
先週の木曜日、日比谷でZAZEN BOYSのライブを観ました。
最高過ぎた昨年秋の武道館公演を経て、
あれ以来の大規模な会場での単独公演でございました
個人的に今年初の野音であり、
とても楽しみに…
してたんだけど、
当日はかなり寒かったですね笑
これ書いてる今はやや春めいてますけど、
この日は全然冬の空気でしたので中々キツかったです
ただ、
暑い暑い中で観るのは慣れてますけど、
寒い中で観るのは珍しいと言えば珍しいので
ある意味新鮮ではありました
正に、
リアル"冷凍都市"だなぁ〜って感覚と共に楽しみ切った、
これまたものすげぇ出来のライブでしたね。以下。

とは言え、
この野音の前に観た最後の野音が
去年末の大豪雨の中のsyrup16gでござんしたので、
「まあ、晴れてるだけマシか。」と正直思ってました
野音は、
暑いよりも寒いよりも、雨が1番の天敵なので。
ある意味あれで精神的に強くなりましたね笑
向井さんが開口一番「一曲目は何だこれ?・・・ダンビラか。」と呟き、
ツインギターの厚みも気持ち良かった「DANBIRA」からライブはスタート。
煌めくカシオマンのギターリフ、
小刻みな松下さんのドラミングも最高だった「Honnouji」と序盤から絶好調
この曲ではMIYAさんがハンドクラップ煽ったりそれもまた新鮮
以前はあまりそういうの無かったイメージなので。
そんな、
彼女のメロディアスなベースラインも素敵だった「安眠棒」
どこかお洒落さもあるアレンジも心地良かった。
「八方美人」は、
カシオマンの哀愁のギターフレーズに
向井さんのノリノリの歌唱が乗って渋くも沁みる雰囲気
時に疾走感を表現したりアンサンブルの進化もとても楽しかった
「寂しいんですよ こんな夜は」と演説かの様に放つ様も印象的だった。
序盤のハイライトの一つが「サンドペーパーざらざら」
管理人が大好きな曲というのもあるけど、
小刻みにキメていくアンサンブルが、
みじん切りみたいで、
とっても興奮しヘドバンまでしてしまった
松下さんのドラミングがまた繊細で最高過ぎる…!
そして「血を流して妙にさわやか」の部分で、
本当は苦しいのに口に出せずに生きてる日常を想起し感情移入した。
MCでは、
「こんな寒いとは思いませんでした」と向井さん
そして「バラクーダというのは…魚ですよね…。・・・行ってみよう!」と
かなりシュールな(笑)流れの中始まった「バラクーダ」は、
「今日もロンリーナイト」の部分で空気がひりつく感じがして、
それはそれであの凍てつく様な夜には相応しくもありました
「このギターは原宿からかっぱらってきて・・・」と向井さんが冗談を言うと、
サイレンの音が鳴って会場が爆笑に包まれる。
こういうのは野外ならではだな〜
「久方ぶりにこの曲を…」と
「電球」を披露
陽のギターフレーズに、
ブレイクの一体感
その希望に満ちたバンド演奏にも感化されつつ
「新しく始めよう」と電球を取り替える行為を人生に喩え歌う
そんなストレートに沁みるフレーズがまた聴いてて胸に来ました。
少しの変化が日常を面白くしていく、そんな歌に思えた。
「本日のお客さんの8割以上が変態!」と言い放った「HENTAI TERMINATED」
ザクザクしたアンサンブルもかなり気持ち良い
更に、
ここに来てセットで定番化して来た「HARD LIQUOR」と間隔無くプレイ
鉄の匂いたっぷりのアンサンブルに陶酔しつつ、
最後は「…飲む!」と
何を飲んでるのかも分からなくなった歌詞の流れもユニークで面白かった
マシンガンの様なギターリフに、
ラストのドラムの畳み掛けも凄かった「HIMITSU GIRL’S TOP SECRET」
継いで
「次の曲でギターソロ行きますからこの人(カシオマンを指す)」と
まさかの予告ギターソロ(!)も飛び出した「Weekend」
この曲でもMIYAさんが笑顔でハンドクラップ煽る
時折、
そういうアットホームな空気もあるのが最近のZAZENの良さだと思う
