いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

論戦は豊富なデータで。 a debate by a great store of data

2015-02-17 19:22:25 | 日記
 (1)話題の仏経済学者のトマ・ピケティさんの著書「21世紀の資本」は、世界各国、地域の経済事情の膨大なデータ(massive data)を調査、分析、研究した分厚い経済書で本人も「ちょっと厚くなりました」という膨大な経済データに裏付けられた専門書だ。

 資本主義では富(wealth)は富裕層に集中し格差社会が拡大するので世界的に富裕層への課税が必要だ(報道趣旨を解釈)というもので、本書の内容的には専門家からは「富」はゼロから築きあげた「もの」と代々受け継いできた「もの」とは違うとか視点の違いの指摘、反論もみられるが、しかしその膨大な経済データにもとづいたロジック(logic)展開には実証性(positivity)があり感心させられるばかりだ。

 (2)今、世界は富の再配分が機能せずに比較安定した経済国と財政、金融危機破たん国家との経済金融「格差」拡大が顕著で、日本をみても大企業、都市部中心の業績堅調、賃上げ企業に円安のしわ寄せに苦しむ中小、地方企業、それにともなう都市部集中と地方過疎の生活2極化が進み、格差社会の拡大を確実に生んでいる。

 (3)トマ・ピケティさんが論理展開するように格差は資本主義の富の構図(共産主義の中国経済も極端な格差社会を生んでいるが、10億人以上の人口超過密問題もあり)とはいえ、この政治、経済状況を生みだした安倍政権、安倍首相の施政方針演説に対する野党各党の代表質問が始まった。

 各党が幹事長、党首を代表質問にたてて、安倍首相の政治姿勢を質(ただ)した。民主党の岡田代表は「格差」を問題にして「格差が近年拡大している事実を認めるか」(報道)と安倍首相に質したが、安倍首相はこちらはこちらで都合のいい傾向を持ち出して「一概に言えない。税や社会保障による再分配後の所得の格差はおおむね横ばいで推移している」(同)として政策上問題はないとの認識を示して、いつものように話はかみ合わなかった(it doesn't bite with each other)。

 (4)国会代表質問は概論に終始して言いっぱなしの表面的な論戦となったが、安倍首相は少子高年令化社会の全体的な所得を問題にしたのに対して、岡田代表は視点を変えて若者の貧困問題を取り上げて格差社会を問題にした。

 話は当然のようにかみ合わなかったが、岡田代表は実質審議の予算委員会で追求する構えをみせている。代表質問のように概論ではなく「豊富なデータ」(a great store of data)にもとづいた論理的で核心的なロジック展開でぜひ政府政策の問題点を質してほしいものだ。

 (5)本ブログでも書いたが自民党、当時社会党の与野党の政治思想対立時代の国会は、理念、思想にもとづいて入念に調査、収集した資料、証拠、データを提示して政府の政治姿勢、問題点を厳しく追求して国会審議が止まることも度々あった緊張した国会審議だった。

 (6)民主党岡田代表をはじめ野党各党は、ピケティさんまでとは言わないが「豊富な調査データ」にもとづいた証明力、実証力のある政治ロジック展開で安倍政権の施政方針を追求して、安倍首相がないというしかし国民が実感する「格差」是正の社会実現に向けて問題提起することが政治復活の第一歩だ。

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日本の情報専門機関。 intelligence specialty agency in the japanese government

2015-02-16 19:26:47 | 日記
 (1)情報化時代、社会を迎えて情報合戦が盛んだ。米国では市民の買い物はネット販売が中心(情報)になりつつある。イスラム国(IS)はネットを使った情報宣伝でテロ同士を勧誘し、人質の殺害現場を中継して恐怖と威かくを世界に発信して存在を誇示している。

 日銀の大胆な金融緩和策は期待含みの円安株高効果を生んだが、実体経済のともなわない張り子の株高操作の金融、経済の情報管理操作だ。

 (2)ISによるシリア支配地域での日本人人質事件に対して、日本は隣国トルコ、ヨルダンに救助交渉協力を求めたとされ、ヨルダンにある日本大使館を現地本部にして情報収集、対策をとっていたが、結局は頼った各国特殊事情に阻(はば)まれて日本人人質を救出することはできなかった。

