いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

自然の原理と裁判(袴田裁判)。 a principle of nature & judgment

2024-10-09 20:13:29 | 日記
 (1)袴田事件は検察が再審控訴を断念して「無罪」が完全確定した。事件逮捕から58年の無罪判断の袴田事件から学ぶべきことは、①無実、無罪の人に死刑を判決してはならないこと、現在は証拠第一主義とはいわれているがそれでも「自白」は有力証拠として尊重されて、誤審につながる。
 ②最高刑死刑判断では「自白」を「完全除外」(法改正)し、「実体証拠」に厳格に限定し、それ以外のものは無期懲役刑を上限とする。

 (2)最低でもこれだけのことを「守る」ことが司法の責任義務だ。死刑廃止論は世界的な流れ、傾向であり、日本は死刑制度を維持する数少ない国のひとつで社会思想、国民(感情)性(被害弱者擁護)、文化、風土から根差した死刑制度維持思想もある中で、せめて無実、無罪の人を死刑にしない、死刑判断には「自白」を完全除外し、実体証拠に厳格に限定することは、現在の死刑廃止論と被害弱者擁護の国民感情論との「間」を取り持つ、埋めるものと考える。

 (3)袴田事件でも検事総長、かっての検察関係者から今回の検察提出のあらたな証拠を再審無罪判決で「ねつ造」と判断されたことに裁判で何ら説明証明がなく「大きな疑念」が示された。
 再審請求裁判には確固たるあたらしい有力証拠が求められて、事件逮捕から50年以上も経過してなぜ今そんなあたらしい有力証拠が出てくるのか、それならそんな有力な証拠は当然早くみつけて提出すべき必要があったわけだから、裁判で「ねつ造」と判断されても致し方ない不思議な「有力証拠」だ。

 (4)検察側はここでも「判断」の間違いをしたことは、時間の経過の大きさから明白だ。日本の裁判は時間がかかりすぎるとの批判、指摘はかねてからあり、それは慎重で、入念、真実を極める奥深さの意思、思想、責任のあらわれともいえて、しかし「時間」が過ぎれば長く経過すればそれだけ記憶、脳裏、能力から消えるものも増えて、判断があいまいになって不正確になり間違いも多くなるのが避けられないのは、自然の原理(a principle of nature)だ。

 (5)そもそも裁判とは人間が人間を裁く不条理(unreasonableness)の世界であって、本来はあってはならないもので、冒頭に戻るなら無実、無罪の人を死刑にしない、死刑判断には「自白」を完全除外し実体証拠に厳格に限定することが「自然の原理」に近づくことだ。

 
 

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ユダヤ人組織、社会と経済力。 structure , society of jewry and economic power

2024-10-08 20:40:56 | 日記
 (1)中東の領土の小さい国イスラエルの戦闘、攻撃拡大が止まらない。ガザ地区に地上侵攻してハマスを攻撃して1年がたつ。さらに今、隣国レバノンを大規模空爆、攻撃し、敵対するヒズボラ指導者を殺害し、地上侵攻も始めた。シリアのイラン大使館を攻撃し、イラン、ヒズボラの報復戦闘も始まり、中東に戦火は拡大している。

 (2)小さい国のイスラエルが同時にどうしてこれほど戦闘、攻撃能力を維持し、中東に戦線を拡大できるのか、米国の支援が考えられるがバイデン大統領はイスラエルの自衛権は容認しているがイスラエルの一般市民の犠牲者が増える非人道的攻撃に対しては否定的な考えを示して、イスラエルに自制を強く求めている。

 (3)にもかかわらずにイスラエルのハマス、ヒズボラ、これを支援するイランへの攻撃が止まることがない。世界に広がるユダヤ人組織、経済、社会の結束、支援が大きいと考える。ユダヤ人(jewry)組織、社会は米国大統領選でも大きな経済力、影響力を持ち、バイデン大統領、ハリス副大統領・大統領候補も無視できずに、イスラエルの非人道的攻撃、戦闘の拡大に対して直接的な抑制、反対行動に出れない事情がある。

