いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民との思い違い。 misunderstanding to nation

2022-06-21 20:04:00 | 日記
 (1)岸田首相は新しい資本主義、成長と分配の好循環を目指して、国民の「資産所得倍増プラン」を打ち出した。少額投資非課税(NISA)の推進、拡充で国民の投資行動を喚起しようというものだが、直近の世論調査では評価する23%に対して評価しないが「倍増」の55%と支持は低い。

 (2)国家累積財政赤字が1200兆円と世界でも有数の借金大国でそれを推進している日本の岸田首相に国民には資産所得倍増プランといわれても、まずは国家財政健全化プラン(プライマリーバランス)の実現が先だろうの国民意識は高い。

 (3)若者の社会構造には、若いうちに投資で資産を増やして元気なうちに仕事を辞めて残りを好きなようにやりたいように生きる考え方もあると紹介されているが、ここでも岸田首相は社会保障の負担増について若者世代に負担が重い制度を改めてどの世代でも負担が出来る人に負担してもらう全世代型社会保障政策の実現を目指すという。

 (4)高令者にとってはさんざん現役時代に税負担をして社会保障を支えてきて、その投資でいざ支えられる番になると少子化で年金減に見舞われて国の約束が守られずに、前述の若者世代の若いうちに資産形成してあとはそれを原資に好きなように生きていく人生論との「思い違い」(misunderstanding)との隔たりは大きい。

 (5)折しも経済界と労働組合、有識者らで構成する「令和国民会議」(令和臨調)が発足して、2院制などの政治改革(統治構造)、中長期的な財政見通し(財政・社会保障)、人口減少、環境問題(国土構想)に提言する。

 発足大会に出席した岸田首相は、政府予算の単年度主義のへい害などにメスを入れ財政健全化信頼の確保に努める決意(報道)を述べている。同じく野党代表は総じて賃上げに言及して、日本社会の低賃金構造からの脱却を訴えた。

 (6)岸田首相は成長と分配の好循環で富裕層所得への課税強化を打ち出したが、自民党の経済財政指針の骨太の方針では取り上げられずに成長、大企業優遇のアベノミクス回帰が鮮明になり、中間層を厚く、経済格差是正を目指す姿勢はすっかり後退した。

 (7)そうした中で打ち出された資産所得倍増プランは、コロナ社会、ウクライナ戦争などを背景として将来生活への不安の大きい国民意識、生活には時代感覚的にもミスマッチの提言であり、国民の過半数(55%)が評価しない結果となった。

 国民にとっては軒並みの物価値上げの対策が求められて、こちらでも国民の62%が政府の物価対策を評価しないと回答した。

 (8)岸田首相の理念、方針、政策が大きく変化、後退して「絵空事」になって、国民の声を「聞く耳」が特徴といいながら国民意識、生活とは遊離、隔絶していく姿勢には信頼が失われて、岸田内閣支持率最高の59%が不思議と書いたがやはりすぐに直近48%に急降下した。

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