いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治と学術、学者。 politics and scholar

2020-10-02 20:06:43 | 日記
 (1)「私どもは(国民)選挙で選ばれている」〔報道-( )内は本ブログ注〕と菅首相は政府の方針決定に反対する官僚は移動させると公言している。事務次官候補でも「あれは絶対ダメだ」と言ったともいわれて選り好みがはっきりして、官僚は政府機関職員だからそれはそうでないと仕事が回らないからそうともいえるが、こちら政府から独立した立場で政策提言をする科学者の代表機関「日本学術会議」のメンバーを首相の規定権限にもとづいて任命しないとなると、政府から独立した日本学術会議への露骨な人事介入、政治介入ということになり、極めて異例なことだ。

 (2)菅政権になって任命権者の首相が日本学術会議新会員の推薦候補者6人を初めて任命しなかった。政府と独立した組織なのに首相が任命権を持つというのもありえない規定であり、名目と実体が相反する日本学術会議のあり方に問題がある。

 むしろこれまで学者(scholar)、研究者が問題提起もせずに(多分)よくこれまでこのままで政府、政治に服従してきたものだと疑問に思う。学者、研究者の研究資金の不足に政府の支援、助成が欠かせない背景はある。

 (3)しかしこういう政府、政治追随の学者、研究者の専門組織は意味がなく、解体して政治に関与、介入されない自由な発言、提言のできる組織に改組しなければならない。ノーベル賞授賞者が結集して組織化し専門家会議を形成している話は聞かないし、一種圧力団体の組織化は独自の専門分野、研究、業績に従事する学者、研究者には不釣り合いだ。

 今年、ノーベル賞授賞者の山中伸弥教授が担当政府高官から研究支援の打ち切りを示唆されたことが高圧的であったことから問題となり、学者、研究者も研究資金の不足を政府の支援、助成に頼らざるを得ずに、政府の方針に従うしかない弱みはある。

 (4)菅首相の国による研究支援、助成を背景にした露骨な日本学術会議への人事、政治介入は問題であってはならないが、そういうことが可能な日本学術会議の組織のあり方も16年(04年現行制度実施)も続けてきたとは、これも驚きで問題だ。

 安倍前政権から自らの考えに近い人材を重用する傾向が目立ち、政策、方針に偏向性(bias)が強くなり政策継続のへい害も懸念されており、安倍前政権の政策、方針を継続するという菅首相の偏向性が顕在化している。
 

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