サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【手前で掴み取れ】SHIROBAKO 第16話「ちゃぶだい返し」 感想

2015-01-30 | SHIROBAKO
この話数がどれだけ素晴らしかったのかは、このカット一つで物語れると思う。最高でした。








今週は正直目頭が熱くなってしまったというか、端的に書くと泣きそうになりました
それは何故かというと、棚ボタでもラッキーパンチでもない、自分以外の“誰か”が解決した訳でもない
井口さんが、彼女が自分の手で自分の足で掴み取った「結果」があまりにも美しくて尊かったから、です
自分を本当の意味で幸せに出来るのは決して他人ではない
自分が頑張ったからこそ、
自分で動いたからこそ
後々に達成感や栄光が待ってる「べき」で、それをストレートに描いてくれた作劇に至極真っ当だなあ、と感じる事が出来た・・・と同時に
井口さんがここまで到達するまでの“過程”をそれこそ2クール目の初回から描いてくれてたんで
感慨深さもひとしお、それも手伝って涙線に来てしまったのかもしれません。

みゃーもりがノせる技術を学んだ、とは言えキャラデザをやる事を“選んだ”のは他ならぬ井口さん自身でした
それは決していいことばかりじゃない、楽しいことばかりじゃなく、“選んだ”事に因る弊害も付きまとう結果になりました
でも、キャラデザをやる事を“選んだ”のは決して他人でも見知らぬ誰かでもなく井口さん自身です
嫌なら断る、他の人を推薦する選択肢もあったはずです
だからこそ、最後まで責任を果たそうと頑張った
誰のせいにするわけじゃなく、
誰も恨まず、
多少背負いこんでまで苦しんで足掻いて時には弱さを他人に見せてまで“必死に”頑張り抜いた

小笠原さんをはじめとするスタッフの方々が気にかけてくれたのも、一緒に悩んでくれたのも
彼女が傍目から見てあからさまだと思うくらいに悩み苦しみ「頑張ってた」からです
頑張らない人間に手助けしてくれる人などいません
井口さんが頑張ってたから得られた“助け”
それも駆使して井口さんが自分の手で自分の足で掴み取った「OK」という結果は本当に美しくて観ていてジーンときてしまいました
そんな感動も前述のように、井口さんが覚悟を“自分の意志で”決めて、動くありあ達を“観たい”と能動的な考えを持って
そしてしんどい時期にぶちあたっても投げ出さずに苦しみ抜いたからこそ・・・その様子をあまさず描いていたから「こそ」って気はしました
冒頭のベストスマイルを見せる井口さんの表情を観て目頭が不意に熱くなったと同時に
あの日多少不安な表情を見せながらも覚悟を決めた時と対比すると余計に胸に来ちゃうというか
本当に幾重にも撒いた「カタルシスの種」をきちんと咲かせてくれる作劇に感嘆の意を示さずにはいられないですね
あのカット、表情を観るだけでも「やってよかった・・・」って感情が直に伝わって来ますよね
言葉で、セリフで表わさずとも
カットがそのキャラの心情を総て物語ってくれた。
その意味では丁寧な脚本が素晴らしいだけでなく絵コンテも素晴らしいアニメだと自分的には断言しても良いアニメかなあ、と。
今週の感動のすべてがラストの井口スマイルに集約されてたけど、それもまた綿密な“過程”あってのこと。
ちゃんと自分の意志で決めて、
ちゃんと他人のせいにせずに真面目に頑張って
ちゃんと努力した人間がちゃんと報われる、そんなアニメに仕上がってると思うんです
だからこそ個人的に気持ち泣きそうになったというか、その美しさに涙線を揺さぶられたんだと思います
達成感や栄光は他人(ひと)が運んで来てくれるものじゃないし、それが来ないのを他人(ひと)のせいにしなちゃいけない
そんな棚ボタやラッキーパンチなんかよりも、手前の意志で手前の手足でふんばってその手に掴んだ“今”だからこそ美しく思える
そういう事実をまざまざと感じさせるエピソードで人間ドラマとしても仕事アニメとしても最高の出来だったかと
元々好きなキャラだったけど益々井口さんというキャラを好きになれた気がします。

繰り返すけど、井口さんは決して誰のせいにもせずに
動くありあ達を「早く観たい。凄く観たい!」と余計な愚痴よりも能動的に自分の未来を目指してたんですよね
そういう彼女の実は健気でいじらしい部分も含めて良いキャラだなあ、と。
その通りに、自分が決めた通りに井口さん自身の手でその過程を推し進めた作劇とその結実を示す笑顔に心から素敵だな。と思えた16話目でした
何度も書いてるけど、何度も書きます。 このアニメ、大好きです!





