いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

52年の重い司法責任。 severe judicial duty in the 52th year

2013-10-19 19:46:34 | 日記
 (1)そもそも「人」が「人」を裁く不条理性(unreasonableness)が司法裁判だから、冤罪も起きるし、世界的に国家がその裁判結果で公に「人」を殺害する死刑制度「廃止(repeal)」は絶対多数を占めている。

 日本はその死刑制度を有する今では数少ない国家だ。61年に三重県名張市で起きた「名張毒ぶどう酒事件」で1審無罪、2審死刑と極端な司法判断に分かれて、その後最高裁で死刑判決が確定した。
 当該死刑因はその後一貫して無罪を主張し弁護団は7次の再審請求をくり返して、しかし今回も最高裁は特別抗告を棄却する決定を下した。

 (2)新証拠として争われているのが、事件に使用された農薬が同死刑因の自宅から押収されたものと同一かどうかの「鑑定(appraisal)」結果を巡るものだ。
 弁護側が新証拠として提出した鑑定結果を最高裁は「毒物が(同死刑因が自宅で所有の)ニッカリンTであることと矛盾しない。死刑因が自宅で保管していたという状況証拠の価値や自白の信用性にも影響しない」〔報道、うち( )内は本ブログ記入〕と結論付けて棄却した。

 (3)事件から52年も経過して、同死刑因は87才を迎えて健康悪化で医療刑務所に収監されたままだ。新証拠(鑑定方法、結果)による再審請求がくり返されていることもあり、国(法務大臣)も刑期執行最終決定を下さないままのすでに52年が経過している。

 弁護団は同死刑因本人の意向のもとに新証拠を準備して8次再審請求を行う考えを表明している。ここまでくると新証拠の「精度」も52年の時間の経過から証拠掘り起こしも限定されて再審請求(および再審)への道は厳しくなることは考えられる。

 (4)同死刑因が無罪を主張しようとにかかわらず、「真実」は必ずある。同事件のいつかの再審請求の時に、事件現場の住民からは「それでは他に誰がやったというのか」との声の報道もあり、事件地では再審請求のくり返しに複雑な思いはあるようだ。

 凄惨な事件にかかわらずに1審で無罪、2審で死刑という両極端な司法判断が示すように、警察の事件初動捜査、自白偏重(今回の最高裁棄却でも自白の信用性支持に言及していた)で証拠証明に問題のあったことは想像がつく。
 もはや52年前の事件となれば、さかのぼっての事件の真実性解明など不可能なことで、司法手続き時間の経過を見るだけの不測の様相でもある。

 (5)犯罪には時効はあったが今は原則としてこれも取り消され、もとより犯罪による国の人の生命奪取の刑期執行決定には時効などはない。
 しかし、①事件から52年も経過して、②司法判断が無罪から死刑へと極端に動いたこと、③その前提となる自白偏重の捜査の精度、④その間、再審請求がくり返されて刑期執行決定も行えない状況を鑑(かんが)みれば、もはや司法判断の是非とは別問題の判決刑期執行の時効ということではないのか。
 この状況で国(法務大臣)に同死刑因の刑期執行決定など出来ようもないことだ。

 (6)そういう前提での52年経過後のせめて真実追求の司法審査継続ということだ。人が人を裁く不条理性の中で、この事件の52年の時間の経過は極めて重い司法責任(severe judicial duty in the 52th year)ということだけは間違いないことだ。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワシントンの決闘。 duel between obama and g.o.p.

2013-10-18 19:35:14 | 日記
 (1)たかだか米議会のもめごとといってもリーマンショックの痛い経験が世界経済にあるから、手は出せないけれど無視も出来ない。17日に迫っていた米国経済破たんのデフォルト(default 債務不履行)は、案の定またもギリギリのところで上下院与野党が妥協をはかってとりあえずは回避した。

 よっぽどの物好きでもなければ誰もがこうなることはわかっての与野党の対立というより、オバマ大統領と多数を占める下院共和党(the grand old party)との反目、対立茶番劇(low comedy)だ。
 デフレ脱却に向けてようやく堅調に歩み出した日本をはじめEU、減速傾向の新興国と経済不安をどこも抱える世界経済にとっては、米国内問題とはいえいい迷惑だ。

