いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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首相兼務の官房長官-菅政治。 suga politics

2020-10-15 19:54:57 | 日記
 (1)国民はどういう国家指導者に未来を託すのかは重要で、米国と日本が同じ難問に直面している。米国はトランプ大統領が米国第一、保護主義を主張し中国、露、EUと敵対、共通主義国とのあたりかまわない対立を続け、コロナ感染社会にただ強がりで打つ手もなく世界最大の感染国になり、果ては行き着く自らコロナに感染したトランプ大統領か、77才の高年令で当選、就任前から高年令を理由に大統領職遂行に不測の事態が起きればいつでも代われる比較若い副大統領を指名したというバイデン候補かと、今や唯一の覇権国家を自認する米国としてはどちらでも心もとない不安がつきまとう選択だ。

 (2)日本はといえば、言葉は悪いが、菅首相が就任早々官房長官時代から取り組んできた携帯電話料金の値下げを総務相に指示して、人事権掌握で官邸主導政治の存在感そのままに日本学術会議推薦人6名の任命拒否をするなど、これまではまるで「首相兼務の官房長官」という存在の菅首相だ。

 近年の政治組織は行政改革の旗印のもとに大臣、政府機関の「兼務」がやたらと多く、ついに首相も「兼務」になったのかとは軽いエスプリだ。ちなみに日本学術会議推薦人6名任命拒否に事前にかかわったとされる杉田官房副長官は内閣人事局長を兼務している。

 (3)こういう人たちに国民の未来、将来が託されているわけで、大統領制の米国ではまだ国民有権者が直接審判できるが、議院内閣制の日本では今は自民党の派閥力学、既得権益独占で国家指導者(首相)が決定するではまことに心細い限りだ。

 安倍前首相にはまだしもリフレ派の黒田日銀総裁を任命して大胆な金融緩和策、アベノミクスで経済回復を目指すという基本理念、政策はみられたが、前述のように後を引き継いだ菅首相にはまだこれといった基本理念、政策がみえずに官房長官時代の課題、手法にこだわりをみせて、首相兼務の官房長官という印象、理由だ。

 (4)世界的に資本主義、民主主義の後退の中で自国主義、極右勢力の台頭で、日本でも憲法改正論議などで強い保守思想、右傾化の影響、傾向がみえる。菅政権は故中曽根元首相の内閣と自民党の合同葬に文科省が加藤官房長官の要請により全国国立大などに黙とう、弔意を表明するよう通知(報道)した。

 首相を務めた故人の権威、威光を強制的に政治に利用することなどあってはならない。政府、自民党として強い保守思想、右傾化を示すもので、菅政権、菅首相としては自らの本格的政治始動の前に負の政治遺産頼りが目立つ。

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