サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

一人にでも伝われば。/ゾンビランドサガ 第3話「DEAD OR LIVE SAGA」

2018-11-01 | ゾンビランドサガ
                               
                             アイキャッチも好き(笑)。











前々回、前回はノリと勢いでどうにかした節があったけど、
今回は真正面から「素人」という問題にぶつかってしまう運びとなった
そりゃそうだ、いつまでも飛び道具のままじゃ決してアイドルとは言えないでしょう
そしたら、踊りは踊れないわ、歌はまともに歌えないわと綻びだらけの現状で・・・
気合いだけで上手く行くのはほぼ最初だけでそれだけじゃ乗り切れない壁が早速メンバーを襲った訳なんですよね。






それでも、
紆余曲折あってグループ名も無事決まり(腐乱臭衆という漢字表記がまた皮肉が効いてて面白い笑)、
リーダーも決まって、みんながみんなそれぞれの役割をこなして一つにはなろうとしていた・・・のが
この回のみんなの相様だったと思います
理不尽に殴られたさくらには同情しつつもちょっと笑ったけど(笑
あれもまた、各々に見せ場を作りたい・・・っていう制作側の演出だったんでしょうね
みんなを実質的に繋げたさくら、リーダーの役割を買って出たサキ、グループ名のきっかけとなったたえちゃんに、
実質命名者のリリィ、気合を入れ直したゆうぎり、そして、最後に協力してくれた愛ちゃんと純子・・・。
さり気に個々を目立たせよう、とする意識が感じられるのがいいところです。






だけど、肝心のライブは上手くいかなかった。
歌は(わざとそういうテイクを録ったんでしょう)下手だったし、
踊りもぎこちなく、ミスも多発、
案の定ぶつかってしまうリリィに、
歌詞を忘れてしまうさくら、
そして通りすがりの観客には嘲笑されて・・・決して完璧とは言えない初ライブだった。

でも、正直素人の初ライブなんてあんなもんだと思います 
それを「恥」とか思う必要もないっていうか、
勿論本人ら的にはもっと上手くこなしたかったでしょうし、練習の成果ももっと出したかったでしょう
ただ、みんな最初は「下手」だったり「未熟」から始まるのが当たり前だしそうあるべきだとも思うから。
ちょっとずつ大きくなっていけばいいし、ああいう経験を積み重ねる事でどんどん成長していくものだとも感じます
むしろ、そういうある種の無様な姿を描く作劇にこの作品の本気と誠実な姿勢を垣間見ましたね
こういうステージがあるから、後の“結実”にも価値が出る・・・
そう、信じています。






ただ、この日演じたことのすべてが無駄ではありませんでした。
ただ一人、たった一人、立ち止まって真似してくれたお客さんが居たんです。
それは小さな子供、物心もついてない感じの子供だったんで、ステージに魅せられた・・・っていうよりは、
みんなが拳振り上げて動いてるのを観て純粋に真似したくなった、面白いと思った、、、という所でしょうね
だけど、本気でやってるから、楽しんでやってたから、“アイドルの楽しさ”の欠片は伝えられたと思う。
歌って、踊って、みんなを盛り上げて・・・
その片鱗を伝える事が出来た。。というだけでも「大成功」だったんじゃないかな、って思います
いつか、こういう原体験が「何か」に変わるかもしれないですしね。






でもこれってある種表現者の原点なのかもしれないですね。
最初は小さな一歩から始まるんです。
例え大勢の心は掴めずとも、
それでもただ一人、
ちゃんと「自分たち」が届いた一人がいる
表現は決して勝ち負けなんかじゃない
ただ一人にさえ届いていれば、“それ”は決して無駄でも空虚でもない・・・っていう
ある種根源的な歓びを描いていた話数だったんじゃないかな、、、と個人的には思いましたし、
頑張ったみんなへのささやかなご褒美として粋な演出だったなあ。と素直に感じましたね
その嬉しさと、
そして同時に存在する悔しさを胸に、
どんどんと成長していくフランシュシュへの想いを高ぶらせてくれるような3話目でした。

今抱えている愛ちゃんや純子の「葛藤」も、いつか新しい「希望」に変わればいいな、と。
前者は絶頂で亡くなってしまった事への未練、後者はぼっちだったからこその闇・・・があるんでしょうか
なんとなくの想像ですけど。最後の二人のカットも丁寧に描いていて個人的に好きでしたね。












