いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ノーネクタイに革ジャン内閣。 no , necktie and leather jumper cabinet

2015-02-12 19:22:04 | 日記
 (1)オリンピック発祥地の歴史を持つギリシャが国家財政破たんの危機を迎えて、EUから財政支援を受けて条件として厳しい財政緊縮策を求められて、長引く財政緊縮策に当時のサラマス政権は嫌気のさした国民の反発を買った。

 EUからの離脱も取り沙汰されてこれにEU内からは財政再建に努力しないギリシャに対して財政支援、投資するのは割が合わないとの批判もあり、EUの悩みの種になっている。

 (2)ギリシャではEUの財政支援の意向にもとづいて財政緊縮策を持続するサマラス政権が総選挙で、反緊縮、積極財政策を主張する急進的な理念、信条の野党のチプラス急進左派連合に敗北して政権交代を果たした。

 その後もギリシャはデフォルト(default)危機がささやかれて、財政危機の不安は続いている。
 
 (3)ギリシャ国民が選択したチプラス政権はチプラス首相はどこでも(映像)ノーネクタイ(no,necktie)のシャーツスタイルで若い思想活動家風で、さらに危機的な国家財政のかじ取りをまかされたのがこれまた「短く刈り込んだ頭髪に革ジャン(leather jumper)」スタイルの「映画に出てきそうな」(ドイツのメディア評)自由で奔放な政治スタイルが特徴のバルファキス財務相(元大学教員)だ。

 (4)ほとんど国家破たん状態でEUの全面的な財政支援を受けるギリシャにとっては、これまでの政権のように財政支援のEUの言いなりになって一向に国民生活が回復しない現状打開には、このような急進的な政党の理念、信条の成り立ちから破天荒な枠にとらわれない自由闊達な政治スタイルでもないと政治、経済改革は望めないとの期待なのかもしれない。

 長引くデフレ不況脱却に向けて経済の異端ともいわれてきたリフレ派の黒田さんを日銀総裁に起用して、大胆な異次元の金融緩和策で円安株高効果を生んだ安倍政権の政治手法に通じるところもある。
 ギリシャがチプラス政権の自由奔放な政治風貌のようにEUの求める財政緊縮策に対抗して主張する反緊縮、積極財政策でギリシャの財政危機を救えるのか、注目されるところだ。

 (5)ところがノーネクタイにシャーツスタイルのチプロス首相は10日にいきなり「第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるギリシャ占領で被った損害の賠償を請求する」(報道)方針をドイツに伝えた。約22兆円の膨大な賠償請求だ。

 ドイツはEUの政治、経済の中心国でギリシャ財政支援の中心国でもある。ドイツのワイツゼッカー元大統領が議会演説でナチス・ドイツの戦争責任と向き合い自ら反省を求めたのは30年も前のことであり、その後ドイツ統一、ヨーロッパの政治、経済、平和の統合としてのEUとしてドイツもギリシャもこれに同意して参画している。

 (6)あまりにも唐突な歴史経過を無視したギリシャの戦争賠償請求、歴史認識問題の蒸し返しであり、チプラス政権の急進的な政治思想、信条が全面に出た窮余策だ。ドイツは政治的に解決済みの問題だと主張している。
 比較は容易ではないが時宜的にも韓国朴大統領の唐突とした日本に対する歴史認識問題提起を彷彿(ほうふつ)とさせるものだ。

 チプラス政権の急進的な政治理念、信条が国内の鬱積(うっせき)したこれまでのEU財政支援による緊縮財政に対する国民の反発、反目に応える「威勢」だけでない、的確な経済再建策を打ち出すことができるのか国民から求められているのだ。

 (7)チプラス政権のノーネクタイ、革ジャン内閣(no,necktie and leather jumper cabinet)が単に急進派を象徴するものでない革新的な仕事師内閣(businesslike cabinet)そのものでなければギリシャの危機は救えないのはあきらかだ。

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理研の恥の上塗り。 the more shame to riken

2015-02-11 19:31:10 | 日記
 (1)STAP細胞不正研究事件で研究組織母体の理研として一体責任を取ったのかわからないまま、うやむやのまま今度は昨年末に退職を認めた同研究チームリーダーだった小保方さんを懲戒解雇相当とすることを発表した。

