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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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野党の力不足の証しー内閣不信任案。 evidence of powerless the Opposition

2022-06-10 20:21:53 | 日記
 (1)国会最終盤になっての野党の最後の「一手」が内閣不信任案(a nonconfidence vote of the Cabinet)の提出だ。内閣不信任案は与党に一定の同調議員が出て過半数となれば可決されて内閣総辞職、政権交代につながるもので、本来緊迫、危機感のある提出だが、余程のことでもない限り政権、与党内で造反議員が出てわざわざ権力、既得権益を放棄してまで自党の内閣をひっくり返す不利益を選択することはない。

 (2)記憶にあるのは自民党幹事長も歴任して将来の首相候補、実力者といわれながら機会のない加藤紘一議員が何かと批判の多い当時の森首相、内閣の方針に反対して野党の提出した内閣不信任案に賛成する意向を示して、発表記者会見で当時の同派閥の谷垣禎一議員らに慰留されて涙ながらに内閣不信任案の賛成を取り下げた「加藤の乱」だ。

 (3)内閣不信任案は最低提出する野党側が一致結束して一枚岩となって与党内閣に圧力をかけることが条件だ。今回の立憲民主党泉代表は野党の維新の会など4党が反対する中で単独(共産賛成)で岸田内閣不信任案を提出(国会で否決)した。

 (4)岸田首相は国会答弁でも野党提案に同調する姿勢をみせ論戦とならずに、検討発言をくりかえして与野党対立構図がみえずに国会審議に緊張感が少なく、岸田首相の成長と分配の好循環政策が立憲などの理念と近いこともあり波風の立たない国会となっていた。

 (5)攻めあぐねた野党第1党の立憲は、最終盤になって相次ぐ物価値上げに対して政府は適切な対策をとらなかったなどとして岸田内閣不信任案の提出を決めたが、他の野党からは岸田内閣支持率が50%台の堅調を維持している中で終盤国会でのセレモニー的な行動に対して批判も出て、これに野党4党反対という結束の乱れ、不一致がみられた。

 (6)内閣不信任案の提出はひとつ間違えば内閣総辞職、政権交代につながるもので、また首相、政権による反転攻勢の解散総選挙に打って出る緊張感はあるが、そもそも国会審議で野党が首相、政権の政策、方針、対策について断固として厳しく追及、糾弾しきれなかった証し(evidence)としての野党の「力不足」を認めた結果としての内閣不信任案の提出であり、野党自らが国会での政治能力、追及力、政策力の不足を認めるパラドックッス性(paradoxical)だ。

 (7)国会審議での決め手を欠いての慣例的な内閣不信任案では意味がない。
 

 


 

 

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