また、この話数が見事なのはさり気に「小笠原さんの成長」も暗に描いてた事なんです
かつては自信なさげで典型的なイエスマンだった、という小笠原さん
散々踊らされて散々振り回されて辿り着いたのは“ただただ疲弊した”という現実でした
だからこそ、思ってる事はちゃんと口に出そう
妥協ではなく交渉を目指そう、と
かつての自分のような泥沼にハマりつつあった井口さんをしっかりとサポートして井口さんが同じ涙を流さぬよう尽力してくれた、
ただただ上からの命令に従うだけじゃなく、作画監督だけが疲弊し神経をすり減らすような状況を回避する為に彼女もまた頑張ってくれた。
そこにはあの日のように疑問を感じても押し黙っているような小笠原さんの姿は影も形も見えなくて
きっちりと思ったこと、不満に感じてる事はしっかりと口にする凛々しい姿だけがあった
今回の顛末を生みだした要因は井口さんの懸命な頑張りに因る部分は大きいけど、
小笠原さんもまたかつて同じような苦難を味わった身として
ただ見守るんじゃなく、
きちんとアドバイスしてあげてきちんと訴えてあげて、先人としての頼もしさで井口さんの道を歩きやすくしてくれた
そんな小笠原さんのかつてと比べての“成長”が短い時間なのにも関わらずしっかりと伝わって来た濃密さもまた見所だったんじゃないかなあ、と
そう考えると過去の自信を持って作画に励む姿も今観るとちょっと感慨深くも感じるかもしれないですね。


ちなみに服でモチベーションや自信が高まるのは、あると思います
いつもよりもちょっと良い服来たりするとそれで少し気の持ちようも変わったりしますし
それが例え錯覚だったとしても、そういう勘違いが良い方向に作用する場合だって沢山ありますもんね
少なくともウジウジしながら自信なさげでやるよりはずうっと健全だと思います。そっちのがね。




本格野球アニメ「SHIROBAKO」(ちがう)


さて、今回は良い意味でけれん味が効いててコメディ的にも良好な回でした
女ゴスロリ甲子園とか面白かったんですけど(笑
そういう隙間があるのもいいですよね
それと要所要所で高梨とみゃーもりの立場が逆転してて早くも尻に敷かれている感覚があったのがいいなあ、と
みゃーもりもみゃーもりでいつまでも後ろ向きなポジションでもなく、ちゃんと彼女なりに成長していたり
先輩として道を指し示すカットもあったりとさり気に成長の跡が見えるのがいいですね
矢野エリカさんの教えはきっちりみゃーもりに根付いているようです

ミムジーとロロのコメディパートをちょくちょく入れる事によって必要以上に暗くしない方向性だったり
そんな中で全部が全部正しくなくても良い、時にはウソでも絵面や心情を優先させよう、という監督の意向を混ぜてたり
美術・背景で心情を伝える云々などアニメ製作アニメとして興味深い事柄がさり気に語られてるのもイイですね
それを意識して見るとまたアニメに対する印象も変わって来ますし、
良い意味で気付かされる部分の多い作品だと思います
また、ダンシング絵麻やゴスロリみゃーもりなど可愛さをフィーチャーしたシーンやカットが挿入されてたのも目の保養的には良かったかな、と(笑

