いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日米の不連続線。 a line of discontinuity of japan and usa

2022-11-04 20:29:56 | 日記
 (1)バイデン米大統領は政権評価の中間選挙間近を控えて、ガソリン価格の高止まりに対して消費者に利益を還元していないとして石油大手への増税の検討を表明した。車社会の米国ではガソリン高騰は国民の不満も多く解消のためにバイデン大統領はOPEC+に対して石油増産を要請したがウクライナ情勢で先行き不透明な中、OPEC+は大幅減産を決定して対抗した。

 (2)それに先立ってバイデン大統領は厚い中間層実現のために大企業、富裕層への課税強化を表明して、経済対策としては雇用改善もみられるが、元来強い米国を願望する米国民からはバイデン外交の弱気、失点が目立ち、高令でもあり国民の過半数が次期大統領として望まないとして支持率の低下がみられる。現職大統領の評価と目される中間選挙でもトランプ前大統領が力を入れる共和党に接戦ながら苦戦が伝えられている。

 (3)米国と同盟関係にあり経済的な結びつきが強い日本の岸田首相は、同じように厚い中間層実現のために成長と分配の好循環社会を目指しているが、こちらは富裕層への増税となる金融所得課税を打ち出しはしたが株価低下で取りやめて、ガソリン高騰対策としては石油元売りへの補助金継続でガソリン価格の安定をはかろうとしている。

 (4)効果は十分にはあるとはいえない中間総括(補助金を企業利益に使った事例もある)もあって、こちらも安倍元首相国葬、旧統一教会問題の対応で国民の批判を受けて岸田内閣支持率は急落したままだ。

 (5)バイデン大統領と岸田首相は日米経済構造基盤の違いもあって上述したように大企業、富裕層課税対策、ガソリン価格対応で正反対の対策に出ており、日米の経済特に大企業、富裕層への対応、取り組みに大きな違いがみられる。
 金融政策でもインフレ対策として金利引き上げを続ける米国と経済、企業向けに金融緩和策を維持して円安物価高に苦しむ日本との違いだ。

 (6)もう少々古い文献になる経済学者トマ・ピケティの「21世紀の資本論」では世界的な格差是正が必要で高額所得者、富裕層への課税強化が世界が協力して必要との理論があって、バイデン大統領は大企業、富裕層への課税強化を表明し岸田首相は大企業、富裕層への補助金支援、金融課税取りやめという正反対の経済対策となった。

 (7)GDPけた違いの1位米国と2位中国に次ぐ3位の日本の経済パイの違いも背景にはあるが、日米はともに厚い中間層社会実現では一致しており、向かう先は岸田首相よりはバイデン大統領の考え、経済対策の方が目指すもの、目標に近いといえる。
 ともに国民支持率は低迷しており、米国は中間選挙を間近に控えてバイデン大統領は国民により寄り添った方向性を打ち出しており、岸田首相は今後3年は大きな国政選挙がないということもあり大企業、富裕層優遇政策でコロナ社会、円安物価高で冷え切った国内経済の立て直しをまず急いでいる。

 (8)日米の経済立て直し対策でこのままどちらが成果、結果に結びつけるのか、経済社会を変換するのか注目すべき日米事情だ。

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