(1)安倍首相が国連総会に出席して、①国連演説でシリア化学兵器廃棄の技術協力、国連のPKOほか国連平和活動に積極的に参加する積極的平和主義理念を述べた。
②ニューヨーク証券取引所では「アベノミクス」を「今が買い」とばかりに売り込み、③米保守系シンクタンクでは中国の軍備拡大を暗に批判して、それに対して日本の防衛予算の伸び率の低さを説明して「右傾化」に反論(報道)してみせた。
地球俯瞰(ふかん)外交としてこれまでほぼ月1回の割合で外国訪問をくり返して展開してきた安倍首相だが、世界各国の首脳が集まる国連総会出席と合わせ米国訪問で「3度」も演説をするのは、これまでの首相が国連総会を欠席することも多かったなかで「異例」として報道されている。
(2)アジアの隣国、中国、韓国との領有権、歴史認識問題でともに新政権が誕生しながら、1年近くも首脳会談も開かれない「異常」な外交拒絶関係のなかにあって、世界の同盟国、協力国、理解国との外交、経済関係強化で中国、韓国包囲網をジワジワ敷いて日本の存在感を示しながら、アジア主要3国の関係改善に戦略をはかろう、うかがうという意図も見える。
経済成長の著しいアジア圏にあって、原動力となる日本、中国、韓国が対立するという構図はそれぞれの国益に不利益となるもので、緊張外交にいらぬ対応、余分な対策の負担が求められて早急な関係改善が必要な政治、外交、経済課題だ。
(3)安倍首相が国連総会出席で訪米したなかの演説で述べたのは、「アベノミクス」買いと合わせて「積極的平和主義」だ。アベノミクス買いと違ってよく意味のわからない言語で、意図は透けて見えるが無理がある。
本来なら唯一の被ばく国として核廃絶による人道主義(humanism)、経済協調主義で世界平和のイニシアティブ(initiative)をとるべき積極的平和主義でなければならないが、安倍首相が掲げたのはPKOほか国連平和活動への積極的参加による集団的平和主義であって、しかしその背景には自衛隊の国防軍化、日本の集団的自衛権行使容認による憲法解釈の変更、憲法改正による国際貢献の思惑がある。
国連平和活動に名を借りた日本の立場の平和主義とは理念の遠い右傾化と見られても仕方のないものだ。
(4)そして、もうひとつが「もしみなさまが私を右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのではあれば、どうぞそうお呼びいただきたい」という思い切った発言だ。
米国保守系シンクタンクでの演説で、中国の軍備強化、拡大、領海・領空侵犯を念頭に日本の置かれた近隣国との緊張関係と国益保護の立場、正当性を象徴的に表現してみせたものだ。
中国の脅威論は米国のアジア戦略の核となるもので、その共有認識のなかでのアジア当事国としての国益保護姿勢を強調してみせたものだ。
(5)米国シンクタンクでの演説ということもあるが、少々思い切った中国比較比ゆ的発言でもあるが、首相の発言でもあることも事実であり、関係改善が急務の日本のアジア戦略にとってプラスとなるものではない。
ともに根底に日本として最もイニシアティブのとれる唯一の被ばく国としての世界平和主導性の役割、認識不足があきらかな発言だ。
(6)歴史認識問題で日本に対して強硬な姿勢をとり続ける韓国の朴クネ大統領は、30日の米国防長官との会談で「日本は謝罪どころか侮辱しており、国民も共に憤怒している」(発言趣旨・報道)と一方的な日本の歴史反省、関係改善取り組み努力を求めて強調した。直接日本に対してでなく、同じ同盟国の米国に対しての不満露呈が緊張関係の深さを示すものだ。
②ニューヨーク証券取引所では「アベノミクス」を「今が買い」とばかりに売り込み、③米保守系シンクタンクでは中国の軍備拡大を暗に批判して、それに対して日本の防衛予算の伸び率の低さを説明して「右傾化」に反論(報道)してみせた。
地球俯瞰(ふかん)外交としてこれまでほぼ月1回の割合で外国訪問をくり返して展開してきた安倍首相だが、世界各国の首脳が集まる国連総会出席と合わせ米国訪問で「3度」も演説をするのは、これまでの首相が国連総会を欠席することも多かったなかで「異例」として報道されている。
(2)アジアの隣国、中国、韓国との領有権、歴史認識問題でともに新政権が誕生しながら、1年近くも首脳会談も開かれない「異常」な外交拒絶関係のなかにあって、世界の同盟国、協力国、理解国との外交、経済関係強化で中国、韓国包囲網をジワジワ敷いて日本の存在感を示しながら、アジア主要3国の関係改善に戦略をはかろう、うかがうという意図も見える。
経済成長の著しいアジア圏にあって、原動力となる日本、中国、韓国が対立するという構図はそれぞれの国益に不利益となるもので、緊張外交にいらぬ対応、余分な対策の負担が求められて早急な関係改善が必要な政治、外交、経済課題だ。
(3)安倍首相が国連総会出席で訪米したなかの演説で述べたのは、「アベノミクス」買いと合わせて「積極的平和主義」だ。アベノミクス買いと違ってよく意味のわからない言語で、意図は透けて見えるが無理がある。
本来なら唯一の被ばく国として核廃絶による人道主義(humanism)、経済協調主義で世界平和のイニシアティブ(initiative)をとるべき積極的平和主義でなければならないが、安倍首相が掲げたのはPKOほか国連平和活動への積極的参加による集団的平和主義であって、しかしその背景には自衛隊の国防軍化、日本の集団的自衛権行使容認による憲法解釈の変更、憲法改正による国際貢献の思惑がある。
国連平和活動に名を借りた日本の立場の平和主義とは理念の遠い右傾化と見られても仕方のないものだ。
(4)そして、もうひとつが「もしみなさまが私を右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのではあれば、どうぞそうお呼びいただきたい」という思い切った発言だ。
米国保守系シンクタンクでの演説で、中国の軍備強化、拡大、領海・領空侵犯を念頭に日本の置かれた近隣国との緊張関係と国益保護の立場、正当性を象徴的に表現してみせたものだ。
中国の脅威論は米国のアジア戦略の核となるもので、その共有認識のなかでのアジア当事国としての国益保護姿勢を強調してみせたものだ。
(5)米国シンクタンクでの演説ということもあるが、少々思い切った中国比較比ゆ的発言でもあるが、首相の発言でもあることも事実であり、関係改善が急務の日本のアジア戦略にとってプラスとなるものではない。
ともに根底に日本として最もイニシアティブのとれる唯一の被ばく国としての世界平和主導性の役割、認識不足があきらかな発言だ。
(6)歴史認識問題で日本に対して強硬な姿勢をとり続ける韓国の朴クネ大統領は、30日の米国防長官との会談で「日本は謝罪どころか侮辱しており、国民も共に憤怒している」(発言趣旨・報道)と一方的な日本の歴史反省、関係改善取り組み努力を求めて強調した。直接日本に対してでなく、同じ同盟国の米国に対しての不満露呈が緊張関係の深さを示すものだ。