最後のありあが「ようやく私を描いてくれたね!」と言わんばかりのキャラデザ画が動くけれん味溢れる演出もね、
実にこのアニメらしくて素敵だなあ・・・と思いましたし井口スマイルの後だからか余計に感動出来ました
最初は無理難題かと思われましたが、終わってみれば結局は怪我の功名、
一つのパターンを経験出来て、乗り越えられて、井口さん自身の技術向上にも繋がったかと思います
ピンチをチャンスに、成長に変えるっていうのはこういう事を差すんでしょうね。いやはや、奥深いアニメだと思います。





今作に於ける“問題発生”や“物事の決定”はすべてその後のカタルシスに直結しています
井口さんが作画監督を決めた時には後々かなりのレベルのカタルシスが待ってるだろうな、と率直に感じましたが
今週味わえたカタルシスははっきり言って予想以上のカタルシスでしたし
今後もまだまだめいっぱいのカタルシスを期待出来そうな予感がします

そういう風にきっちりとカタルシスに、それも期待以上のカタルシスに変わるからこそ
「SHIROBAKO」は真っ当に面白いんでしょうし、正しく受け入れられてるんじゃないかなあ、って思いますね
報われるべき人がしっかりと報われる。 そんな誠実な作風にまたも骨抜きにされ目頭を熱くした至高の話数に仕上がってましたね。
井口さんはまだまだこれからの人だとも思うので今後も彼女の頑張りには注目していきたいです。
今も昔も、心に純粋な気持ちを持ち続けている彼女の心意気に、拍手。
(余談ですが井口さんはきれいな衣装着せたらめっちゃ照れそうなところが最も可愛いと思います 笑)















上、修正前 下、修正後



こりゃまた絶妙に変わってますなあ
原作者の注文はアバウトでしたがそもそもこういうのって感覚的な部分に因るところが大きいからわがままも致し方ないのかも
ただ一つ言えるのは確実に修正後の下のが原作には近いとは思います 特に笑顔のカットはね。
固さが取れた感じもしますし、結果的に成長出来た感じがするのも良かったと思う。



【もっとアニメが好きになる!】SHIROBAKO 第15話「こんな絵でいいんですか?」 感想

2015-01-23 | SHIROBAKO
このカット一つだけでも二人のテンションとか心情の違いが分かるのが流石ですね。








いやあ、今週も“特濃”って感じの内容でめっちゃ面白かったですね
本当に些細な部分、視聴者があんまり気にしないであろう部分までこだわり抜いて作られている様
逆に言えば「そこに気付かないのはもったいないよね」って思えるくらい明確なアプローチが冴えてた話数で
尚且つ「気付けよ」って押し付けがましく展開するのではなく、ロロとミムジーを使ってあくまで「こういう流れなんです」っていう風に
ちょくちょく茶化しつつ進んでいった作劇が本当に素晴らしくて、水島監督が提唱していた説教くさくしないという方向性が抜群に決まっている回だったかなと
こんなに苦労してるんです、みたいな同情を誘う作劇でなく、こんなに面倒くさいことやってんだよね(笑)って自嘲気味に語ってるのが実にイイんですよね
それによって素直に「注目してみよう」とか「もっと気付きたい」なんて風に思える隙間の広さが特に心地良かったなあ、と。
「SHIROBAKO」は真に誠実なアニメだと個人的に思ってますが、そういう細かい配慮からも“誠実でありたい”って気持ちが十二分に伝わって来て
なんだか観終えた後のカタルシス、爽快感がかなり高い話数でもありました
勿論、“都合の良い事”ばかりではない事はあの引きが証明してましたけどね。それは後述するとして。