 日本独自で国際テロ組織と交渉する能力の必要性も痛感させられて、日本でも国際事件に巻き込まれた時の情報収集能力の強化のために、米国のCIAのような対外情報専門機関(intelligence specialty agency)の設置の必要性がいわれている。

 (3)どういう組織を活用して対外情報収集、分析、交渉能力を強化したらいいのかはグローバル化、情報化した社会では重要な問題であるが、情報統制(control)管理の特殊な事情、背景もあるので慎重な論議が必要だ。

 情報化は高度化すれば社会に情報が氾濫し、情報統制、管理、整理の必要性が叫ばれてパラドックス(paradox)としてプライバシーが尊重されて、秘匿(ひとく)される傾向、情報が活かされないマイナス効果になる。

 (4)安倍政権が特定秘密保護法を制定して政府は都合よく情報統制管理を操作しようとして、社会では何かにつけてプライバシー保護の名目で情報はかえって隠される傾向が強い。

 米国CIAは米国覇権主義による世界戦略の情報収集、分析専門機関、あるいは強力な実働部隊として中心的な役割をはたして、かっては米国のキューバ侵攻(失敗に終わる)にも重要な役割をはたしたり、最近では同盟関係にあるドイツ首相の携帯電話の盗聴、政府機関の情報盗聴を行っていたことがわかり、またネットを使って米国民の生活情報を秘密裡(違法)に収集していたことが元情報機関従事者により暴露されている。

 (5)日本でも戦前には軍政下に特高という情報専門機関があって、同様に国民、生活、思想、信条を監視した異常監視社会があった。情報収集専門機関の古今東西の歴史は過去、現在と問題は多い。

 日本には米国CIAのような戦略的な情報専門機関は必要ないし、平和憲法国家としてふさわしくはない。

 (6)国民生活に限っていえば情報は出来るだけ公開が原則だし、情報規制、統制、秘匿、監視は国民生活の利益にはならない。
 情報統制管理は国家、政府、政治が都合よく利用するための便宜、方策だ。

 在外公館(大使館、領事館)に情報収集、分析能力の組織的、人的強化をはかり、充実させるのがふさわしいのではないのか。
 情報化時代、社会の情報高度化がパラドックスとして国家、国民の情報を奪うという社会は考えものだ。

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停戦合意の矛盾。 contradiction of cease fire agreement

2015-02-15 15:20:22 | 日記
 (1)アフリカ、中東、ヨーロッパで戦禍が絶えない。アフリカは長引く「民族対立戦争」に独裁政治への不満にイスラム過激派、国際テロ組織が乗じて関与して混迷(bewilderment)を深め、中東はイスラエルとパレスチナ対立に代表される「宗教戦争」に米国に反発するイランとイラク、シリア内戦に乗じてイスラム国(IS)が勢力を拡大して、ヨローッパではウクライナが親EU派政権に親露勢力が対立する内戦でEU、米とロシアが対立する「政治戦争」が深刻だ。

 (2)ウクライナ内戦では見かねた仏、独首脳が仲介に入ってウクライナとロシア大統領を含めた4者会談を開催して16時間の長時間協議の末にようやく今日から停戦合意(cease fire agreement)が発効されることになった。

 これまでも停戦合意(昨年9月)はあったが守られたためしはなく、なにしろ停戦前に少しでも勢力支配地域を確保しようと双方が前日まで激しい戦闘をくり返しているのだから、何のための訳のわからない停戦合意だ。

 (3)戦闘前線への停戦指令時差もあるのだろうが停戦合意に向けて話し合いをしているのだから、合意発効日までは容赦なく攻撃をし合うというのもおかしな人間業だ。
 もともと停戦合意などするのなら戦闘、戦争などするなと言いたいところだが、人間世界の割り切れない権力慾、支配欲、独占欲のなせる業なのだろう。