 (2)オバマ大統領と共和党もこちらも誰もが米国財政破たん宣言などとりようもないから、近年はいつもギリギリまで絶対譲歩姿勢も見せない全面的な大統領と議会の対立、対決シナリオで、そろそろオオカミのなんとかではないが世界から「ソッポ」を向かれるうんざり感だ。

 多数を占める下院共和党では「ティーパーティ」系議員といわれる「極端な財政規律主義の保守強硬派」(報道)が台頭してきているので、世界が「またか」「どうせ」と思っていると、とんでもないことが起きることも可能性としてないこともない複雑な米国議会勢力図もある。

 (3)米国の伝統的保守強硬派といえば、銃規制のゆるい米国社会で毎年のように市民が無用の犠牲になりながら、これもオバマ大統領が銃規制強化に取り組もうとすると保守強硬派支持者からは「もっと市民が銃を持って自ら身の安全を守ればいい」(趣旨発言ー報道)との発言も聞かれて、一向に銃規制強化がはかれる機運もない米国の特殊社会性だ。

 (4)今回のデフォルト回避も当面来年2月までの債務上限引き上げを認めたもので、全面対決の医療保険改革法案(obama care)は依然持ち越されたままだから、昨年12月の同回避そして今回のギリギリ対立同様にすぐ来年2月の対決デッドラインを迎えることになる。

 銃規制同様に自主独立、自由主義米国社会倫理にかかわる米国社会に根差した特殊理念、価値観に対抗するオバマ大統領が強固に進める医療保険改革なだけに、問題、課題解決の糸口さえ見出せない現状だ。

 (5)大統領、議会ともにこれからそう何度も問題、課題先送りばかりの同じくり返しともいかないだけに、合理主義社会の一面もある米国だからいずれ国民からは決着をつけられることになるだろう。

 今回の下院共和党の強硬姿勢に対して国民の同政党支持率は20%台に急落(報道)したといわれて、オバマ大統領も先のシリア軍事介入で国民の大反発を買った上での今回の財政混迷の議会対策でまたも過半数の支持(報道)を失っている。

 来年2月までに双方冷静に頭を冷やして米国内外の政治課題に当たらなければならないあらたな政治課題も突きつけられたということだ。米国の国際社会での立場、力が影響力を減退させることは国民性が許さないのではないのか。

 (6)日本にとっては米国とTPP、普天間飛行場移設問題を抱えてオバマ大統領が国内向け重視政策をとることが予想されて、厳しい対応に迫られることが考えられる。
 安保、軍事同盟と米国戦略ピースに組み込まれた日本にとっては米国議会の対立は波及影響も大きく、今後のオバマ大統領と議会の対応(duel between obama and g.o.p)に注目が集まる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

先端的科学技術による災害救助。 rescue of disasters by extreme technology

2013-10-17 19:35:43 | 日記
 (1)自動車の自動制御安全運転(auto control safety driving)システムの開発が進んでいる。インフラ設備による情報共有データ活用操作の①運転支援型と車搭載のレーダーによる人工知能活用操作の②自律運転型と2システムが開発に取り組まれており、走行速度、車間距離自動調整、自動停止や自動で目的地まで安全運転を誘導する自動運転システムだ。

 50年には65才以上が40%を占める超高年令社会を迎えて、高年令者による運転操作の誤認による追突、突入事故が相次いでおり、自動車メーカーが自動制御安全運転システムの開発実用化に取り組んでいる。

 高年令者には移動手段としての自動車の利用価値は比較高くなるが、一方で身体的老化、劣化による運転操作ミス、安全確認不足が社会問題にもなっている。
 自動安全運転システムの実用化には、道路へのセンサー通信機器の設置、インフラ整備や自動車安全IT設備化など社会資本(social capital)、コスト増や自動運転事故責任対応(人と装置の責任負担)の法整備も必要だ。

 費用対効果の比較は基本にあるが、自動制御安全運転システム車が主流になるにはインフラ整備、交通システム、利用目的、使途、不装着車との共存など課題も多く、ハイブリッド車(HV)、小型燃費車、電気自動車(EV)、自動制御安全車と目的、使途にあわせた自動車の利用価値選択時代がやってくる。

