いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

TPPと訪米。 visit to u.s.a

2013-02-18 19:37:07 | 日記
 (1)安倍首相が21日から訪米してオバマ大統領との首脳会談(summit conference)に臨む。前民主党政権時代は、普天間基地問題に東アジア共同体構想などで日米協力関係に波風が立って、そのスキ間に中国が関与を強めて東シナ海への軍事進出から同尖閣諸島の領有権主張による領海侵犯を今もくり返して、軍事、外交緊張をつくり出している。

 このため安倍首相は、日米軍事同盟、協力関係の確認、再構築を念頭にもっと早い訪米を目指していたが、オバマ大統領の二期目の就任スケジュールの都合、TPP、普天間基地など日米懸案事項で成果が得られないと時期尚早と判断して、1か月遅れの訪米となった。

 (2)日米軍事同盟、協力関係の確認、再確認のほか、最大の懸案はTPP交渉参加問題だ。オバマ大統領は二期目の就任にあたっての一般教書演説でもTPP交渉を完了させることを明言しており、主導する立場から日本に早期交渉参加を強く迫ることが予想される。

 安倍首相は、この問題では聖域なき関税撤廃(abolition of customs duty)できないことが保障されない限りは交渉に参加しないと明言(公約)しており、聖域なき関税撤廃で日本市場への米国投資の参入、貿易拡大を目論むオバマ大統領にとっては、到底受け入れられない日本だけ例外措置の方針ということになる。

 (3)前民主党政権時代もいまの安倍政権でも、TPP交渉参加問題への日本国内の立場は交渉絶対反対の農業分野、団体をはじめとして推進の経済界と両極変わらないが、前民主党政権は交渉参加に前向きで党内反対グループの離党による参加方針純血化を進めてきたが、しかし正式な態度表明には到らず先送りに終始してきた。
 
 安倍政権では方針(聖域なき関税撤廃ではない参加条件)ははっきりしており、政権対応の違いはあきらかだ。

 (4)安倍政権としては自民党支持基盤の経済界と農業(団体)、医療(医師会)分野のこの問題の損得(と感じている)の両極分野の利益保護(農業、医療、保険を対象外)によるTPP交渉参加構想を目指したいところだが、米国をはじめ太平洋地域の対象国の思惑は「聖域なき関税撤廃」での自由相互貿易拡大、自国産業成長で一致している。

 安倍政権の方針どおりに進むことは至難のわざで、TPP交渉見送りか、無条件受け入れ参加かの選択を迫られることになる公算は大きい。

 (5)仮にTPP交渉見送りによると、その他太平洋地域参加国間の関税相互撤廃による自由貿易拡大の中で、日本の輸出産業への国際競争力打撃も大きく、農業、医療、保険の国内産業保護貿易との比較対効果論による選択、国益検証ということになる。

 (6)日本農業、医療は、本来能力からすれば独自の高い技術力、開発力、安全性、高質性を持つ潜在能力、国際競争力の高い分野だ。
 これまでの政府の保護規制によりかえってその成長性、意欲性、競争力を削(そ)いでおり、自由競争環境により潜在能力がいよいよ高く発揮される産業底力のある分野だ。

 (7)日本の将来を見据える意味でも、「聖域なき関税撤廃」であってもTPP交渉に参加し、産業、貿易の国際競争力を育成し、高めるべきだ。日本の高い研究開発力、技術力からすれば国際競争力の高さが実証されるだろう。

 安倍首相は公約を実行しなければ前民主党政権と同じことになると述べているが、前民主党政権の普天間基地の国外、県外発言と同じ構図になってきた。
 教訓から、国民の総意を背景とした問題対応とすべきだ。

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巳年の天変地異論。 catastrophism in japanese Mi-doshi

2013-02-17 19:36:02 | 日記
 (1)巳年は過去の歴史実証から大きな天変地異が起こる年(catastrophism)と言われている。今年もまだ1、2月というのに、①1月に2度中国フリゲート艦からの自衛隊艦船、ヘリに対する火器レーダー照射事件、②2月12日に北朝鮮の核実験強行(人為的とはいえ、危険で話題性の大きさから)、③15日には火の玉隕石のロシア中央部への落下で、衝撃波の影響による1100人超の負傷者と30億円と言われる建物ほか損壊被害が出た。

