(1)臨時国会も首相の衆参所信表明演説、各党代表質問、予算委員会がひととおり終了して、これから個別法案の審議に入る。
内閣支持率(60%前後)、与党自民党支持率(40%強)の高さに加えて野党支持率は軒並みヒト桁と低迷し、大胆な経済、金融政策による国内経済の回復基調を背景に安倍首相の自信と余裕のある答弁対応が際立った。
かっての予算委員会は野党にも注目の論客議員がいて、広くテーマを掘り起こし調査、研究、分析、準備のうえに国会論戦に挑み、政府の答弁の不始末を引き出して度々審議が中断することもめずらしくはなかった。
(2)審議が中断するわりには委員会審議を通じて建設的な意見が構築するわけでもなく、スリリングではあったが関係大臣の責任交代や問題提起に終始しておしまいという相変わらずの政治不信だけが残った国会でもあった(近年では、当時野党の民主党が年金記録漏れ問題を指摘して年金制度の見直しにつながった)。
安倍第2次政権になって高い内閣支持率を背景に政策も官邸主導(initiative of official residence)となって、やたら安倍首相個人の露出が増えて各大臣、自民党の存在感が希薄な政権、内閣だ。
(3)今臨時国会の予算委員会でもわずかに汚染水処理問題での安倍首相の「完全にブロックされている」発言のその後の「ブレ(「完全」が抜けた)」が追求されて、首相に代わって経産大臣が求められもしないのに再三答弁に立って質問者から抗議される(報道)という場面ぐらいのものだった。
福島原発事故、デフレ不況経済問題はそもそも現野党の民主党政権時代のものでもあって、当時の政府の対応のまずさ、不作為が指摘されるのは目に見えたことでもあったから、野党の追求にも自ずと迫力に欠けることでもあった。
(4)そこでクローズアップしてきたのが同じ政権与党の自民党、公明党の委員会質問だった。予算委員会では幹事長、党幹部委員が質問に立っていたが、いくら仰々(ぎょうぎょう)しく党を代表して問題となっている政策課題を首相、大臣に質問していても徹底して問題点、課題を指摘、追求することなどありえずに(事前に政策調整ははかられるから)、そういう前提で見ざるをえないから尚更(なおさら)これもなれ合いの出来レースでやはり緊張感の欠ける論戦に終始したのは当然だ。
(5)今臨時国会は、首相、閣僚が国会、委員会審議に拘束される時間の多さが(そのため、国際会議出席、外国訪問、議員活動に支障があるとかで)話題となっての国会改革もテーマだった。
もちろん政府と与党では出身母体は同じでも役割も立場も違うから、党として国会で考え、主張、論陣を張ることは必要だし大切ではあるが、これこそ方法論(innovation of the way of the Diet deliberation)を変えてはどうか。
(6)与党が支える政権、首相に質問するのではなく、与党と野党が相対峙して主張、論陣を張る場所(委員会)を国会審議に設定した方が実効性、緊張感もあるし国民にもわかりやすい。
内閣支持率(60%前後)、与党自民党支持率(40%強)の高さに加えて野党支持率は軒並みヒト桁と低迷し、大胆な経済、金融政策による国内経済の回復基調を背景に安倍首相の自信と余裕のある答弁対応が際立った。
かっての予算委員会は野党にも注目の論客議員がいて、広くテーマを掘り起こし調査、研究、分析、準備のうえに国会論戦に挑み、政府の答弁の不始末を引き出して度々審議が中断することもめずらしくはなかった。
(2)審議が中断するわりには委員会審議を通じて建設的な意見が構築するわけでもなく、スリリングではあったが関係大臣の責任交代や問題提起に終始しておしまいという相変わらずの政治不信だけが残った国会でもあった(近年では、当時野党の民主党が年金記録漏れ問題を指摘して年金制度の見直しにつながった)。
安倍第2次政権になって高い内閣支持率を背景に政策も官邸主導(initiative of official residence)となって、やたら安倍首相個人の露出が増えて各大臣、自民党の存在感が希薄な政権、内閣だ。
(3)今臨時国会の予算委員会でもわずかに汚染水処理問題での安倍首相の「完全にブロックされている」発言のその後の「ブレ(「完全」が抜けた)」が追求されて、首相に代わって経産大臣が求められもしないのに再三答弁に立って質問者から抗議される(報道)という場面ぐらいのものだった。
福島原発事故、デフレ不況経済問題はそもそも現野党の民主党政権時代のものでもあって、当時の政府の対応のまずさ、不作為が指摘されるのは目に見えたことでもあったから、野党の追求にも自ずと迫力に欠けることでもあった。
(4)そこでクローズアップしてきたのが同じ政権与党の自民党、公明党の委員会質問だった。予算委員会では幹事長、党幹部委員が質問に立っていたが、いくら仰々(ぎょうぎょう)しく党を代表して問題となっている政策課題を首相、大臣に質問していても徹底して問題点、課題を指摘、追求することなどありえずに(事前に政策調整ははかられるから)、そういう前提で見ざるをえないから尚更(なおさら)これもなれ合いの出来レースでやはり緊張感の欠ける論戦に終始したのは当然だ。
(5)今臨時国会は、首相、閣僚が国会、委員会審議に拘束される時間の多さが(そのため、国際会議出席、外国訪問、議員活動に支障があるとかで)話題となっての国会改革もテーマだった。
もちろん政府と与党では出身母体は同じでも役割も立場も違うから、党として国会で考え、主張、論陣を張ることは必要だし大切ではあるが、これこそ方法論(innovation of the way of the Diet deliberation)を変えてはどうか。
(6)与党が支える政権、首相に質問するのではなく、与党と野党が相対峙して主張、論陣を張る場所(委員会)を国会審議に設定した方が実効性、緊張感もあるし国民にもわかりやすい。