それから、カシオマンのギターソロは情感豊かな方から
キ○ガイじみた爆裂の方まで予告通りぶちかましてました
ライブも中盤へ移行。
「天狗」のキラキラのギターフレーズ、
そしてステージバックの白ライトが一斉に点く
あの演出もとても綺麗で見惚れてしまいました
MIYAさんの渋めのベースフレーズも印象的な「YAKIIMO」は、
正に野外にピッタリの曲で子供の頃よく焼き芋の屋台が出向いてたこと、
そして、
あの年代ならではの夕暮れの淋しさの空気を想起しながら聴いていた
尚且つオレンジ色の照明がまたドラマチックでもありました。
その流れを意識したのか、
ノスタルジーなロックナンバー「ブルーサンダー」を繰り出す
この曲、上手く説明出来ないけど、いつもよりも全体的にギラギラしてて
演奏の勢いも感じられて尚良かった感覚が残っています
珍しく曲の裏側を語るシーンもあった
「チャイコフスキーでよろしく」は東京オリンピックを観てた時に
色々な競技を見てる内に射撃の競技に辿り着き、
その記憶を楽曲にした…らしい。
コロナ禍の真っ最中、
かつ、
エアコンが壊れてて暑い中でひたすら観てたとか。まだ有観客無かった時で。
この曲は、
向井さんのギターリフがとても瑞々しくて大好きでした
ベースも歌いまくってて気持ち良かったなぁ。
一転して、
跳ねるベースに
踊る様に叩くドラムが印象的な「杉並の少年」
横ノリのアンサンブルに心地良くなりつつ、
「あ〜りきたりのふ〜うけい〜!!」と伸びやかなボーカリゼイション
そして
それが呼び起こすどこか懐かしい雰囲気もまた素敵でした
前も書いたけど、ここに来て少年の歌も歌ってくれてるのグッと来ますね
「杉並の少年 笑っている」の部分で何度も昔を想起したりした。
勿論管理人は杉並出身ではないけどね笑
横浜の戸塚だけど。
少年繋がりで「ブッカツ帰りのハイスクールボーイ」、
こういう構成の面白さも光ってましたね
この曲は、
カシオマンの哀愁しか無い様なギターリフにまず心酔。
そして、少年時代のけだるさを表現した様な作中感にも陶酔した
何か満たされないまま、男の子が好きな料理で誤魔化しつつ、
達観と切なさの真ん中に居るカンジ…
感覚的な表現ですけど笑
こういう、
少年の抱える複雑な心境をここまで深く表現出来る
それ自体が向井音楽の進化にも感じていました
パキパキしたドラムのサウンドも、
「どしゃぶり」の部分の爆竹みたいな弾けるバンド演奏も素晴らしかった。
中盤のラストは「破裂音の朝」。
これがまた圧巻でした
「朝から 軽めのナミダ」というペーソス溢れるフレーズから、
ツインギターの重なりのサウンドの美しさ、
何より、
3000人キャパの会場で聴くハイライトの
「俺たち!」は激アツでした。
前にも書いたけど、
向井流のeastern youthの「夜明けの歌」感ある
「泥だらけのメッセージ」というフレーズも印象に残るし、
昔からずっと足掻いてんだよ。みたいなエッセンスがとてもエモーショナルで。
そして夜に移行する時間帯にもハマっていて鳥肌モノでしたね。。
さて、
長かったライブもいよいよ終盤へ。
MIYAさんに向井さん「「極道の女たち」って映画に出てましたよね?」と
急に振る、勿論MIYAさんは全力で否定してました笑
この日はMCも饒舌で面白かったなぁ。
更に
「すっげーションベン行きたいんだけど。」と告げ、
ベースとギターのみでセッションしとく様に指示
何故かノードラムで笑
松下さんが精一杯ハンドクラップしつつ
カシオマンとMIYAさんのいぶし銀のセッションを堪能しました
向井さんが帰って来て、
「いよ〜ぉ!」のみんなの和風の掛け声も印象的だった
「6本の狂ったハガネの振動」ハイカラなアレンジにも聴こえてそこも良かった
そして…
この日随一に心に残ったのが「Sabaku」。
向井さんのヒリヒリしたシリアスなギターフレーズからして息を呑む
からの、
人力のダンスビートの無条件の快感もかなり仕上がり良く最高だった
何より、
「心臓に刺さってる 赤くさびた釘を早くぬいて」の部分・・・