 隕石は毎年数センチの小粒のものを含めて800個程度は地上に落ちる(報道)ものらしいが、これ程の被害をもたらしたものは記憶、記録にないと言われている。
 ④翌16日早朝には小惑星が気象衛星の地球周回軌道の内側、つまり地球との間をすり抜けるという、宇宙の巨大スケールからすれば星の数ほどある小惑星が極めてまれな精緻で微妙なピンポイント通過を果たしたことになる驚きだ。

 ⑤宇宙の太陽系は、地球が自転し、さらに太陽の周りを公転して成り立っており、1回自転して1日、1周公転して1年の時を刻んで、宇宙則に基づいて規律正しい永遠の時の流れの中にいる。
 宇宙太陽系の成り立ち、存在、地球の誕生、成り立ちの解明は途方もない遥(はる)か彼方の問題であって、自然現象の不可思議な輪廻(りんね)も太陽系の地球の規律正しい活動のように宇宙則の影響を受けているものなのかさえ、不確かなものだ。

 ⑥火星では海と言われる水の存在痕が発見、確認されており、生命体の存在条件もあったと見られて、最近探査機がそこの物質(material)を採取したとされて宇宙の謎の解明の手がかりとしても注目されている。
 科学的現実論からは、月や火星に生命体が存在しているということは夢物語に近いものであるけれど、パラドックス(paradox)として地球上にだけ生命体が存在しているという確率も100%ではあり得ずに、巳年には大きな天変地異が起きる天然現象も今年はくり返されて、地球の規律正しい自転、公転に見られるように深い宇宙の見えない方程則の支配をついつい感じてしまうのだ。

 ⑦予測できないものもあるし、防御できないものもあるが、巳年説に鑑(かんが)みて出来るだけの注意は怠りないようにしたいものだ。

 (2)昨日のエネルギー問題を考えるNHK番組、いつものように「・・・しながら」の途中まで観ていたら、著名な重機メーカー社長が原発再稼働に関連して、化石燃料(石油、ガス、石炭ほか)は200年後には枯渇してしまう、原発下の活断層は1000年に1度あるかないかの確率の大地震の問題だから、確率論の比較検証から判断すべきだと述べていたのが印象的だった。

 経済界の代表として経済力持続性持論を述べたものだが、200年後の「未来」には責任を持つが、1000年後の「未来」には責任は持たないというレトリック(rhetoric)な都合主義の比較論だ。
 善良に考えれば200年後よりは1000年後の方が対策時間はあると言いたいのかも知れないが、「現実」に福島第1原発事故では、いまだに帰宅困難地域があって、事故収束など気の遠くなる話だ。

 200年後までに向けて、誰が、どの地域がその「危険責任」を負うべきだと考えているのか、無責任で不可思議な論理展開だ。

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成長戦略と規制改革。 growth strategy and regulation innovation

2013-02-16 19:34:35 | 日記
 (1)安倍政権の最優先課題とする経済再生に向けて、①デフレ脱却に向けて物価目標2%達成の金融緩和政策、②緊急経済対策を含む10兆円超の大型補正予算、③成長戦略の三位一体政策を推進中だ。
 市場は期待感を込めての円安、株高傾向が続き、輸出産業を中心に業績回復効果(黒字決算)も出始めている。

 物価目標2%達成には企業の業績回復による就労者の賃金上昇効果が不可欠で、公共事業を中心とした大型補正予算執行では財源となる国債発行増による累積財政赤字超過への財政規律、健全化対策が課題となる。

 (2)結果次第では、インフレ大型不況に国債信用価格低下による国家財政破たんという悪夢のシナリオもある。借金を後世に先送りして取り繕(つくろ)うだけでは国際市場からの信用を失ってしまい、自助努力、解決対策を示す必要がある。