最後に、
「ゲリラライブ」を英語で書こうとして書けなかった巽さんの描写が人間味に溢れてて良かったです・・・笑
こういうの大事だと思うんですよね。




まだ終わっちゃいない。/ゾンビランドサガ 第2話「I♡HIPHOP SAGA」

2018-10-31 | ゾンビランドサガ
                               
                            見事なヒップホップでした・・・笑
                     











さくらの言った「まだ終わっちゃいねえだろ!」ってセリフは刺さりました
確かに、まだ何も終わってないんですよね・・・
というのも、
実感として「全てが終わった。」という感覚があったとしても、
この身体は決して朽ち果ててはいない、前に歩ける足もあるし、喜びを感じる事の出来る心もある
そう、精神的な意味合いもあったと思うけど、本質的な意味合いで彼女は「まだ終わってない」って叫んだと思うんです

それは、「諦めない」とか「負けない」だとか、強迫観念のような思想ではなく、
まだこの身体は朽ちていない、まだ私は死んじゃいない・・・という這いつくばるような生き様そのものなんです
確かに、トラックに轢かれて死んだし、ピストルにも打たれて死んだ、そして、化け物のような姿になって
“誰にも愛されない”という厳しい現実も真夜中に直面して、それもある意味実感としての死ですよね
この手には何も残されて無いかもしれないし、
頑張っても全部が徒労に終わるかもしれない
だけど、
「まだ終わってない」。
それは絶望でもあるけど、希望そのものでもあります
あまりのノリの良さとエンタメ感に満ちたパワーのある演出に笑い、魅せられながらも
放たれているメッセージは堅実そのもの、誠実そのものなところに個人的にはグッと来ました
兎角、寸劇として物凄くレベルの高い話数に仕上がってたんじゃないか?って感じられた2話目でした。






まあただ、
彼女たちはあくまでゾンビ、
外に出たら化け物扱いだし、真っ当な一人の人間として見られる事も無い
「傍からの目」としては間違いなく“終わっている”存在だとは思います
まあ個人的にはゾンビでも普通に可愛いと思うけど、
冷静に見たらあの深夜の常夜灯に照らされた時みたいな状態なんでしょうね(笑






みんながみんな、
さくらのように「あの感覚」を求めている訳でもなく、
それぞれにそれぞれの思惑や行動理由があって足並みは決して揃わない
個人的には「たまごっちが気になる」っていうのが凄く人間味のある理由で良いよなあ、って思いつつ笑
誰もが誰もさくらみたいに曰く“従順な”娘ばかりでは決してなかったでしょう。

でも、さくらだってただ言いなりになっていた訳ではない
初めてのステージの上で感じた「あの感覚」、
ただそれを取り戻したかっただけ
確かめたかっただけ、
何より、
この凄惨な状況から逃げずに運命に立ち向かいたかっただけ、なんでしょうね
そう、理屈ではなく、本能で自分の「すべきこと」を肌で理解出来ていたって事なんです






そんな彼女の内に秘めた想いが爆発するステージのシーンはやっぱり何度見ても面白い!
正直な話、一つのドラマじみたエンタメとしてきっちりと成立してると思うんです
前回のステージはノリで強引に押し切った部分もありましたけど、
このヒップホップのステージは、
ゾンビアイドルというコンセプトの寸劇を魅せつつ、
最終的にはシルバー世代/老害扱いされてもむしろ「ここから」、まだまだ終わってない・・・!っていう
ある種観客をノセるアジテーション(扇動)のステージとして立派に成り立っている、と感じたんです
終わりを迎える世代、終活なんて言われてますけど、まだまだここからだろ!と言い切り、
マイクを叩き付けるさくら達のパフォーマンスを観てたら盛り上がるだろうし胸に来るだろうなあ。。と思うと
ある意味偶然噛み合った類のステージとはいえ、前回以上に成功の説得力が高くて満足出来た話数でもありました。

人間は時間が経ったり失敗を重ねると、
いつしか「出来ない理由」「頑張らない言い訳」を探すようになる
そうじゃない!という想いをメンバーにぶち撒けつつ、
それが観客にまで美しく伝染していく土壇場の演出力に惚れ惚れとしてしまった、
正に“神ってる”2話目に仕上がってると思います。是非、ここまでは観て欲しい!と期待しています。













それにしても、
巽さんの存在も面白いね(笑
基本イミフでコメディ的にガンガン笑わせてくれつつ、
でも裏には「何か」真摯な想いも眠ってそうな気がします。
何より、こういう楽しくて頼れる男キャラがいると物語に芯が出ますね。
個人的には影の功労者だと思います。