 時系列的に順番があべこべでの統率もとれていなければ、だから規律上も法的にも整合性のないつまり理研の顔に泥を塗られた恨(うら)みつらみ、未練たらしいみっともない仕打ちにしか見えないものだった。

 (2)STAP細胞研究が研究データ、事実に裏打ちされたものではないことを見抜けずに、大々的に研究成果発表にこぎつけた理研組織の「責任」、その経過、経緯について何ら検証、精査もない中で、すでに理研研究員でなくなった(退職)人物の懲戒解雇相当発言を聞かせられても、理研の統治能力(governability)が疑われるだけの恥の上塗り(the more shame to riken)、失態でしかないものだ。

 (3)そもそもSTAP細胞研究チームリーダーの小保方さんが同論文2本を取り下げた時点でSTAP細胞の存在を自ら否定してみせたものでありながら、その後も理研内で半年以上もかけてSTAP細胞作製再実験を小保方さんにやらせる意味、意義などなかった。

 これもまた今回の懲戒解雇相当の発表と同じく時系列的に反した訳のわからない未練たらしい愚かな判断であった。

 (4)報道によると再実験は同論文方式にもとづいて48回試みてSTAP細胞は作製することができなかったといわれるから、理研もそうなら小保方さんの思考停止状態も相当のものである。

 理研が昨年末の小保方さんの退職を認めたのは思考停止状態の彼女をこれ以上過度に追い詰めない配慮があったといわれており、これは理念、信念にもとづいた確固たる先端的科学研究者への対応としてはいささか甘い対応のように受け取られるが、健康上、精神上の問題は当事者間でしかわからないこともあり、やむを得ないものなのだろう。

 (5)それにしても研究者としての地位、身分をなくしても理研所属として最終検証(理研組織としての同研究全体責任)が済むまでは組織内にとどまらせる手立てはあったのではないのか。理研が退職した小保方さんに責任を押し付けて幕を下ろそうとした懸念が感じられる。どこにもっとも今回の問題があったのか。

 理研組織内の研究であっても先端的科学研究者としての個人的な研究事業の責任は独立して特別に大きく、理研組織と研究者の責任は独立して別のものだ。
 いろいろ配慮、考慮しての退職であったのだろうが、不正研究の全貌が解明されないうちの退職容認は健全な機能した組織としてはありえない無責任な判断だ。

 (6)その上に今回の理研による時系列に反した未練たらしい懲戒解雇相当発表では、社会的パラダイム(paradigm)、判断能力のなさを露見して恥の上塗りをするだけのことだ。

 理研の他の研究分野では頑張っている研究者もいるが、このような社会的に機能しない研究組織は解体してあらたな体制で再出発することが再生の早道だ。このままでは先は見通せない。

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戦場ジャーナリズム。 journalism in a battlefield

2015-02-10 19:35:54 | 日記
 (1)イスラム国(IS)による日本人人質殺害事件が起きたあと、シリアに渡航(voyage)しようとして日本人フリーカメラマンが外務省から旅券(passport)の返納命令を受けシリアへの渡航が不可能となった。

 政府はISが今後も日本人を標的に殺害すると威かくしており、シリアの一部はISの勢力支配地域でありこれまでも渡航延期、退避勧告を出しており、今回は事件を受けて規定(旅券法)にもとづき旅券返納命令でシリアへの渡航を禁止した。

 (2)今回ISに人質のうえ殺害された日本人フリージャーナリストの後藤健二さんは、これまで戦場取材で戦闘地域に入って難民、子ども、市民の惨状を伝えてきた職業人だ。
 今回のシリア渡航に際しても、事前の映像メッセージで「これは私自身の問題であり、日本は私のために何もしないでほしい。何が起きてもシリアの人を憎まないでほしい」(趣旨発言)と覚悟の決意を残していた。

 その後の経過は、しかし日本、ヨルダンをはじめ国際社会を巻き込んでの1週間にも及ぶ情報戦、神経戦の末にISによって殺害されるという結末を迎えている。

 (3)最初はISによる2億ドルの身代金要求に始まり、ヨルダンに収監された国際テロ死刑囚との人質交換へと目的が変わって、これにヨルダンはISに拘束された自国のパイロットとの交換を求めて複雑に二転、三転して、後藤さん自身がISのスポークスマンに仕立てられてISの意向を伝えさせられるなど決して「私自身の問題」にとどまらなかった。