 日本には先端的研究開発力、高い技術開発力があり、EU圏内の財政金融不安国との国際信用力、評価力に違い、特性、回復力があるところが救いだ。

 (3)雇用不安の解決、解消、戦略的経済成長社会を目指して、成長戦略(growth strategy)推進政策がある。政府は産業競争力会議、規制改革会議と立ち上げて、規制緩和促進による産業自由化競争、経済創生化社会の環境整備を進めている。

 少子高年令化社会に対応する「介護」、iPSほか「医療」、再生可能エネルギー、電力自由化を含めた「エネルギー」に雇用創出、持続可能な経済活動、活性化の成長戦略推進を目指す。

 (4)産業競争力会議メンバーの楽天社長は、成長分野、企業は民間活力、市場原理の中で自然選別されるもので、政府が一律に斜陽産業(過保護農業も対象にすべきだが)も含めて底入れ国民投資(税)することには反対する趣旨意見を述べている。

 自由主義経済は自由競争、自助努力が原理原則で、その中で成長、自然淘汰(natural selection)されていくものだが、その受け皿となる「雇用の循環、再生」基盤の保障、環境整備も必要だ。そのための規制(緩和)改革(regulation innvation)、成長戦略でもある。

 (5)楽天は、ユニクロとともに海外進出戦略を進めるために社内用語を英語に統一する方針を決めた。社内幹部人事に海外出身者を多く起用しての円滑なコミュニケーション対策、企業のグローバル化に適応するものだ。

 その後、社内用語の英語統一化の話は拡がりを見せてはいないが、2社の業績としては海外店舗増設展開、増益効果が見られており、目指す方向性に沿ったものだ。

 (6)国内雇用対策には反比例する方針だが、企業マインドの特性、利点(merit)を活かした将来の普遍的な産業グローバル化に向けた先行成長戦略、挑戦のひとつだ。
 「日本的なもの」への回帰評価も、高い潜在能力(先端的研究開発、技術開発)の存在感から成長戦略(雇用、産業創出)への重要な意味を持つだろう。

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奇妙な静けさ(北朝鮮制裁)。 curious silence , sanction against n.k.

2013-02-15 19:34:25 | 日記
 (1)北朝鮮が12日に核実験を強行して国連安保理はいまだに有効な制裁措置を打ち出せないでいる。今回の北朝鮮の核実験実施には、唯一の友好支援国の中国も「反対」声明を出して、安保理常任理事国はすべて「反対」で一致しているはずが、自らも核保有国で背に腹は代えられない自己矛盾を抱えて、中国は対米けん制の手先として北朝鮮カードを手放すことはないから、やはり同制裁には核実験反対声明で言うほどに鮮明ではない。

 北朝鮮はその辺の核保有国既得権益保護(あるいは独占、寡占化)事情を利用しての核実験強行、先軍政治、瀬戸際外交だし、世界、安保理の反応様子見のところだ。

 (2)だからこれに増長した北朝鮮は即座に第2、第3の強硬対応措置まで発表する周到な始末だ。日本政府は即座に朝鮮総連関係者の再入国を規制禁止措置制裁を決めて、さらに経済制裁(関係口座凍結)、テロ指定国家制裁など米国と対応協議する姿勢を表明して圧力をかけているが、「失うもの」などない北朝鮮にはこれまでも効果的な制裁措置とはなっていない。
 瀬戸際外交を先鋭化させているだけとも言える。

 (3)今回の北朝鮮の核実験強行にあたっては、軍事技術協力関係にあると見られるイランの科学者が立ち会ったと報じられており、イランの核開発推進の疑念もさらに高まり、米国覇権主義が「手を出しにくい」政治、文化、軍事、地域環境にある北朝鮮とイランが不吉な連携を強化している実態も伺い知れるところだ。

 北朝鮮が国境を接する中国との交通を停止しているとの情報(報道)もある。このあたりにも、中国の北朝鮮カードの重要性を見越したかのような対中距離、お仕着せ外交を見せている。

 (4)同じく朝鮮半島を北朝鮮と南北に分離して境界線を接する韓国は独自に開発したとされる巡航ミサイルを北朝鮮に向けて実戦配備(陸、海作戦)したと念入りに映像付きで発表した。
 北朝鮮の核実験の強行を受けて、当然の隣接危機感を持っての対抗措置と見られる。イランと北朝鮮の軍事的結びつきも含めて、朝鮮半島の軍事的緊張が極度に高まっている。

