いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ゴルフ外交記録。 diplomatic document of golf

2017-11-08 19:44:52 | 日記
 (1)外交関係は信頼関係が基本だから責任問題として何を語り、どう履行するかは双方確認することが大事だ。外交記録(diplomatic document)といわれるものだ。
 最近の国会審議で政府の都合の悪い答弁経緯に対して、政府省内関係部署で公文書として記録が残されていないとしてツッパねるのとは訳が違う国際関係の重要性だ。

 72年沖縄返還に際しては日米間で核の持ち込み容認の密約(secret compact)があったということがその後の米国の公文書公開で明らかになっているが、日本側はこれを認めていない。

 (2)日本側は非核三原則を国是としているので、米軍の核の持ち込み容認を文書として残すことをためらったのだろう。米国の外交文書には記載が残り、日本側はこれを認めない(文書化されていない)ということになれば国際外交関係の信頼性を大きく損なうことになる「密約」だから、公開されることがないという前提のもとの双方確認だったのだろうと考えられるが、米国公文書は規定に基づき相当期間が過ぎれば自動的に公開された。

 (3)そういう苦い経験を持つ日本政府だが、今回のトランプ大統領の来日に合わせて来日したその足で川越のゴルフ場で安倍首相とトランプ大統領が個人的にゴルフラウンドを楽しんだ。

 途中通訳なしでの会話もあったようで、ラウンド終了後日米双方から翌日の日米首脳会談を先取りして議論した(報道)ことが伝えられている。これに対して政府省内文書記録には無頓着な日本政府だが、日米首脳ゴルフ会談を外交記録としてどう残すのかが議論になっているといわれる。

 (4)外務省は首脳間の発言を文書で記録し原則として作成後30年を経た文書を定期的に公開する(報道)こととしているが、沖縄返還時のような密約は例外らしい。
 結局はトランプ大統領から二人だけで話した安倍首相から聴取するしかないが、これでは客観性のある証明力のある外交記録とはなり得ないので、政府省内得意の「記録なし」ということになるのだろうが、主権者国民に隠さなければならない「密約」はあってはならない。

 そもそも通訳なしでの日米首脳同士の政治的な会話などは、日本側首脳がよほど英語力に優れていても正確性、理解力となると不確実性(uncertainty)がつきまとうもので客観性に乏しく、首脳同士の親密さとは関係なく異質のもので、両国首脳の外交責任として避けるべき配慮に欠けた事例だ。

 (5)特に目立った米国追随外交を展開している安倍首相であるだけにトランプ大統領からの注文に無抵抗が予測されるだけに、ゴルフ会談はふさわしかったのかは問題になる。

 そうでなくても西側ヨーロッパ首脳間でも政治姿勢、手法、信念からトランプ大統領との政治的距離について一定の配慮、距離を置く中で、安倍首相のベッタリ感は一部与党、野党からも疑問の声も聞かれる。

 (6)また日本側には文書記録のない米国発信の密約などは聞きたくはない。

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