 (4)戦場の事情、現状、惨状は誰かが取材しなければ事実は国際社会には伝わらずに、非人道的非道、暴挙がエスカレートしていつでも誰もが止めることなど不可能なこの世とは思えない伏魔殿となることは容易に想像がつく。

 戦場ジャーナリスト、カメラマンの職務、職責の意義は危険との隣り合わせであっても貴重で大きい国際的、社会的影響性を持つものだ。
 かってはハンガリーの戦場報道カメラマンのロバート・キャパさんの戦士が銃弾にたおれる瞬間の写真やベトナム戦争での爆撃に焼け払われて裸のまま道路を逃げまどう幼い少女の映像写真は戦争の残虐性、おろかさを如実に世界に発信したものだ。

 (5)戦場、危険地域へのジャーナリストの渡航を事前に政府、政治が検閲し阻止するとなると、報道の使命、自由、移動(渡航)の自由を意図的に規制、束縛する(するこができる)ものであり、また戦争の実態、実情がわからずにこれまでもジャーナリストが危険を冒(おか)してまで伝えてきた映像メッセージの非人道的な非道な行為が伏魔殿の中で残虐エスカレートすることを見過ごすことにもつながるものだ。

 (6)ジャーナリズム(journalism in a battlefield)も戦場、危険地域での取材方法、規律、安全について自主的に自らが安全対策、協定、協力体制(軍に帯同)、取材パラダイム(paradigm)を構築して、政府のあらぬ干渉、規制を及ぼさない取材対策が必要だ。

 キャパにしろ後藤さんにしろ他の多くの戦場ジャーナリストは多分にその行動は自ら命を懸けても戦争の悲惨、残虐、おろかさ、実情、実態を伝える責任感、使命感に裏打ちされている。使命、責務に懸けて戦場で亡くなるジャーナリストも少なくない。

 (6)単に政府の干渉、規制だけでない、政府と取材側の話し合い、協議、解決が必要だ。

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景気は良くなるか。 does it becomes prosperous

2015-02-09 19:24:56 | 日記
 (1)企業決算では一部の特殊な大幅赤字企業を除いて黒字決算が目に付き、新聞の主要企業アンケートでも軒並み国内景気が良くなる(it becomes prosperous)と回答(報道)している。

 賃上げ(a wage increase)を検討している企業は21%(26社)で前年比(12%・15社)9%増と増加している。安倍首相が異例の政経労会議まで開いて企業に賃上げの圧力をかける中での2年連続の賃上げ傾向だ。法人税引き下げ効果も後押ししている。

 (2)政府、日銀が物価目標15年2%上昇を打ち上げて、実現に向けて経済原理(principle of economy)に反してまでしゃかりきになって賃上げを企業に要請しているあやうい経済方式だ。

 企業業績の向上にともなって付加価値効果を賃上げとして従事者に還元するのが市場原理(principle of market)、経済原理であるが、政府主導の物価目標2%上昇実現のための賃上げ要請は異例だ。

 (3)アベノミクスの株高経済効果は市場経済の実態を反映したものではなくて、先行投資型の期待感主導経済でしかない。大企業の業績回復効果を地方、国民に波及する(trickle down)古い経済方式は、物価上昇率が賃上げ効果を上回って消費者動向を冷え込ませて景気を後退させている。

 今年も4月から食品価格の一斉値上げが予定されており、賃上げ効果が期待通りに機能するのか疑問だ。

 (4)安倍政権の経済政策が実態経済(the realities of economy)を反映したものではなく、政府、日銀の株高操作政策による期待感含みのマネーゲームに終始しているあやうさだ。

 経済は市場原理、経済原理に忠実に即したものでなければ、安定した景気のダイナミズム(dynamism)とはならない。アベノミクスには空洞経済のあやうさがつきまとうものだ。
 今年賃上げを検討している企業は前年比9%と増加しているとはいえ、21%のことで格差拡大が進むだけのことだ。