 (5)米国は極東アジアの安定以上に本国への核攻撃が現実味を帯びてきただけに、オバマ大統領の一般教書演説でも米国直接攻撃への迎撃対応の万全を強調してみせた。
 北朝鮮核実験強行に対する米国、韓国、日本の朝鮮半島、極東アジア軍事同盟トライアングルの連携強化、対応、作戦、制裁(sanction against n.k.)も表立っては見えない。

 (6)奇妙な静けさが漂(ただよ)う北朝鮮核問題をめぐる事情だ。中国がこの問題で画期的な制裁措置に踏み出さない政治かけ引きが、北朝鮮問題解決へのジレンマ(dilemma)であり、いまだ奇妙な静けさ(curious silence)の中だ。

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五輪スポンサーとレスリング。 olympics sponsor and wrestling

2013-02-14 20:04:58 | 日記
 (1)東京が開催に立候補している2020年夏季オリンピックの実施主要競技種目からレスリングが除外されて、残り1枠を同様除外された7競技を含めて9月のIOC総会で決定、選ばれることになった。

 昨夏のロンドンオリンピックでは、レスリングは日本のオリンピック競技種目の中でも男女と合わせてロシアと並んで唯一金メダル獲得数(4個)で競技トップを占めて、特に吉田沙保里選手のオリンピック3連覇偉業、連勝世界記録とインパクト(impact)の強い種目であっただけに、その「偉業・威信(prestige)」も通じないIOC理事会決定となった。

 IOC理事会役員による投票結果ということで、特別の除外決定理由は公表されていない。同理事会役員にレスリング連盟関係者がいないこと(ロビー活動不足)、IOCへの欧州の意向が強く影響反映する組織体制、その欧州で人気がないこと、競技内容の平凡さに興味性が欠けて、主要競技種目から除外されたと見られている。

 (2)レスリングは鍛えあげた均整のとれた肉体美(physical beautism)を誇示(body consciousness)して互いにぶつかり合う「格闘技」だが、スキを見てのタックルに相手の裏側に回り込んでの制御で加点される(フリースタイル)採点方式との「スケール・ギャップ(scale gap)」も大きく、グレコローマンスタイルでは上半身だけの攻撃に限られて単純な投げ技方式で、第1回ギリシャオリンピックからの正式種目で古来のアマチュアスポーツイズム、肉体美を具現化した原始的スポーツ理論を引き継いだままのものでもある。言うなら、クロウト受けするスポーツで一般興味受けしないスポーツスタイルだ。

 (3)オリンピックは「参加することに意義がある」時代から「アマチュアリズムの本家」といわれた時代を経て、近年はプロスポーツ専門家にも門戸を拡げて競技勝負のダイナミズム(dynamism)、パフォーマンス強調の商業主義化、スポーツ祭典化している。

 テレビスポンサー(olympics sponsor)の意向が強く反映されて、開催時期も温暖快適な季節からプロスポーツの佳境ステージに影響のない夏季に開催されている。
 IOC競技種目の選定過程でも、競技の伝統性よりはスポンサーの強い意向、影響力(商業主義化)があったことは近年の傾向から伺い知れるところだ。

 (4)格闘技種目はいずれも古来伝統の文化、型、格式を守るのか、より興味本位の勝負のわかりやすい高いプロスポーツダイナミズム化に向かうのかの課題を抱えている。
 日本古来伝統の柔道は、欧州組織に実権を握られて柔道着スタイル、色も変化して、競技内容も離れての組み手争いに終始して足を取ったり(現在試行ルールで禁止対象)とまるでレスリング化して体力差に劣る日本選手は劣勢で、余程実力差でもないと本来の鮮やかな一本勝ちはお目にかかれない。競技の特性が薄れて楽しさ、おもしろさがなくなっている。

 (5)レスリングも均整のとれた肉体同士のぶつかり合いというスポーツダイナミズムに合った勝負のわかりやすい格闘技の方向性(ルール)を模索するのか、9月のIOC総会の除外種目の結論とは別に考える契機でもある。

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