 (2)地震、台風など災害国日本で、年々地球温暖化による海水温上昇により大型勢力の台風が夏場早くから数多く発生して、日本に災害影響を及ぼしている。
 16日にかけて関東地方に急接近した台風26号は、伊豆大島に強風、土石流による多数の家屋倒壊被害を出した。今日現在30人強の行方が不明のままで、昼夜の倒壊家屋での必至の救助活動が行われている。

 重機も入れない複雑で狭い地形の中での救助活動で、捜索救助犬を使った方法や住民が倒壊家屋の中から救助を求める声を聞きつけての救助活動が続いている。
 被災地でのいつも見かける救助活動ではあるが、基本的には手作業での救助活動が中心で、時間との闘いの中でなかなかはかどらないのがもどかしい。

 近年は小型災害ロボットを使った方法も検討されているようだが、先端的な科学技術開発時代を迎えても災害活動(rescue of disasters)方法に画期的な進歩が見られないのは残念だ。

 災害国日本、先端的科学技術開発力の高い日本としては、本腰を入れて取り組む課題だ。宇宙衛星監視システム、映像解析を使った被災現場の検証、たとえば人体熱の感知装置を使った倒壊家屋下の救助を待つ被災者の早期発見、救助など工夫、開発できないものなのか。

 捜索救助犬、手作業、人海作戦では徒労も大きく、災害救助の時間との闘いに適切に対応できないもどかしさがある。災害現場の先端的科学技術救助方法(rescue of disasters by extreme technology)に本格的に取り組む必要がある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

首相の委員会出席率。 attendance rate of committee of premier

2013-10-16 19:42:56 | 日記
 (1)勤労者がほとんど1年間就労して国、社会を支えているわけだから、その国の主権、統治を担(にな)う政治、とりわけ国会が年間国会を開催して緊急政治、社会問題、課題に適切に取り組み対処することなどあって当然のことだ。

 政治は国会だけでするものではないと言うかもしれないが、国会休会中に議員は外遊以外に何をしているのかほとんど伝わってこないし、法律で通常国会開催期間は決めてもその他休会中の議員の活動に対する実態、内容、報告について国民に開示する制度などはまったくない。

 (2)通常国会が6月末に閉会して3か月余り、ようやく臨時国会が招集された。その間に違憲が指摘された1票の格差是正問題は与野党の党利党略で一向に進展はみせずに、福島第一原発事故の汚染水漏れは東電の深刻な度重なる技術的不備、欠陥問題が露呈して、政府が前面に立って対処するといいながら具体化されずに国会休会中ということもあってやはり東電まかせで、汚染水の海洋流出という事態を迎えて原発行政にともにスネに傷もつ与野党がようやく休会中審議に応じるという職場放棄状態の体たらくだ。

 (3)せいぜい通常国会でも150日間開催で、これも議員の「本職」履行というのに首相、閣僚が委員会出席に拘束されて国際会議出席、外国訪問日程に支障が出るとかで、今臨時国会では首相、閣僚の委員会出席の日数削減案を審議するという。

 議員を志し、国民の支持、負託を受けて国政に参画するからには、国会審議に集中して成果として国民の期待に応えることは当然の義務であり、基本的な責務だ。

 (4)首相、閣僚は国政の目的、計画、政策、行政実行の全般に責任を持つものであり、国会、委員会審議を通して国民に広くオープンにして政策プログラムのディテール(detail 詳細細目)を示すのが政治パラダイム(paradigm)だ。

 勤労者がほぼ1年間働いて生計をたてている社会パラダイムに比べたら、どうということもない議員の「本職」の国会、委員会審議の拘束期間だ。

 (5)議員(首相、閣僚を含めて)が全国会開催期間中、「本職」としての国会、委員会出席に拘束されるのは当たり前のことで、首相、閣僚の必要な国際会議出席、外国訪問については国会審議の中で国益を比較考慮して判断すればいいことだ。

