からの復旧、復興がすべてで、これでは大義のない総選挙といわれた選挙公約並みの要点化であり、首相がこれから政治的課題、問題に取り組み解決していく決意を示す所信表明には確かにほど遠い内容だった。
安倍首相は19年10月に予定されている消費税10%引き上げ課税を国家財政赤字補てんからある程度教育無償化に振り替える変更を表明しているが、国家財政の累積赤字が1千兆円を超えて財政健全化対策が重要課題として求められているがこれに対してはほとんど触れていない。
(5)企業統治、倫理の崩壊(安全データ不正、無資格検査)も社会の安全を損なうものとして社会問題化しているが、構造改革の見直しもない。これからの国会審議で中心となるであろう憲法改正についても触れていない。
(6)まるで何かのインタビュー記事のような内容の乏しさ、薄さだった。今回の首相演説は冒頭で「わが国はまさに国難とも呼ぶべき課題に直面している」と強調しているが、その「課題」がどこかに行ってしまってやはり政治家の言葉の軽さが目につき、最後に「ご清聴ありがとうございました」と締めたが、15分程度の演説では清聴も何もないあっという間の政治の実力を示すかのような薄っぺらな演説だったのだ。
日本の国会本会議での首相の所信表明演説はせいぜい1時間程度のものだが、それでもTVで聞いているとやけに長いと感じる。中身、構成の問題がなおさらそう感じさせるものだ。
(2)特別国会は当初、政府、自民党は首相の所信表明演説もなく国会構成(議席指定)の確認だけで終わらせようとしたが、その前の臨時国会も冒頭解散総選挙で審議もなく、さすがにこれでは野党の反発も強く30何日かの会期で開催された。
昨日の首相の所信表明演説は「平成以降で過去2番目に短い」(報道)15分程度のもの(premier statement of fifteen minutes)となった。本日の紙面での首相所信表明演説全文紹介でも通常紙面2面いっぱいに活字が並ぶ量のものが、昨日のは1面の半分で収まっていた。
(3)そもそも安倍首相の外交日程が詰まっていてやる気がない気持ちをそのまま野党にあてこすったかのような所信表明演説であった。所信表明演説は国会で行うものであるが、もちろん与野党議員に対してよりはその背後の支持者の主権者国民に対して行う、約束するものであるから、議会制民主主義政治の国会のあり様がかなり崩壊している、国民と遊離している実感がことさらに強い。
前述したように演説は必ずしも長いだけが、長いからいいわけではないが、いくらなんでも15分程度、紙面の1面の半分では首相の気持ち、意思、意欲、決意、やる気がまるで伝わってこない。
(4)北朝鮮問題への対応、少子高令化を克服する、世界の成長を取り込む、災害からの復旧、復興がすべてで、これでは大義のない総選挙といわれた選挙公約並みの要点化であり、首相がこれから政治的課題、問題に取り組み解決していく決意を示す所信表明には確かにほど遠い内容だった。
安倍首相は19年10月に予定されている消費税10%引き上げ課税を国家財政赤字補てんからある程度教育無償化に振り替える変更を表明しているが、国家財政の累積赤字が1千兆円を超えて財政健全化対策が重要課題として求められているがこれに対してはほとんど触れていない。
(5)企業統治、倫理の崩壊(安全データ不正、無資格検査)も社会の安全を損なうものとして社会問題化しているが、構造改革の見直しもない。これからの国会審議で中心となるであろう憲法改正についても触れていない。
(6)まるで何かのインタビュー記事のような内容の乏しさ、薄さだった。今回の首相演説は冒頭で「わが国はまさに国難とも呼ぶべき課題に直面している」と強調しているが、その「課題」がどこかに行ってしまってやはり政治家の言葉の軽さが目につき、最後に「ご清聴ありがとうございました」と締めたが、15分程度の演説では清聴も何もないあっという間の政治の実力を示すかのような薄っぺらな演説だったのだ。