いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治の名将監督論。 a great commander of politics theory

2017-11-01 20:30:05 | 日記
 (1)政治は客観的にみればむずかしいものだ。議会制民主主義政治の場合、実際に政治を動かしている政治家、議員とそれを選択して負託する国民とは違うし、選んでみたけれどと当選すればこっちのものとの確執はいつもある。

 自民党をぶっ壊すと宣言して首相までになった小泉元首相だが実際は自民党長期政権を築き、郵政民営化のために当時のねじれ国会で参院審議が行き詰まると途端に切り返して衆院を解散するという荒業で総選挙で郵政民営化支持勢力を拡大してみせた。

 (2)当時自民党が多数を占める衆院では郵政民営化法案は通過していたのだから、この解散は理屈に合わないと批判を受けたが終わってみれば自民党の大勝だった。
 当時小泉首相にとりたてられていた現安倍首相はこの経験を今回の大義のないといわれる解散総選挙に活用したのではないのかと思わせるものだった。

 (3)結果は小泉手法同様に準備不足の野党が勝手にコケて自民党の大勝だった。そのコケた野党で民進党をぶっ壊すともいわずに、最初からそのつもりだったのか数か月前に民進党代表に選ばれたばかりの野党再編論者の前原代表がこれまた急きょ立ち上げた小池代表の希望の党との合流話の行き違いから民進党を本当に分裂しぶっ壊してしまうという、思惑どおりだったのか思惑違いだったのか小泉手法とは正反対のプロセスをみせた。

 (4)政治にプロはないが必要もないが、小泉元首相はしたたかで小池、前原さんは政治知らずのあまりに未熟さを露呈してしまった。
 もうひとつ政治のむずかしさにはフィクサーと呼ばれる表の政治家をあやつる影の輩(やから)もいる。最近では専門家スタッフといわれて聞こえが良く、政治家の理念、政策、理論に影響を与えているもので前原さんの希望の党合流話は自らの決断なのか専門家スタッフの助言、影響なのかは興味のあるところだ。

 (5)政治家にプロはいらないと書いたが、最近の政治家は「チルドレン」といわれて自らの政治理念、信条、理想、政策よりは党内実力政治家の支援の中で数合わせにつかわれて当選してくる傾向が強く、政治家としての資質に欠ける人材不足が目につくようになってきた。

 一部党内実力者のいいなりになって主権者の国民に背を向ける政治家群像だ。これらは一体となって当選すればこっちのものと国民に約束したものではないことを自らの野望のために実行に移しているのが今日的政治状況だ。

 (6)プロ野球はかっては名将といわれた名監督が多数いて弱小球団でも優勝に導いて手腕を発揮したが、よく監督はそれなりの準備、経験がないと満足に務まらないといわれてきた。

 未曾有のV9を達成した川上哲治巨人元監督は、王、長嶋の絶対的カードを有して、誰が監督をやっても勝てるといわれたことに、(誰でも)3~4年は勝てる(優勝)かもしれないがV9は誰にでもできるわけではないと自信を持って言っていた。

 (7)政治にプロはいらないが、名将といわれる監督政治家(a great commander of politics)は必要だ。

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