いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国の責任10年。 national resposibility in 10 years

2020-10-01 19:39:36 | 日記
 (1)政府の東日本大震災による復興、復旧事業は10年を迎えて20年度で終了し、復興庁の来年度予算要求はピークの13年度の3兆円から2割程度の6千億円となった。ハード面の整備が進んだ結果だが、福島第一原発事故ではいまだに帰宅困難地域が残り、全国に避難者が残る。

 (2)安倍前政権は東電まかせでなく政府が前面に出て原発事故復旧に当たるとしながら、すべて東電まかせで復旧計画に遅れが目立ち、増え続ける放射性汚染水の処理で除染後の海洋放出方針で地元自治体、住民、漁業関係者とのあつれきもある。
 今後40年は見込まれる福島第一原発廃炉計画の中で、途方もない時間と生活不安が募る。

 (3)東電に事故責任を押し付けた政府に対して、福島住民集団訴訟で福島地裁、仙台高裁が続いて福島第一原発事故の国の責任(national responsibility)を認め、損害賠償を支払うよう命じた。高裁としては国の責任を認めた初めての判決だ。10年目にして国の責任を認める初めての判決で、時間ばかりがかかりすぎた。

 (4)原発政策は狭い日本にグルリと取り巻くように54基もの原発を「原発神話」の安全性主張のもとに設置して、福島第一原発では政府の専門家委員会で過去の歴史から巨大地震、大津波が予想されながら政府、東電は適切な安全対策を無視して原発政策を推進して、11年の東日本大震災発生で大津波が対策不備の福島第一原発を機能不全に落とし込み、いまだに帰宅困難地域、住民を残す大災害を招いた。

 (5)一義的には原発事業者の東電に問題、責任はあってもその原発政策を「原発神話」の虚構で推進した政府に直接的責任があることは当時の対応から明白だった。何を今さらの地裁、高裁の福島第一原発事故の国の責任判決でもあるまい。

 (6)安倍前政権は将来のエネルギー政策で原発再稼働をベースロード電源に据えて推進している。54基もあった当時の原発で再稼働審査に合格して現在稼働しているのは、できるのは数基しかない。

 政府の自然再生可能エネルギーへの取り組みが遅れて、仮に司法による福島第一原発事故の国の責任が認められるということになれば、エネルギー政策は根本からの見直しに迫られることになる。

 (7)福島第一原発事故が起きた時から当初の言葉どおり政府の責任で復旧の前面に出て事故処理、安全対策にかかわるべきことだった、国の責任10年だ。
 

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