いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

あたらしいヨーロッパ経済圏。 new economy sphere of europe

2020-02-05 20:17:30 | 日記
 (1)英国が国民投票でEU離脱を決めてから4年近くのすったもんだの末、2月1日にEUを離脱した。これまでと何が違っているのか現在のジョンソン首相は再びEU離脱を争点とする解散総選挙を実施して与党が勝利してこれまでEUとの協定案に反対してきた議会が賛成に変わったことだ。

 今年いっぱいはこれまでのEU、英国関係が維持される移行期間とされて、その後のEUと英国の方針の違いが大きい自由貿易協定(FTA)を軸とした関係確立の合意交渉が開始されることになり、メイ前政権時代にEU離脱合意が難航して進まなかった問題を先送りしただけのことだ。

 (2)メイ前首相は解散総選挙を選択せずにジョンソン首相は解散総選挙を実施して勝利してこれまで反対の議会が賛成に変わっただけのことだ。これまでEU離脱で懸念されてきた「合意なき離脱」の問題、課題はこれまで通りこれからのEUと英国の交渉次第と何も変わりがない。

 英国は一時的には日本を含めて外国企業の英国離れ、EUと経済協力関係の悪化で国内経済に打撃を受けるだろうが、ドーバー海峡を挟んで隣同士の英国とEUの関係、協力改善は時間を要してもお互いに必要とされるもので将来的には深刻なものとはならないだろう。

 (3)むしろEUにとっては仏、独とEU体制を構成、先導してきた英国の離脱は深刻で、EUが一枚岩とはならずに結束が崩れてヒト、モノ、カネの自由往来のEU理念、政治、経済、平和の壮大な実験場としてのEU体制の維持、統率、統制に痛手を負ったことのほうが大きいリスクを背負うことになった。

 EU内に債務国、金融危機国を抱えてEUをリードする仏、独の政治指導者も国民的支持の低下問題、交代を抱えて万全ではなく、米国、ロシアとの確執、対立も抱えて前途多難のEUの英国離脱だ。

 (4)EUとしてはEU内結束のヒビ割れ崩壊連鎖を防ぐために、英国の離脱には厳しい要求、態度で交渉を進めてきた経緯でもあるが、英国離脱が正式に決定した以上は米国と対峙するヨーロッパ政治、経済、軍事の維持のためにも英国との共存、協力、貿易関係の維持は必要不可欠のものであり、英国とEUとの新しい関係のヨーロッパ経済圏(new economy sphere of europe)の確立に向けて模索が続く。

 

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