 (4)近年は米国の中東からの撤退、影響力は薄れイスラエルも米国の意向に従わずに、イスラエルの意向を優先してハマス、ヒズボラ、イランとの対決姿勢を一方的に強めている。米国の支持、支援が薄れてもイスラエルの戦闘能力、攻撃を支えるのが世界に広がるユダヤ人組織、社会の経済力、結束、支持、支援の強さだと考える。

 (5)米国は中東エルサレムを巡る領有権問題でイスラエル、パレスチナの2国家共存論を支持しているがイスラエル、ユダヤ人組織、社会はパレスチナ排除を譲らずに、国連決議でも米国はイスラエル擁護に回って棄権の立場をとっている。
 国際政治では米国の二重基準(double standard)が問題を複雑にしており、米国覇権国家としての指導力、影響力の低下が問題解決を拒み、混乱、不安を増幅させている。

 (6)その米国がイスラエルにはユダヤ人組織、社会の存在が大きく立ちはだかり、核開発に反対して経済制裁を強めるイランとの関係回復、改善をはかれるのかが中東情勢には大きく作用する。
 日本はイランとの独自の良好な外交関係もあり、果たすべき米国、イランとの多面的な役割もあり、発揮すべき立場にもある。

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決着。 conclusion

2024-10-07 20:34:03 | 日記
 (1)トランプ候補はとにかく「今」を、既成事実を否定することで未来を切り開く手法で熱狂的で固い岩盤支持層を集めてきた。米大統領選も最終盤を迎えて、トランプ候補は7月に銃撃を受けた地、場所で再び大規模な選挙集会を開いた。
 しかも最近トランプ支持を鮮明にして重要閣僚起用も取りざたされるイーロン・マスク氏もかけつけるという盛り上げぶりだ。

 (2)しかし、7月の狙撃事件ではトランプ候補があわやの耳を負傷し、近くの参加者が流れ弾で亡くなるという悲劇をもたらした場所であり、利用できるものは何でも利用するという戦法で暴力に屈しない姿勢とはいえ、いうならトランプ候補の身代わりとなって亡くなった参加者のことを考えるなら勢いばかりでいいのか、どうなのか、考えものだ。

 (3)こういう気持ちがあるのなら、ウクライナ、ガザ、中東、アフリカの戦闘に対しても明確な反対、阻止のメッセージを強く示すべきだろう。トランプ候補はこれまで敵対するものに対して、明確な反対、対決姿勢を示して、その中には中国、露があり強い米国を支持する米国民の留飲を下げ、同盟のNATO(軍事負担金)、EU(気候変動)もあるという何でもかんでもの米国第一、保護主義だった。

 (4)8年前のトランプ大統領は政治経験もなく、米中経済貿易戦争で相互に関税強化にあけくれて世界経済を混乱に導いた経緯があり、今回仮にトランプ大統領復権となれば4年間の政治経験、その後の4年間の裁判、私人としての経験がどう働くのか、働かないのか試されることになる最終盤での大統領選接戦だ。

 (5)こちらの対立、対決はどうなるのか。石破首相は森山幹事長の進言を受けて当初の方針ではない10月中の早期解散総選挙に踏み切り、森山幹事長の選挙は当選第一主義で裏金問題は党として処分したとの発言に対して、石破首相は森山幹事長との会談後に裏金処分の重い議員の非公認に不記載のあった43人の比例重複を認めず「退路を断って有権者の審判に当落を委ねる」(報道)判断を示した。

 (6)今度は石破首相が森山幹事長、党内の意見を押し切ったといわれて、国民の強い不満、批判に応えようとした判断だ。しかし国民の不満、批判は70%が裏金問題の全容解明であり、政治とカネ問題への決別だ。
 石破総裁誕生には投票権のない見えない国民の力が働いたと書いたが、ここに来て見える国民の不満、批判の力が石破カラーをわずかでも引き出したといえる。決着(conclusion)は27日の投開票日だ。

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石破カラーはメッキのグレー。ishiba colors is gray of gilding

2024-10-06 20:41:00 | 日記
 (1)石破首相は長らく内閣、党の中枢から外れていたので、内閣はちょっと別にしても党に対してはにらみを利かせることがむずかしかった。総裁選でも国民、党員からの支持、人気は比較高かったが、議員の支持は当初から低く問題だった。