腐っても、叫べ!/ゾンビランドサガ 第1話「グッドモーニングSAGA」

2018-10-30 | ゾンビランドサガ
                               
                               何気に出てますね。










このアニメは主人公のさくらが突然死するところから始まります。
それがまず面白かったっていうのがあるんですけど・・・正直な話、
(自分なりの)希望や期待を抱いて生きているつもりでも、
気が付けば(心が)死んでいた、、、なんていうのは現実でも日常茶飯事だと思うんです
ぶっちゃけて言えばこれを観ている自分だって何の目的もないままダラダラ生きている屍のようなもんです
そういう・・・ある種のメタファーにも感じる事がメッセージ性の高い作品である。
という事が、冒頭から既に伝わって来るのが個人的には秀逸なポイントだったなあ、と。
自分が思い描いた素敵な日常
一歩踏み出す勇気、
それらがまるでゴミのように変化してただただ空回ってしまう、、、っていう。
まあ正直いきなり「上手く行かない」ところから始まるんですよね、凄く極端ですけど(笑






まあ、なんていうんでしょうね
このシーンもまたある種のメタファーっていうか、
健全に生きたい
思うように動きたい
自分なりに頑張りたい・・・って思ってても、なんかどっかで歯車が狂っちゃったり、
こういう風に思わぬ衝突があったりする訳じゃないですか?それは自分自身が起こすこともあるし、
逆に他人から起こされる事もあるし、、、要するにまんま“事故”ですよね
人間は正直全然強い生き物ではないし、
簡単に砕けて終わってしまう
さくらだって死ぬ

そう、つまりこのアニメは「終わってからの物語」「死んでからの物語」になっているんです。






何も見えない景色の中、
ずぶ濡れの雨の中で、
いつの間にか化け物になっていた自分と、
鏡に映る正真正銘のゾンビ顔・・・
正にこういうカット・演出がそのまんまさくらの置かれている状況を表している。と言えます
でも、腐っても元は人間、腐ったまんまじゃいられない、そこから立ち上がらなきゃ・・・!っていうのが、
個人的に今作「ゾンビランドサガ」のテーマであり、最も伝えたい事なんじゃないかなあ。。って感じますね。






ただ、そこは腐っても人間、
ここがどこなのかも分からないし(一応佐賀という設定は明かされてるが)、
自分が一体何者なのかも分からない、
何が出来るのかも分からない
まわりが何を考えているのかも分からない
そんな状況で無理難題を突き付けられ、正常にこなせるはずがない-

・・・だけど、他に何がしたい?何をする?っていうのも分からない
自分はゾンビで、人間じゃない(普通じゃない)、行く宛も無い、八方ふさがりの状況でもあった
だから、巽さんから言われた“佐賀でアイドルをやる”という???な命題に向き合わなければならなかった。

意識さえ覚束ない他のメンバー、高圧的なプロデューサー、そして自分一人で頑張らなきゃいけない、という苦行。







それでも、立った。
それでも、歌った。

先も見えないし、何をしたらいいかも分からない、
何が出来るのかも分からないし、上手く行くかも未知数な中で、
それでもさくらは、ステージに立って、覚束なくても失敗だらけでも最後までやり切った。
その結果、
自分でも想像してなかった「とある感覚」を思い出せた-

・・・っていう、荒唐無稽なようでいて、実はかなりストーリー性が高く、地に足の着いた物語のように思えて、
そこが個人的に凄く大好きですし、今の自分にもフィットしてくれる感覚で今観ても面白かったですね
やる前から拒否ったり無理だと言ったり理解出来なかったり自信がなかったとしても、
実際にやってみたら、やる前とは違う自分になれた・・・というのは、それもまた(ある種)現実に通じるものがあります

さくらが取り戻したのは、
純粋にアイドルになって立ちたかった「ステージへの想い」・・・。
死んでても、腐ってても、それでもバカみたいに愚直に気持ちを叫び続ける。
そんな明確なメッセージが伝わって来るとこが大好きな初回でした。
もう既に4話まで放送しちゃってますが、
根性で最新話まで感想UP頑張りたいと思います。押忍!


最後のさくらの「おはようございます!」が彼女の成長を物語ってるようで尚素敵でした。












ところで、
個人的に好きなヒロインは主人公のさくらです
巽さんに迫られて紅潮するシーン、
そして「何をしたんですか!?」と巽の“刺激”を問いただすシーンなんかがめっちゃ可愛くてニヤけてしまいました
何より、おっぱいが大きいのが良いですね(超笑顔)
走るシーンとかで乳揺れをしっかりと作画してるところにセンスを感じます・・・
ゾンビな彼女でも、メイクしてる生前状態の彼女でもどっちも好きです。。
それに、
死んでから這い上がる~という部分に自分を重ねてるトコもあるしね。ま、みんなある意味そうですけど。
でも彼女は主人公だからか特に自己投影し易い気がします。自分ももうちょっと活き活きと生きてみたい。
そんな風に思わせられる作品だと思います。推し。