 ここはEUとロシアという比較安定した政治勢力地域を控えているのでそれでも何とか政治的パラダイム(paradigm)が働いているが、アフリカ、中東となると宗教、民族対立にイスラム過激派、国際テロ組織が複雑にからみ合っての手のつけられない終わりの見えない内戦混迷地域だ。

 (4)中東はシリア、イラク政権の弱体化が国内を完全に支配下に置けずにISの勢力拡大を放置している。米国オバマ大統領がIS撲滅に限定的地上部隊の派遣を米議会にはかったが、これにイラク政府がまるでISを利用擁護するかのように地上部隊の派遣を要請したことはないと反対している。

 オバマ大統領がイラクからの米軍撤退を強行したことに対するあてつけの表明なのか主権をないがしろにされている不満なのか、国内を完全に支配できずにISの勢力拡大を止めれないイラク政府としてはメンツなどにこだわっている場合ではない。

 (5)ISの残虐非道ぶりに対抗するには空爆では足りずに地上部隊の投入は避けられない。どこがその任務、危険を負うのかとなれば当事国のイラクとシリア政府以外にはなく、その能力がないとすればそもそもイラクを内戦に導いた、シリア内戦を見過ごしてきた米国の協力責任を負うことは仕方のないところだ。

 (6)せめて仏、独首脳が仲介のウクライナの停戦合意が今度こそ守られるのか、注目されるところだ。
 ウクライナには、事実上の国内分轄停戦合意に同右派系民族主義組織からは停戦前に支配地域を拡げた親露派に「譲歩しすぎ」(報道)との声も聞かれて、国内事情の先行きは不安定のままだ。

 停戦をするぐらいなら戦争、戦闘など起こさないでほしいという願いの中で、始めた戦闘を結果もなく終わらせることには障害は多い。

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成長戦略としての日本農業。 japanese agriculture for growing industry

2015-02-14 19:22:15 | 日記
 (1)農協改革(innovation of agricultural co-operative association)に何かと反対する野党、民主党が言うのが「組織いじりに終始して、農家の所得を伸ばす道筋が見えない」(報道)だ。

 かっては自民党長期政権時代の最大の支持層だった農業従事者層だが、今や民主党をはじめ野党が擁護するという覚醒の政治パラダイム(political paradigm)時代を迎えている。

 (2)農協改革の中核は、地域農協の足かせとなっている農協全国中央会組織の監査権を廃止して一般社団法人化し、地域農協、農業従事者の自主性、自発性、独立性を確保促進する環境整備だ。

 もともと高い潜在能力を持つ日本農業が政府の食料自給率にこだわった農業過保護政策に農協全中組織による足かせで農業従事者の意欲、向上心、成長力をそいできたのが日本農業の衰退の主な原因だ。

 (3)減反政策で農産物の生産、開発、生育を規制して耕地を荒れさせる一方で、「生産しない」(減退)ことの見返りに相応の補助金を出し、コメ価格は市場原理とは関係なく政府が価格調整をして農家(農業従事者)の所得を努力せずに保障してきた政府の農業過保護政策だ。

 これでは若い農業人が自らの農業事業、生活に自信と意欲、期待、将来展望を持てといっても土台無理な話だった。
 生産、開発(技術)、管理、味覚、品質、安全性に高い能力を持つ日本農業は、自主性、自発性、独立性、市場原理主義を持てば高い成長産業力を持つもので、国際競争力にも十分対応できる能力(開発、工夫、知識、技術)を発揮することは保障されているものだ。

 (4)農協改革に同意した農協全中会長までもが、政府の農協改革では「農業者の所得の増大にどうつながるのか、説明が足りない」(報道)と言っているようでは、組織へい害、政府、政治依存へい害があきらかで農業従事者の自らの工夫、努力による所得向上、意欲、成長など期待することなど無理だったことがよくわかる。

