いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

安倍院政の危険度。 riskiness of abe manipulative politics

2022-06-09 20:55:07 | 日記
 (1)安倍元首相が前回自民党総裁選で当初考えの近い高市早苗議員を推しながら支持が広がらないとみて岸田氏を総裁に押し上げたのは、つまりは安倍院政政治(abe manipulative politics)を目論んでのことだったと思わせる、そうして誕生した岸田政権による今年の「骨太の方針」だった。

 (2)自民党では安倍元首相が主導する積極財政派と岸田派などの財政規律派が党内主導権争いを演じている。「骨太の方針」は政府の経済財政運営の指針となるものだから、岸田首相の新しい資本主義、成長と分配の好循環を実現するための経済財政政策の基本を示すものだが、これに安倍元首相が強引に関与して当初のこれまでのアベノミクス「機動的な財政出動」を修正して財政規律派の「財政健全化路線」へと切り替える提言案に対して、アベノミクスを否定された安倍元首相は反発し(憤ってー報道)大幅修正に動いてまとめられたものはアベノミクスに回帰する「骨休め」(本ブログ注)の方針となった。

 (3)岸田首相の「分配論」は封じ込められて、アベノミクスの「成長論」積極的財政出動が巾を利かせる揺り戻し方針となった。安倍元首相としてはかって安倍政権下で岸田氏を政調会長に起用して将来の総裁、首相候補として期待を持たせた関係から院政政治で岸田首相を主導できると見込んだか、持論の防衛費増額、敵基地攻撃能力保有で理論を先導して党内最大派閥安倍派会長として存在感を示してきた。

 (4)党役員、閣僚の人選では岸田首相の意向に不満をみせながらも強い抵抗はみせなかったが、首相時代に注力してきたアベノミクスの賃上げ、株高効果(しかし大企業、富裕層優先の経済政策だった)の成果、効果が岸田政権で大幅修正されたことには、思惑、見込み違いがはっきり出て、安倍院政政治のつもりとしては今更のだが自尊心を傷つけられて我慢ならなかったのだろう。

 (5)4月の物価値上げが安倍政権当時の目標としていた2%上昇を達成して、20年ぶりの1ドル134円台の急激な円安も当時の円安株高効果をなぞらえて、輸入価格の高騰、相次ぐ物価値上げを差し置いて輸出産業、外国人観光事業には好材料として問題はない発言をしてみせた。
 これに同調した黒田日銀総裁の家計は値上げ許容度は高まっている失言で、安倍元首相と国民感情、感覚、意識のズレ、ギャップを露呈してみせた安倍院政の危険度だ。

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