 (2)通常は首相のする人選では内閣、党の要には気心の知れた気脈に通じた人物を配置して、自らの意見、考えがよく伝わる人選をするものだが、石破首相は官房長官に総裁選を争った旧岸田派の林芳正議員、党の要には安倍政権で国対委員長を長く務めて同じく総裁選で小泉議員を推した菅議員に気心のある森山裕幹事長を配した。

 (3)ともに石破首相とは接点はなく、森山幹事長の人選には石破首相の意向ではない総裁選で保守的立場の高市議員を推した保守勢力に配慮した、折り合った人選ではないかと思われる。石破首相は当初、国会論戦をしてから国民に判断材料を示した上での解散総選挙を実施する考えを示唆していたが、報道によると森山幹事長との会談で森山幹事長が早期の解散総選挙を進言したといわれ、9日衆院解散、27日投開票となった。

 (4)内閣、党の要の人選で「石破カラー」が出せずに、国民の期待感が高まらずに、首相就任時としては低い過半数割れの46%の支持となってあらわれた。野党各会派へのあいさつ回りで「石破カラーを出して頑張って」との声に「出したらぶったたかれるでしょ」、「出すと国民は喜ぶ、党内は怒る」(報道)と語ったといわれて、本気かジョークかわからない自身の思いがオブラートされたものだった。

 (5)本来なら、総裁選石破陣営の選挙対策委員長を務めた岩屋(外相就任)議員を官房長官に、党役員の経験の高い同じ国防族の中谷(防衛相就任)議員を党幹事長に起用して石破カラーを出したいところだ。

 (6)今のところ石破首相の理念、思想、信条、政策は問題、課題も含めて封印されており、今月27日予定の総選挙投開票日の結果次第というところで、石破カラーはメッキのグレー(ishiba colors is gray of gilding)というところだ。

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あの頃に戻ろう。 go back at that time

2024-10-05 20:58:56 | 日記
 (1)石破茂さんとして一番印象に深いのは、本格的政権交代の民主党政権時代に野党自民党として安倍総裁のもとで幹事長を務めて、12年解散総選挙では幹事長として夜行列車を乗り継いで精力的に(映像報道)全国選挙応援をして回り、自民党を大勝に導いて安倍政権復活につながったことだ。

 (2)石破さんは今回裏金問題で崩壊した自民党は(自らに対してもだと思うが)、「あの頃」に戻らなければならないと述べていた。総裁選中だったと思うがまだ決意がみえる発言、言葉だった。その後自民党総裁になり、石破首相として4日に臨時国会で所信表明演説を行った。

 (3)はじめに裏金問題に対して国民の信頼を取り戻し、安心と安全をもたらす社会を実現するとしてまずルールを守ると述べたが、自民党は裏金問題で処分を受けた議員を原則として公認し、比例との重複も容認する方針(報道)だ。
 これが自民党の「ルール」だとすれば、「あの頃」の夜行列車を乗り継いでの当時の石破幹事長の思い、決意は何だったのか、と問いたい。

 (4)所信表明で述べた5つの「守る」(ルール、日本、国民、地方、若者・女性)は言葉はいいが、まずは古い自民党体質、体制を「守る」のでは「あの頃」は遠すぎる。
 おわりに政治に対する信頼を取り戻し、日本の未来を創り、日本の未来を守る決意を述べて、しかし精通しているといわれる防衛(米国との核共有、地位協定、米国本土の自衛隊基地など)のこれまでの重要発言には触れずに、自ら幹事長として自民党を大勝に導いた12年安倍政権復活後としての最長となる9500字(報道)の所信表明は「作文」の香りしかしてこないものだ。

 (5)かっての米国には新政権に対してはメディアなどが100日は厳しい論評を控えるところがあったが、現世界は国際情勢、政治、外交、軍事、経済がめまぐるしく変化し、拡大し、対策、対応に追われて留まる暇がない時代で、「きれいごと」を並べている場合ではない。

 (6)石破首相が言うように夜行列車を乗り継いで全国を回った「あの頃」に戻って自民党を大改革し、政治、国民に向き合わなければならないだろう。

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