荒み切った哀愁がダイレクトに刺さって唸ってしまった。
心の中の、
剥き出しの孤独に触れてしまった
又はそれを引き摺り出された気がして完全に骨抜きにされました。
あの凍てつく様な雰囲気を考えるとこの日寒くて実はむしろ良かったのかも
それくらいあの曲はスゴかった…真髄というか、深淵というか。
多分、
ブログ始めた時の15年か16年くらい前も同じ野音でこの曲聴いて
そのセンチメンタリティに感動してた憶えがあるんだけど、
この日はそれが更に真に迫るものに感じられて、
表現力も真っ当に進化している、、、と
何だか嬉しくもなった
そんな一幕でございました。
こういうのがあるから、きっと生きてゆける。
横ノリのビート感が気持ち良く、
ステップしながら歌唱する向井さんも素敵だった「はあとぶれいく」
観客の盛り上がりに
「ありがてぇ!」と素直に発し、
「思ったより寒いねー」とこれまた素直に口にする
そして、
イントロから一体感の塊「らんど」をステージに叩き付ける
「ここは乱土」の部分で勝手に飛び跳ねるのが毎度超楽しいこの曲
バンド感もスゴくて、
向井さんの世界観ってよりも、
ZAZEN BOYSって生き物な感じがした。
MIYAさんが笑顔でベース掲げたり昔より個々の主張が強くてそれも素敵で。
本編最後は、「乱れ散って」の部分が正にお祭りのビートみたいで
オーディエンスの不思議な一体感を導き出していた、
「胸焼けうどんの作り方」でフィニッシュ。
正直、
今までよりも"トリの曲"感がUPしていて、
それもまた「らんど」の曲がライブで育ってるのを如実に感じて良い気分になれた
あと、捌けるときMIYAさんが笑顔で何度も手を振っていてそんな姿も可憐で素敵でしたね〜
なんだかんだ向井さんのバンドには紅一点が似合うのかもしれない。
アンコールは、
そんなMIYAさんのエモーショナルなベースプレイにもグッと来た「永遠少女」でした
そして、観客へのリアルダイレクトメッセージとも言える「探せ」の連発が、
最後に(リスナーへの)
後押しの様に響いていてとてもストーリー性の高いセトリにも思えましたね
どこからどう切っても素晴らしいとしか表現出来ない一夜でした
ありがとうございました!!!!
1.DANBIRA
2.Honnouji
3.安眠棒
4.八方美人
5.サンドペーパーざらざら
6.バラクーダ
7.電球
8.HENTAI TERMINATED
9.HARD LIQUOR
10.HIMITSU GIRL’S TOP SECRET
11.Weekend
12.天狗
13.YAKIIMO
14.ブルーサンダー
15.チャイコフスキーでよろしく
16.杉並の少年
17.ブッカツ帰りのハイスクールボーイ
18.破裂音の朝
19.(カシオマン×MIYA SESSION )
20.6本の狂ったハガネの振動
21.Sabaku
22.はあとぶれいく
23.らんど
24.胸焼けうどんの作り方
25.永遠少女

という訳で、
圧巻だったZAZEN BOYSの野音のレポでした
今の…最近のZAZENの個々の存在感の高さと、
それが生み出すTHEバンド感は本当サイコーだし大好きですね
イメージとしては向井さんの世界観を表現するバンドなのかもしれませんが、
ライブで観ると個々のすげぇメンバー達の本気のぶつかり合いであり、
集合体だな。と深く実感します
それと、
MIYAさんが加入してバンドにもたらしてるものも大きい気がします
時折何故かピースフルな雰囲気になる感じとか、それを受け入れてるメンバーもね。
まあ、
色々語ったけど、
つまりは今のZAZENは「すげェカッコいい!!」と。
尚且つそこはかとない温かさが素敵だと。
そう言いたい訳ですね。
改修前の野音では、
もしかしてこれが最後のZAZENだったかもしれない
そう考えると伝統あって尚且つ音響等大好きなここでこんなステージ観れたのは
幸福以外の何者でも無かったですね。またZAZENのライブ、行きますよ!