 (5)今年も全体として賃上げ効果が物価上昇を上回ることは期待できないのではないのか。好調な米国経済、雇用改善の中でTPP交渉妥結が本格化する。
 農産物の自由化、関税相互撤廃の貿易自由化は当初一時的には打撃を被(こうむ)る分野はあっても、中、長期的にみれば日本の産業、農業の潜在能力の高さからプラスになるものだ。

 国民消費にとっても商品、企業の選択、選別の幅が広がり、集約機能して利益につながるものだ。

 (6)市場原理、経済原理による将来的な景気回復、安定につながるものだが、今年は経済不安がつきまとうだろう。
 政府、自民党はTPP、農産物の自由化対策として農協改革、農業従事者の自立を推し進めているが、減反政策、価格調整などの農業過保護政策を改めて農業従事者の自主的判断、市場原理にまかせて、生産、開発、管理、味、質の潜在能力の高い日本農業の自立、国際競争力強化をはかることが中、長期的な経済、景気の安定にも貢献することになるだろう。

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12才。 k.zaitsu live & talk concert 2015

2015-02-08 15:27:36 | 日記
 財津和夫さんの「12才」を久しぶりにコンサートで聞いた。財津和夫さんのlive & talkコンサートの新シリーズが昨夜から始まった。
 いやぁ、いい曲ですね。テンポのいいピアノのイントロからドラムがからんでいき、流れるように揺れてスピード感のある財津サウンドの特徴のあふれる名曲です。
 ちょっと抑揚を抑えた歌い出しから静かにリズム、テンポよく高揚していくメロディラインのきれいな曲です。

 よくこんなむずかしい曲をつくるものだと思うが、財津和夫さんのボイス力、歌唱力、発声力、説得力の高さがあっての心揺さぶる名曲の「12才」です。
 財津さんの12才の頃の自伝的な時代を背景にした曲です。あの頃の12才というともう映画が娯楽のすべてで、正月になると宇津井健さんが扮するスーパーマンの宇宙戦争映画にあこがれて、石原裕次郎さんの正月映画にかけつけるお客さんの多さはすごいものがありました。暗闇の映画館なのに後ろの入場口のドアが閉まらないくらい人であふれていました。

 同年代の友人に映画館経営の息子さんがいまして、よく正月映画を見せてもらっていました。当時はオープンリールのフィルムで長時間映画は2台の映写機を交互に連続して回してスクリーンに映写していました。
 財津さんの「12才」にも出てきます「フィルムが切れてしまう、カラカラと映写機乾いた音を立てて」ということがよくありました。
 急にカラカラと音がしてスクリーンに白色光が走って映像がなくなるものです。すぐに技師さんがもう1台の映写機を回して、映画が再開されるということがよくありました。
 財津さんの年代に映画好きが多いのは、子どもの頃の娯楽のすべてが映画にあった時代背景があります。

 財津さんの「12才」は、1990年に財津和夫さんが本格的なソロ活動を開始した最初のソロアルバム「I must be crazy」に収録された曲で、バックコーラスに佐藤竹善さんが参加しています。その後の財津さんのソロコンサートでは伊豆田洋之さんがギター、コーラスで参加しています。
 ともにボーカル力がありやわらかい声でコーラスに参加して、「12才」に厚みを加えています。

 昨日のコンサート初日の「12才」は演奏、コーラスはまだまだ初日ということもありしっくりきません。「12才」は抑揚を抑えたイントロからだんだんとテンポ、リズムのいい高揚感あふれる曲想ですから、メリハリのある演奏が求められます。まだフラットな平凡な演奏です。
 コーラスにいたってはなにしろ聞きなれた「敵」は佐藤竹善に伊豆田洋之さんですから、もっともっと努力しなければなりません。まだ聞きごたえはありませんよ。その分、今後の熟練度が楽しみで、財津さんのライブ構成力の高さに期待しましょう。

 昨日のコンサートで財津さんの「12才」が聞けたのはうれしかったですね。コンサートは前半から後半の最初にかけてこれまでと曲構成を変えて、前半の「静(静寂)」に後半の「動(感動)」と対照的に財津ソリストとしてのメリハリをつけた、企画性、芸術性の高いものとなっています。

 「ブルーベルベット」と「run」からの「すべては忘れた」のコラボレーション、フュージョン曲は、最近のイスラム国による日本人人質殺害への時代からの怒りを感じさせるように心に響いた。

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