「SHIROBAKO」で自分が特に好きなのは、“頑張った人間が頑張った分だけきちんと報われる”誠実な作風な訳ですけど、
今回はそれプラス、アニメーションの進行の大体や監督の意志の及んでいる部分、どういう部分にどういう気持ちを込めているのか・・・などなど
今まで曖昧だったりそこまでは考えていなかった部分などアニメの観方、アニメの触れ方にまで影響するような内容になっていて
努力アニメ、仕事アニメという側面の他にも 「アニメがもっと面白くなるアニメ」としての側面が光っている
それが物凄く個人的にはプラスになりましたし、実際今回得た知識は役に立つと思うし、
また一個一個真剣に物を作っている皆の姿勢もまた「いいなあ」って思える温度があったりして
元々面白いアニメだと思ってますが、また一段と面白味がUPしたような、そういう内容だったとも思います
出来れば少しでもアニメを好きな方、或いは何かに気付きたい方には是非触れて観て欲しいな・・・とか考えつつ
その中で今後複線になっていく(だろう)要素も多々感じられて、その意味でもすっごくワクワク出来る回だったと思います
具体的に書くと矢野さんのみゃーもりに託した信頼だとか、佐藤さんと安藤さんの反応の違いとか、井口さんもまだまだ苦労するだろうし
原作の進捗状況だってこれから益々深く関わって来る事うけあい、それにそれぞれの実態を細かく紹介したからこそ後々のカタルシスにも繋がるでしょうし
相変わらずこちらがワクワクする種を撒くのが上手いアニメだな~と感心してしまいました。
先週の引きだってあの担当編集の伏線が早速効いて来た事を考えると後々また作用して来るんでしょうね。





そういえば、受かったのはやっぱり美辞麗句、中身があるようで実はお決まりの言葉を並べてるだけの中身のない受け答えをした人でなく
しっかりと自分の目的、理由、熱意を持ってそれをアピール出来た佐藤(メガネの方)さんと安藤さんでしたね
まあ、こればっかりは、しょうがないっちゃあしょうがないんですけど
やっぱ実際に「どういう事がしたい」とか「ここに就く理由がある」とか
そういう明確なビジョンが面接の段階で既に必要になってくるんですよねえ
面接で何が分かるんだ~とはよく言うものの、ただ「何をしたいか」「どういう背景があるのか」は最低限自分が伝えられる情報ではある
りーちゃんのバイト手伝いの件もそうですけど、割と自然にこうなってます、って感じがあるのもいいなあ。って思います

そんな安藤つばきさんは正直めちゃくちゃ可愛くて
知識も豊富だし、普段からアニメ観まくってるんだろうな、ってのがストレートに伝わって来るキャラ造詣でした
とにかくアニメに関われるのが楽しくて仕方がない、好きな作品の話を出来るのが嬉しくて仕方ないってタイプ
逆に佐藤さんの方はその辺は安藤さんと比べると結構無知で、そこまでアニメが好きって感じは伝わってこない
ご多分に安藤さんはみゃーもりに近いタイプ、みゃーもりの純粋さを更に強化したようなキャラだと思っているんですが
佐藤さんには「アニメに関われるだけで嬉しい」みたいな気持は多分ないですよね
その辺がどう作用していくのか、
この対比が後々どのような展開をもたらすのか、、、に期待、ですね
余談ですが安藤さんの笑顔いっぱいな表情やウキウキしちゃってる仕草がめっちゃ可愛くて早くも大好きになっちゃってますね(笑
でも、佐藤さんにもアニメを、アニメ作りを好きになってもらいたいな・・・って気持ちもありつつ
この新人二人の行方にも是非注目していきたいです。頑張れっ!





もう一人、この方は多分元々いて最近頭角を現して来たタイプの方だと思いますけど久乃木さんでございます
これまた挙動不審が目立ついかにもコミュニケーション障害を患ってそうな一癖ある方ですけど(笑
でもこういう、まともにコミュニケーションが取りづらい人昔の職場で居たなあ・・・って
ふと思い出したりしました
・声が小さい
・分かってるのか分かってないのかが分かりにくい
・でも仕事はきっちりこなしてるから扱い辛い
正に!って感じですが(笑)
その挙動不審っぷりがむしろ可愛くデフォルメされてて実に良かったです
あの絵麻が支える立場とはねえ。むしろ絵麻こそ不安が表情に出るような子だったのに
そういう部分でも成長を感じつつ、彼女(久乃木さん)がどういう風に頑張ってどういう風に報われるか、にも期待ですね
こんな風に「こういうタイプの人、いるよね」って徐々に並べて来てるのも仕事アニメっぽくていいかな、と。





そんで、今回一番単純に「いいな」って思った事を書くと
原作モノのアニメで、その原作に関してスタッフが「面白いよね」とかシーンに熱くなってる風景があって
これもまた水面下のメッセージっちゅうか、本当に原作をスタッフ自身が好きで大切にしてくれてる様が伝わって来て
それがすっごく素敵に映ったというか、これぞ原作付きアニメ制作のあるべき姿だよなあ・・・って
しみじみ思ってしまいました
やっぱり、何だかんだ言って原作愛のある作品のが“強い”ですよね
画面から伝わって来る愛情も情報も。舞茸さんが最新号の三女を面白いと述べてる様も
監督や安藤さんが三女のいち押しのシーンを楽しそうに語ってる様もすこぶる心地良くて
所謂良作と呼べる類の原作付きアニメ(売り上げ云々の話でなく)はこういう部分から育って行くんじゃないかなあ・・・と
そんな事実もさり気に描いてたようだったのが個人的に「いいな」って感じた事柄の一つでありました

勿論、「好き」だけでやっていけるほど甘くもなく
前述のように強烈な引きがご用意、原作者のリテイクが入ってしまい
このまま順風満帆とは決して行かない模様です
ただ、みゃーもりも、監督も、舞茸さんも、井口さんも、佐藤さん安藤さんも、高梨も、ナベPも
こういう危機を乗り越えて色々ぶつかって、だからこそ得られる達成感は必ずあるはず
そこを目指して、
そこに辿り着くように頑張って
この先もギリギリながらも報われて欲しいな、と願ってます
原作者との絡みもきっとあるでしょうし、その点もまた楽しみですね
まだまだ三女の船出はこれから。武蔵野アニメーションの“本当の意味での復権”の為にも気持ち的に応援しつつ観て行きたいですね。
みゃーもりも、矢野さんからのバトンはしっかり受け取った。それを矢野さんに示せたら、きっとまた新たな境地に至るかと思います。
先輩から後輩へ、そして今度はみゃーもりが先輩となって後輩へ。尽きないワクワクと共にこれからが素直に楽しみ!大好きですね。















にしても声優陣も本当に頑張ってますね
メイン5人は安定してるし安藤さん佐藤さんも良い声してるわ
監督とりーちゃん(今井みどり)が絡んでる所のりーちゃんの「はあぁぁい!」って声がたまんなかったです(笑
みゃーもりは高梨相手には色々イジられてるのに監督相手だと逆にSっ気を発したり何気に面白いキャラしてますよね
1クール目のキャラもすっかり馴染んでいてコメディ的にも良い具合の作品になっているかと思います。
もうすぐBDの2巻も出るのでそれもまた要チェック、ですね。

「女子高ドリーム」のやりとりやトラウマ脱却の木下監督の描写も楽しかったです。
美沙も三女に関わって来る事ほぼ確実ですし、ずかちゃんも傍役でいいから関われないかな?




矢野エリカさんは背が小さくて金髪ツインテって外見なのにも関わらず喋り方、仕草から「大人の女性」感が出てるのがイイですね。思考停止じゃないですね。
そんなエリカさんは元気そうでとても良かった。
今週は好みなカット満載で絞り切るのが大変でした。


【答えを出す為に】SHIROBAKO 第14話「仁義なきオーディション会議!」 感想

2015-01-16 | SHIROBAKO
「紙前未槻」って・・・(笑)。











まあ、100%満足してたら自己表現なんて続けないですよね
こっちは仕事じゃないのでアレですが自分も自分の文章に100%満足した事なんて一度たりともありません
「納得」と「満足」は別モノですからね。頭の中に浮かんでるイメージ、感情を具現化する事に於いて、他細かい諸々等
正直他人と比べようが比べまいがやっぱりどうしても足りない部分が際立ってしまって精進したくなってしまう
それはストイックなどではなく単にわがままっていうか、気にしいっていうか、
一言で書くと良くも悪くもナイーブなんでしょうね(笑
自分は単に日常の一部としてやってるだけですけど、彼は本業なのにも関わらずこだわりを持って相手を選んで仕事している
そのスタイルの是非はあれど、立派な求道者であり彼なりの美意識を持って仕事に取り組めている一つの理想のモデルなんだろうなあ、と。

「完璧じゃなくても良い」とは言うものの、
初めっから諦めてダラダラ過ごした上での「完璧じゃない」と
自分なりに頑張って出来る事を必死でやろうとした上での「完璧じゃない」は全く違いますよね
完璧じゃなくても良いと思う、だけど、「完璧であろうとする心」がなくなったらどんどん妥協していくだけだなあ、と
そういう意味でも自分にわがままだったり気にしいなのは案外悪い事でもないのかもしれないですね。
彼の仕事が三女にもたらす影響等も含めて今後の展開が楽しみです。





だけど、それとは裏腹に正に「監督はつらいよ」状態に陥ってたのが木下監督でした
仁義なき声優オーディション、うん、想像以上に仁義なかったですね(笑
ただ、彼らが監督にとって“敵”かと言えばそうじゃないですよね
出資者、つまりは基本的にはパートナー
ごり押し、売り込みと聞けば、聞こえは悪いですが彼は彼らでちゃんとした目的があり全部の意見が一理ない訳でもなかったんですよね
だからこそ難しいし、その一方で彼らを単純な“敵”として描かず彼らは彼らで出資したからには自分の意見も取り入れて欲しい
または自分とこの所属タレントを売り込みたいというある意味物凄く切実、もっと言えば必死な様が実に生々しかったなあと(笑
一応水島監督作品らしくコミカルに描いてはいましたけど、でもあれはあれでリアルをベースにコミカルさを味付けしたものだったりするんでしょう
だからアニメ制作は根が必要だし、監督って立場は人をネガティブや神経質にさせるくらい苦労するものなんだろうなあ、と(笑

しかし、そんな生々しい現場を切り売りしただけの作劇にはなっておらず
作中で音響監督さんが明確な答えを出されていました
「私たちが育てればいい」
経験の少ない新人~という短所を散々指摘された上での発言でしたが、妙に腑に落ちる発言でしたね
元々の素材が評価されたのであれば、自分たちがその場その場で指摘して周りに安心出来るベテラン声優を置いて
根気強く育てればいい、ただそれだけの話。っていうような“潔さ”が素敵で周りを黙らせるだけの力があったと思います
考えてみりゃ人気声優用意して、とか、歌上手い子を、って有り体なチョイスこそ先週よろしく“思考停止”なのかもしれません
所謂感情論やきれいごと以外の理論を駆使して納得させるに至った一連の流れは惚れ惚れするようなカタルシスがありましたね
今の情報化社会という現状に自覚的で良い意味で慎重な音響監督さんは音響監督さんでまた立派だったと思います
また一つ、今後に於けるカタルシスの卵が出て来たかな、と個人的には。

ただまあ、キャラソンとかイベントだとか今や本当に多角的にキャスティングを考えなければいけない時代である、という
「アニメーションの今」の一部が端的に描かれていた内容にもなってましたね
それが勿論“すべて”ではないですけど、
単に演技が上手い下手/声質が合う合わないだけでは済まされない現状が描かれてたのがとても面白く
でもいちから育てていくのも我々の仕事だよ、と言わんばかりの水面下のメッセージも効いてて二重に楽しい回だったと思います
まあ勿論「みんな大変なんだなあ」って事実もしみじみと感じざるを得ませんでしたけどね(笑
エンタメとして仕上げつつもしっかりと「SHIROBAKO」らしい(誠実であるということ)着地点に落として来たのが見事だったかな、と。

ちなみに棒云々に関して言えば「純粋な感じ」という主張も分からなくもないです
個人的に「ゼーガペイン」の花澤さんの演技当時から凄い好きでしたもん(笑)。
あれはあれで素朴な役どころに似合ってて普通に観てたんですけどね。
その辺は人によるんでしょうけど。





そんな中でみゃーもりのツテからりーちゃん(今井みどり)がお手伝いとして武蔵ニで働く事に(!)
これは今までのりーちゃんの努力が報われたと同時に、貴重な業界への足がかりとなった訳ですから素直に嬉しかったです
それは脚本という形ではないけれど、先週までの焦燥感と比べたら間違いなく良い傾向なのは確かで
また珍しく緊張気味のりーちゃんが可愛かったり(笑
真面目な姿勢も伝わって来たりと、
逐一好印象、
先輩であるみゃーもりが彼女を紹介するシーンの数々は第1話からすると遂にここまで来たんだなあ・・・という感じでちょっと感慨深かったです
まだまだ本懐を果たせるまでには時間が掛るでしょうけど、彼女らしく頑張って欲しいものですね

なんて思ってる一方で中々結果が出ないずかちゃん、
りーちゃん、みーちゃんが好調な中あちらが立てばこちらが立たず
みんながみんな上手くいくわけじゃない・・・のはとても生々しかったですが
また「第2候補で落とされた」っていうのが更に生々しくて印象深かったです
確かに前進はしているけれど、
でもみんなと同じペースで歩む事は出来ない

ただ、それでもいいんじゃないかと思います
誰もが誰も早足で歩けるワケじゃない
早く歩くだけがすべてじゃない。
事実、監督の印象には残れた訳ですし
これはアニメだからその事実が明るみに出ますが現実だってもしかしたら“あと一歩”って事象が起こってるかもしれない
それを信じるか信じないかは個人の自由ですけど、ただ歩みを止めない限り道は続くのもまた事実であります
目の前の結果「だけ」に執心しない事こそ重要だと思いますから報われる事を信じて頑張って欲しいですね
ある意味ずかちゃんの“あの姿勢”こそ若人(わこうど)に伝えたいメッセージなのかもしれません。
そんなずかちゃんが報われる瞬間もまたファンは皆楽しみにしてると思うので、是非。
















今回、みゃーもりは平穏と言えば平穏でしたが
高梨とはまた別の意味で厄介な同僚が入って来たり
スタジオタイタニック(なんか不穏な名前ですねー 笑)の人も一筋縄では行かなそうな性格をしてたり
益々波乱万丈な展開になりそうでワクワクしています。エンタメでありながら、確かなドキュメントでもある。
それが「SHIROBAKO」の本質なんだと深く感じ取れた次第であります。「結果至上主義」に対するアンサーも出そうでその点にも期待、ですね。

ちなみに冒頭の画像関連で新OPの絵コンテは「妹ちょ。」監督の畑博之さんだったりします
青空を駆使したカット、物語性の演出なんかは「妹ちょ。」にも通じる部分があってその辺もまた個人的に楽しんでいます
「空のリゾット」は「天体(そら)のメソッド」のパロでしょうけど自分の好きな作品のスタッフが重なってるのってなんかイイなっていうか
それもまた偶然ではないんだろうな、って気はしてます。



【等身大の成長に】SHIROBAKO 第13話「好きな雲って何ですか?」 感想

2015-01-09 | SHIROBAKO
新年一発目の顔芸(笑)。










個人的に「SHIROBAKO」を観てていいな、って思うのは誰もが“自力”で頑張ってる、成長しているところですね
勿論アニメは一人じゃ作れないし、みんなの意志だったりエネルギーの集合体な訳ですけど
そうやって誰かと力を合わせつつも最終的な成長や結果は自らの手で掴み取る(若しくは掴み取ろうとしている)、
みゃーもりも井口さんもりーちゃん(今井みどり)も自分の意志でやる事を決めて
自分の足で一歩一歩進んでいるからこそ、
観ていてグッと来てしまう、
胸が熱くなってしまう節があるのかな・・・って思いました。要はどのキャラも基本的に能動的だから観てて気持ちが良いんですよね。
以前と比べるとみゃーもりの“成長”も結構分かりやすい形で提示されてましたが、それだって才能じゃなくて偶然でもなくて
みゃーもりが体当たりで色々な失敗を「獲得出来た」からこそ有り得てる現実だったりもするんです
事実菅野さんから学んだ事をきっちり活かせてる作劇を観ていて、
本当に誠実な作風だなあ、というか
説得力を以って展開されている成長譚に観終えてから目頭が熱くなってしまったくらいです
みゃーもりも、井口さんも、そしてりーちゃんもこれから益々成長するだろうし苦労もするだろうけど
ここまで誠実で一歩一歩段階を踏んで成長していく作風を描いてくれてるこのアニメならきっと報われるでしょうし
そんな時がいつか来てもそれはラッキーでも棚ボタでもなく絶対に自身の経験や積み重ねだと彼女ら自身も思えるでしょうね、と
来たるべきそんな時を想像して二マニマ出来るような、そういう話数にもなっていたかなと個人的に感じられました。

