いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

岸田レトリック。 kishida rhetoric

2022-06-16 20:23:22 | 日記
 (1)4月からの一斉の物価値上げは昨年の世界的原油高騰による流通価格の値上げによるもので、その時点で4月に向けての一斉値上げが予告されてのものだった。政府は対策としての石油元売りに対して補助金を出してGSでのガソリン価格の安定に努めたが、価格は上下動して安定せずに補助金は上昇して1リッター当たり40円台に上昇して上乗せされることになった。

 GSのガソリン価格が毎日のように上下動して他店の価格を見越しての割安設定などガソリン価格設定の構造的問題に踏み込まずして、政府が補助金をつり上げていても対策にはならない。

 (2)現在の物価値上げは原油高騰に欧米との金利格差による急激な円安による輸入原材料、食料品などの高騰が大きく影響しているもので、政府の対露経済制裁による石油禁輸によるエネルギー価格高騰もあるが政府の経済政策の一環であり、ガソリン価格補助金対策をみても政府の経済政策が効果を上げているとは思えない。

 (3)岸田首相はこれらを「ロシアによる『有事の価格高騰』だ」(報道)と指摘しているが、野党は岸田政権の経済対策の不足による「岸田インフレ」と批判している。昨年からの物価値上げ予告、急激な円安原因をみれば露産石油禁輸はあっても「有事の価格高騰」に責任を押し付けることはできずに、昨年からの物価値上げ予告、円安影響に適切に対応しなかった、できなかった政府の責任はある。

 (4)これらをすべてウクライナ戦争の影響(有事の価格高騰)に押し付けるのは岸田首相の問題のすり替えにすぎない。野党の言う「岸田インフレ」が近いが「岸田レトリック」(kishida rhetoric)だ。

 さらに欧米の物価上昇8%台に対して日本は物価上昇2.1%に抑えているのは岸田政権の経済対策の効果発言は、欧米との賃金格差の開き、世界的な日本の低賃金を考慮しない発言でレトリック(美辞麗句)にすぎない。

 (5)参院選では岸田首相の唱える新しい資本主義、成長と分配の好循環は重要な政策判断になるが、骨太の方針では「分配論」は影を潜め、「成長論」アベノミクス回帰が鮮明で「岸田レトリック」だ。

 こうした中でも岸田内閣支持率は直近59%と自らの内閣の最高を記録しているのは、野党の力不足、連携不足が影響してのもので、野党に助けられての岸田レトリックだ。

 (6)政治、国会は波風も立たずに何事もなくすぎればいいというものではなく、政策問題、課題は与野党誠意をつくして論議し、意見を交わして対立比較して、国民の判断、理解を深める努力が必要で、参院選を前に与野党対立、対決を避けて出された法案がすべて通過したからといって政治は満足できるものではない。

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