 国際会議出席、外国訪問を優先して、国会、委員会審議出席を規定であらかじめ制約削減することなどは、議員の職務、義務、責務からは本末転倒の話だ。

 (6)国民から負託を受けた国会は予算、政策課題の実行、法律成立の実効性(率)を報酬に反映すべきだ。ねじれ国会での党利党略による空転国会、政策、法律不成立などは、国民の負託にまともに応えていない与野党議員の共同責任であり、たとえば空転国会「日数」、政策、法律の不成立「率」を議員の報酬に反映して「労力」に見合ったものにするべきだ。
 それほど国会に集中するのは当たり前の議員の責任、責務ではないのか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の学力調査。 international assessment of adult competencies

2013-10-15 19:53:17 | 日記
  (1)「大人の学力」といわれてもこれほど多様で広汎なものはなく、教育課程で学んだものが社会に出て役に立つことはそうはないという定説からも、歴史、文化にかかわりなく国の制度、経済構造環境が大きく作用する社会成熟度比較論ということになる。

 日本は基礎的初等、中等教育の全国平均化、進学率の高さから教育水準が一定率で確保されており、輸出産業中心の貿易経済構造で社員教育、研修も豊富で「大人の学力」も比較高い水準にあることは理解できる。

 (2)OECDが実施した「国際成人力調査(program for the international assessment of adult competencies)」では、日本は「読解力」、「数的思考力」でトップで、「IT活用力」も比較的高い能力を持つ人の割合は10位であったが「平均力(average attainment)」ではこれもトップと評価された。

 日本はかってのそれなりの国際経済力、影響力のあった国情から、「平均力」の高い国民性が数字となってあらわれている評価結果だ。

 (3)これとて調査問題の性質、種類、出題傾向によってはいかようにも変わるランク(報道)とあっては、一過性のトピックスという領域程度の評価ものだ。そもそも国の教育投資が低くて、大学も世界ランクで最上位が20位そこそこでは「大人の学力」トップも面映(おもは)ゆい感じがする。

 企業の先端的技術開発力、生産力、販売力も高く、ノーベル賞授賞者もここ10年では米国に次いで多く先端的科学研究開発力も高い日本を支える大人群としては、ちょっとは子どもの成長にいい顔もできる、期待も与えられるいい側面効果の評価だ。

 (4)しかし、最近の日本の社会現象、企業のトップの能力、判断力、行動力を見ていると、とても大人の「読解力」、「数的思考力」が世界的に高いなどとは思いもよらない現実でもあり、それは先進国といわれる国、社会で共通した現象でもある。

 よく日本は基礎的分野の学習力は低くて、応用力、理解力、順応力、発展力は高いと評価されてきたが、その特徴どおりの国民性、読解力、数的思考力の評価の高さだ。
 IT活用力で発想力、先端性、高いスキルを持つ人の割合よりは平均スキルの占める割合の高さが多い(上下の差が少ない)と評価されたところなどは、日本的国民性の象徴的をあらわしている。

 (5)「大人の学力」といえば、その国の政治、経済、社会、文化に集約されるもので、日本は先進国に仲間入りしていながら新興国中国、韓国に世界戦略、調整能力で主役を奪われることも多く、国際社会での影響力では先進国(G8)そのものが新興国中国を含めたG20に主役を明け渡している現状もある。

 OECDの調査のとおり多少なりとも日本の「大人の学力」が高く評価されるほどのものであるとして、それが国際的評価の低い政治、文化(経済力には反映されているとしても)に適切、妥当に反映されない、影響力を及ぼさない国力、国情とは何なのかを考えさせられる。

 (6)現状に甘んじている、妥協している、満足している狭い教義での「大人の学力」でしかないという縮図だ。だから頭脳の海外流出が続いて問題化している。
 一方で日本の「大人の学力」評価の高さを国民性の潜在能力(potentiality)の高さとして大いに自覚すべきだ。「大人の学力」が国力に貢献できる可能性がもっとあるという期待性もある。

 そもそも潜在能力の高い日本の農業を国が過保護に守り、結果として潜在能力を抑制して世界が求める国際競争、進出への道を開かない政治的戦略の不幸、欠如が政治力劣化を招き、「大人の学力」評価が国政、文化に反映できない象徴として存在する。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする