いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国会審議のあり方改革。 innovation of the way of the Diet deliberation

2013-10-25 19:36:57 | 日記
 (1)臨時国会も首相の衆参所信表明演説、各党代表質問、予算委員会がひととおり終了して、これから個別法案の審議に入る。
 内閣支持率(60%前後)、与党自民党支持率(40%強)の高さに加えて野党支持率は軒並みヒト桁と低迷し、大胆な経済、金融政策による国内経済の回復基調を背景に安倍首相の自信と余裕のある答弁対応が際立った。

 かっての予算委員会は野党にも注目の論客議員がいて、広くテーマを掘り起こし調査、研究、分析、準備のうえに国会論戦に挑み、政府の答弁の不始末を引き出して度々審議が中断することもめずらしくはなかった。

 (2)審議が中断するわりには委員会審議を通じて建設的な意見が構築するわけでもなく、スリリングではあったが関係大臣の責任交代や問題提起に終始しておしまいという相変わらずの政治不信だけが残った国会でもあった(近年では、当時野党の民主党が年金記録漏れ問題を指摘して年金制度の見直しにつながった)。

 安倍第2次政権になって高い内閣支持率を背景に政策も官邸主導(initiative of official residence)となって、やたら安倍首相個人の露出が増えて各大臣、自民党の存在感が希薄な政権、内閣だ。

 (3)今臨時国会の予算委員会でもわずかに汚染水処理問題での安倍首相の「完全にブロックされている」発言のその後の「ブレ(「完全」が抜けた)」が追求されて、首相に代わって経産大臣が求められもしないのに再三答弁に立って質問者から抗議される(報道)という場面ぐらいのものだった。

 福島原発事故、デフレ不況経済問題はそもそも現野党の民主党政権時代のものでもあって、当時の政府の対応のまずさ、不作為が指摘されるのは目に見えたことでもあったから、野党の追求にも自ずと迫力に欠けることでもあった。

 (4)そこでクローズアップしてきたのが同じ政権与党の自民党、公明党の委員会質問だった。予算委員会では幹事長、党幹部委員が質問に立っていたが、いくら仰々(ぎょうぎょう)しく党を代表して問題となっている政策課題を首相、大臣に質問していても徹底して問題点、課題を指摘、追求することなどありえずに(事前に政策調整ははかられるから)、そういう前提で見ざるをえないから尚更(なおさら)これもなれ合いの出来レースでやはり緊張感の欠ける論戦に終始したのは当然だ。

 (5)今臨時国会は、首相、閣僚が国会、委員会審議に拘束される時間の多さが(そのため、国際会議出席、外国訪問、議員活動に支障があるとかで)話題となっての国会改革もテーマだった。

 もちろん政府と与党では出身母体は同じでも役割も立場も違うから、党として国会で考え、主張、論陣を張ることは必要だし大切ではあるが、これこそ方法論(innovation of the way of the Diet deliberation)を変えてはどうか。

 (6)与党が支える政権、首相に質問するのではなく、与党と野党が相対峙して主張、論陣を張る場所(委員会)を国会審議に設定した方が実効性、緊張感もあるし国民にもわかりやすい。

 

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政治献金は上積み。 pile up the political donation for adhesion

2013-10-24 19:42:28 | 日記
 (1)経団連は政府の経済政策への圧力団体のひとつでもあり、場合によっては互恵関係にもあるが、表舞台の春闘も長引くデフレ(一時の円高株安)不況の中で労使間にもそれぞれの立場だけを考えて利益主張できる経済事情、環境でもなくなって、ラジカル(radical)な関係から双方に経済原則論の暗黙の了解意識も芽生えて、相互理解の良識関係構築で春闘という言葉も強調されなくなって春明けのソフトムードが漂(ただよ)うようになってきた。
 近年はデフレ不況下でまずは企業の存続が前提での労働側からベースアップ要求を自粛する動きが出ていた。

 (2)大企業中心に企業内留保資産の蓄積の高さが政府の賃上げ要請の中で指摘されてもいて、労働側の物分かりの良さが自在な企業経営の自己防衛主義を助長してもいる。
 デフレ不況の産物として経営側と労働側の物分かりの良い個別的良好関係が続いて、比較相乗的に経団連の存在力は後退して今では何をする団体なのかよく分からないし、存在意義も必要なのか明確には分からないようになっている。

 かっては経団連会長は財界総理といわれて国の経済政策、労使交渉にも一定の影響力を持っていたが、09年の民主党政権の誕生でそれまでの長期自民党政権とのゆ着(adhesion)構図から、同政権から意図的に遠ざけられてすっかり存在感をなくしてもいた。

 (3)昨年末の安倍政権の誕生で10兆円規模の大型補正予算(公共事業復活)に大胆な金融緩和策と成長戦略と経済政策中心の政策投資効果で、円安株高効果による軒並み企業業績の回復を後押しして企業とりわけ大企業優遇政策を加速、鮮明にしてきた。

 デフレ不況脱却を名目とした従来の自民党政権と大企業のゆ着構図、持ちつ持たれつの関係復活でもある。

 (4)安倍首相、政権はデフレ不況脱却に向けて、円安株高効果を企業利益の内部留保ではなく設備投資、賃上げ効果に結び付けたいところだが企業は抵抗をみせており、しかしここにきて政治への利益還元、関係強化として、賃上げの前に大企業が政治献金を上積みする(pile up the political donation)傾向(報道)が出てきている。

政治は大企業を向き、大企業は被雇用者ではなく政治、政権を向く従来型の政財ゆ着構造の完全復活だ。

 (5)復興特別法人税の前倒し廃止に法人実効税率の引き下げ検討の大企業優遇策に応えた、都合のいい政治献金上積みによるゆ着構図を堂々とみせられている。
 安倍首相は、結果は出ている、この道を進むしかないと自らの経済政策に自信を深めているが、いつか来た道(大企業優遇ゆ着、既得権益保護)に迷い込むことがあっては、TPP交渉、右傾化も含めてまた国民の厳しい審判を受けることになるだろう。

 堅調な時にこそ、「いらないもの」を削ぎ落して健康体にならなければ成長はない。

 

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反対派と容認派、名護市長選。 opposition party and approval party

2013-10-23 19:34:40 | 日記
 (1)駐留米軍基地の70%以上が集中する沖縄で、米軍基地を移設するならそれは県内ではないのはもちろんのこと、国内でもなく国外にするのが日米のとるべき最善の方策論(schema)だ。

 尖閣諸島を巡る中国との領有権の対立、中国艦船ほかの領海、領空侵犯による緊張関係は続いているが、日本は海保庁、自衛隊レベルで実効支配状態を維持しており、沖縄の駐留米軍がグアムなど米国領土基地に移設したとしても、米軍の高い情報収集能力、空中戦闘能力で日米安保、軍事同盟協力にはさして時空的に支障を及ぼさないからだ。

 (2)日米安保、軍事同盟関係そのものが防衛力、攻撃力実行部隊機能以上に対外国に対して抑止力効果を持つものだ。

 中国は軍事力を増強強化して南シナ、東シナ海に勢力拡大の作戦を展開しているが、それは中国の海路安全を確保する国益保護が目的でもあり、もちろん日本、アジアの同盟国とつながりの深い米国を相手にしてまでアジア支配を拡げようなど考えていると思うのは、まったくリアリズム(realism 現実視観)のないものだ。

 (3)そういう前提からすれば、アジアの国際安全環境は局地的な国の主張の争いはあっても軍事衝突の危険性はそうは高くはない。
 今では唯一アジアで危険志向の高い北朝鮮も後ろ盾の中国の自らふりかかる火の粉(国際批判)を振り払うための政治介入で、一定線を超えることなど考えられない事情だ。

 日米関係の本来的強化のためなら、日本の駐留米軍基地を順次米国領土基地に統合することがさらなる信頼の関係強化、両国益に叶うものであり、その環境は整っているのだ。

 (4)日米合意にもとづく普天間飛行場の辺野古への移設計画が進められている中、地元の名護市長選が来年1月に実施される。
 すでに前回選挙で同移設反対を掲げて接戦の末に当選した現市長が今回も立候補を決めており、今回名護市議団の移設容認派からも立候補者を出す(報道)ことが固まった。

 前回同様の移設反対派(opposition party)と賛成派(approval party)との争いとなる構図だ。米軍基地の沖縄集中回避、負担軽減の移設反対派と米軍基地受け入れによる経済、雇用効果を期待する移設賛成派の争いだ。

 (5)前回同市長選では移設反対派候補(現市長)が得票率50数%、賛成派候補同40数%ときっ抗した争いでわずかに反対派候補が上回った結果だった。
 その後、勝利した現市長が移設反対が100%市民の意思のような発言、行動を展開して、移設の是非とは別に客観的見方として当時は違和感(同じ程度の賛成派もいたこと)を覚えたものだ。

 その後の沖縄全体の県内移設反対主張からは両者の差は広まった(移設反対派拡大)と見るのが一般的であるが、日米合意にもとづく辺野古移設計画、知事の辺野古沖埋め立て許可判断に大きな影響力を持つ市長選だ。

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11月の強力台風。 a strong sound typhoon in Nov.

2013-10-22 19:54:19 | 日記
 (1)10月も下旬を迎えても強力台風が続けざまに日本を襲って被害を及ぼしている。自治体の警戒情報は要領をえずにまったく機能しないこともあり、伊豆大島でも住民に多大な損害を与えた。

 近年の気象情報は気象衛星による情報解析能力の向上でかなり精度の高いものになっているから、これらを参考にして住民の安全確保の自主判断、自主行動の自分で自分の身の安全を守る攻撃的意識も必要だ。

 もちろん大雨、強風下での闇雲の無鉄砲な自主行動は危険回避保障もないわけだから、日ごろから自治体を中心に災害時の安全退避場所の確保、確認は徹底しておく必要はある。

 せめて自治体にとってはそれぐらい準備、整備、周知できるだろうから(たとえば地震発生時による広域避難指定場所の設定、「街中表示」のように)、何が何でも自治体の指示を待つのではなく、住民にも自ら、そして地域一体として身の安全を守る気概(have a strong soul)、意欲(have a strong will)が大切だ。自治体ばかりを当てにしてはダメだ。

 (2)11月に入ればイギリスから強力なヤツ(a strong sound typhoon in Nov.)もやってくる。厳重な警戒も必要だ。
 71才になっても南米、米国ツアーをこなして意気盛んで、いよいよ日本にやってくる。

 ビートルズのポール・マッカートニーさんが大阪(11/12)、福岡(11/15)、東京(11/18,19,21)でドームコンサートを開催する。こちらの方は無事に日本上陸を果たして期待に応えてもらいたいところだ。
 かっては一度、空港税関で国内法違反に問われてそのまま追い返された経歴もあるから、進路変更のないように願いたいものだ。

 そのポール・マッカートニーさんが71才で発表したCDアルバム「NEW」が発売1週間で2万3千枚を売り上げ、日本のオリコンチャート週間アルバムランキングで2位になった。
 報道によると70才台でのアルバムトップ10入りは邦楽、洋楽通じて史上初という記録だ。

 ビートルズのポール・マッカートニーさんのニューアルバムワーク(new album work)だけで音楽性、話題性、期待性十分な上に、日本公演の話題も加わっての記録だ。
 1週間で2万3千枚の売り上げ記録が単純数字比較でポール・マッカートニーさんにふさわしいのかといえば、どうもそうとばかりもいえない。

 海外音楽情報がレコード中心だった頃には、ビートルズの新作には予約だけで数十万枚ということも普通なことだっただけに、音楽情報が多様化した情報化時代を反映してこれでもランキング2位ということで、CD売り上げもここまでかとの印象は強い。

 しかし、71才になってアルバム新作を発表するポール・マッカートニーさんの音楽意欲、気概もすごいものがある。
 ビートルズで現代音楽の存在価値観を革命的に一変させて、現代社会、文化にも圧倒的な多大の影響力を及ぼしたメンバーのポール・マッカートニーさんが、『ビートルズ以後』の現代音楽の世界のマイナー化(minority)に71才になっても強い不満足のメッセージを発信しているのではないのか。