 野党民主党までもが同じ視点なのは、政府の重要政策に国民の過半数が反対しながらも内閣支持率は安定し一強多弱時代の理不尽(unreasonableness)な政治状況も致し方のないところだ。

 (5)農協改革だけでは不十分で政府の減反政策、コメ価格調整の農業過保護政策を見直し、農業従事者の自主性、自発性、独立性を保障して高い潜在能力(potentiality)を発揮させることが国際競争力を高め、農業を成長産業(growing industry)に押し上げる方法論(methodology)だ。

 (6)政府はこれまでの消費した国内生産食品の割合を示す「食料自給率」から国内の食料の潜在的な生産能力を示す「食料自給力」の表示評価に変えてあらたに農業力の実態は握をはかる方針だ。
 TPP交渉による農産物自由化に向けた、国内農業の環境整備に迫られている。

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戦後以来の大改革。 a big political innovation since the postwar

2015-02-13 19:22:34 | 日記
 (1)通常国会は通常、首相の施政方針演説、各党の代表質問で始まるのが慣例だが、今回は違った。麻生財務相の財政演説に続き補正予算の審議から初めて成立させ、ようやく昨日に安倍首相の施政方針演説が行われた。

 報道によると通常国会開催前の与野党議事運営の打ち合わせが民主党の代表選びの最中と重なって、野党民主党がそれどころではなくて自民党の意向どおりに冒頭のように決まってしまい、あとになって野党が気がついた時には遅きに失しての今回の異例の議事運営になったと言われている。

 (2)安倍政権としては経済最優先の方針のために補正予算を早くあげたい意図があった。そこで今回の安倍首相の施政方針演説は「戦後以来の大改革」(a big political innovation since the postwar)がアピールだ。

 演説中に「改革」は36回も連呼された(報道)と言われる。経済再生、復興、社会保障改革、教育再生、地方創生、女性活躍などをあげているが、「憲法改正」こそ最もあげたかったのではないのか。

 (3)復興は掛け声だけで、計画性のなさ、復興グランドデザインを描かない失政が復興の加速を拒んでいる。手作業で丹念に行われている家屋除染は人員、時間、予算を使って行われたあと、結局は3年半も放置された家屋は住むことなど出来なくて除染後に次々と解体され(報道)ており、時系列的にまったくムダな行政が横行している。

 (4)改革の中では農協改革の前進は評価されるものだ。地域農協の自立性、自発性を拒んできた農協全国中央会組織を一般社団法人に事実上解体して、地域農協、農業従事者の自立、独立を推進するものだ。

 本来、生産力、開発力、管理力、味覚力、品質力、安全性で高い能力を持つ日本農業の成長を拒んできたのが農協全中組織の監査権であり、政府の食糧自給率にこだわった農業過保護政策であった。
 岩盤規制への切り崩しとして農協改革に取り組み推進する姿勢は評価できるものだ。

 (5)もちろん、TPP交渉での農産物自由化に備え、対応するための日本農業の国際競争力確保のためのものであるが、日本農業の高い潜在能力を開発、育成する付加価値効果は期待できる。

 さらに政府、政治による減反政策、コメ価格調整も廃止して、農業従事者の判断、工夫、自主性、市場原理にまかせる「改革」も必要だ。

 (6)それと同演説では指摘されなかったが「国会改革」は避けては通れない大改革(a big innovation of the national diet)だ。
 議員定数是正の衆院議長のもとでの第3者調査会の審議結果を安倍首相は受け入れることを表明しているが、同調査会でのアダムズ方式による9増9減案(報道)ごときでは「改革」とはならない。

 少子化、人口8千万人時代をも見据えた「大胆」な議員定数、報酬削減で「国会大改革」が必要だ。健全財政化への政治的無計画政策のツケを消費税引き上げで国民投資に頼り、その前にまず国会自らが身を切る覚悟が必要だといわれて、これこそ「戦後以来の大改革」とすべき事案だ。

 (7)一部には評価すべき改革内容もあるが、都合のいいロジック(logic)を展開して真実と向き合わないのは、信頼される政権とはいえないものだ。

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