 財津和夫さんも、最近の新刊著書で若者音楽へのフロンティアな物足りなさを述べている。先日のNHKTVでの吉田拓郎さんと小田和正さんの対談で、日本のポピュラーが「上を向いて歩こう」以後、一度も全米チャート1位になれないのはどうしてかねと嘆き節も聞かれた。

 わたしは今となってのことだけど、チューリップ音楽(財津サウンド)の世界進出に期待していたひとりだ。

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逆行する軽減税率の範囲。 range of contrary reductive tax rates

2013-10-21 19:30:43 | 日記
 (1)政府の来年4月からの消費税8%引き上げ方針が決定して、収入格差による負担公平を考える軽減税率(reductive tax rates)導入が焦点となる。
 高額所得者も低所得者、生活困窮者、被災者もすべて等しく一定税率で徴収される消費税は税収効果としては実効性の高いものだが、国民納税者にとっては収入対負担公平性(impartiality)を欠いて、それだけでは還元効果もなく平等理念に反するものだ。

 所得税、法人税のように収入に見合った応分税率でもなければ、市・県民税のように直接還元性もない、よくよく考えればどこからでも取るだけ取っての何とも変な消費税だ。

 (2)消費税も収入に見合った応分税率制を取ればレジ機能は相当高度な技術、システム対応が必要だから、費用対効果性もなくてこれでは導入効果の意義もなくなる。
 そこでせめて一定税率徴収では負担率が収入対効果で相乗的に比較重くなる低所得者、生活困窮者層の負担軽減をはかるため、生活必需品、食料品の消費税率を軽減する対策が一般的に取られる方法だ。

 (3)国家財政の累積赤字が1000兆円を超えて財政健全化が求められ、少子超高年令化社会を迎えて社会保障、年金、医療制度が財政窮迫に直面して国民サービス低下を招いて、税収増の必要性に迫られての今回の名目は社会保障費対応としての法令化による消費税の2段階引き上げ政策である。

 そういう意味、意義からすれば、これで社会保障制度の立て直し、維持に結び付くのであれば国民全体の利益還元にもなることだから、ザックリ一定税率で広く国民公平に徴収することがもっとも実効性の高い方法論ということになる。

 (4)消費税を引き上げ(8兆円規模の税収増ー政府試算)ながら一方で5兆円規模の経済対策支援支出をする安倍政権に、一部専門家から矛盾効果との反対の声が出るのもそういうことからだ。
 5兆円規模の経済対策投資でそれ以上の経済効果、税収効果が派生すれば政策意図もあるというもので、これも具体的な経済対策次第ということだ。

 今回の消費税引き上げ意味、意図が税収効果の実効影響の高さということからは、軽減税率導入も経済対策も不必要な対策ということになる。
 一方でデフレ脱却による経済回復、賃上げによる生活安定を目指す政府としては、消費税を引き上げたはいいが反動としての国民の消費手控えによる税収減、景気落ち込みになっては元も子もない。

 (5)軽減税率導入では、知的財産、新聞など報道機関を対象とするのか議論がある。欧米では知的財産、報道機関への軽減税率適用は、報道の自由性、知る権利保障のために広く実施されている。

 そもそも20%以上の高い消費税率(同趣旨税)で国民の社会保障拡充、医療の無料化など社会資本を整備する理念社会の欧州と、国と国民が応分の負担で公平、公正に社会制度を維持する日本とでは基本理念が違う。

 (6)報道機関、特に新聞は情報化時代に新聞離れによる経営悪化におちいっており、これ以上価格上昇転嫁は避けたい事情もある。軽減税率を望む報道機関には報道の自由性、知る権利保障という名目はあるが、名目は報道機関に限ったことではない。
 軽減税率の適用範囲をどこで線引きするのか、あちらを立てればこちらもで、税収増理念の中でむずかしい判断が求められる。

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