多分みゃーもりがこのタイミングでデスクに任命されたのは本田さんがどう、とかそういう訳でなく
みゃーもり自身の成長だったり経験等も考慮して彼女に任せることに決めたんだと思います
後はきっと、矢野エリカさんだと父親の事もあるからとっても不安定ですし
その前に看病の為実家に出戻る事すら考えられますよね
となると高梨とみゃーもりの二択になるんですが、
高梨は決して仕事が出来ない訳じゃなく何だかんだ決められた回はこなしてきている
ただそれでもたかだか1ヶ月の差異ですし何よりみゃーもりのがずっと人当たりが良いですから(笑
“みんなからの信頼”という意味合いでもみゃーもりだったんでしょうし、別の見方をすれば1ヶ月早い分高梨を新人育成に当てたかった、とも考えられる
つまりは様々な条件が重なってみゃーもりに白羽の矢が当てられたって話でそこもまた生々しくて好みだったりするんですよね
きちんと伏線が利いてるなというか、カタルシス的にもここでもう一歩みゃーもりが成長出来たら物凄いものがあると思いますしね。

これからみゃーもりは様々な困難にぶち当たるでしょうし、正直このまますんなり上手く行くとは思えない
今回だってナベPの伝言を忘れて仕事を進めてしまうというめちゃくちゃ有りがちな(笑 ポカやっちゃってましたし、
その中で壁にぶつかったり泣きたい気持ちになる事もきっとあるでしょうけど
それでもここまでで既に貴重な経験をいっぱい味わってますから
それらをきっちりと活かして、
みゃーもりなりに応用してアレンジして
本田さんとはまた違う真っ直ぐで純朴なデスクとして自らの足で歩き回って
その末にまた新しい“何か”を掴んでくれたら・・・と考えると
それだけでめっちゃワクワクしますし
ファン冥利に尽きますし、
是非そんなシーンが観たいと本気で思う
そんな風に期待を強く抱かせる話数であったと同時に新しい環境に至ったドキドキ感、面白さにも十二分に満ちていて
2クール目の滑り出しとしては盤石、どころか期待を越えて来た感覚なんかもあったりして素晴らしかったなあ、と素直に思いました
まだまだ「カタルシス」も「成長」も「壁」も「和解」も全然尽きてなさそうで本当にこれからの話数が楽しみです。
2クール目も最高の景色と俺個人的に大好物の“段階を経て進んでいく”様が拝めたら良いな、と願いつつ。
みゃーもりの“確かな成長”もまた頼もしかった13話目でした。大好きです!




井口さんは常に普段着っぽいキャラって印象がありましたが、
意外と当初は困惑されてましたね
タフそうに見えても実は繊細だったりするのかなあ
でも、そんな井口さんの不安な心をみゃーもりが盛り立てて、ただ根拠なく励ますんじゃなくて
きっちり彼女の原画の特徴やストロングポイントを話した上でノせてた光景はホントグッと来ましたね
デスクとして大切な事の中にはそれぞれの利点や性質を把握する、「誰でも良い」って考えじゃダメってのも(恐らく)あるはずですから
その点きっちり「井口さん個人」をしっかり把握出来てるなと思いましたし、目に見えるみゃーもりの“成長”が感じられてジーンと来たワンシーンでした
ただ、前述したように最終的にこのタイミングで「やる」って自分の意志で決めたのは他ならぬ井口さんです
彼女もまたいつまでも小笠原さんに頼らず“自力で”成長する覚悟を決めた人物の一人
その意志と覚悟が報われる様・・・という意味合いでも今後も注目ですね
井口さんは中堅クラスだと思いますけど、
だからこそ描ける“成長”もあると思いますから。

また、今度は途中でこんがらがらないように最初っから「やりたいこと」「イメージ」を促すみゃーもりの姿も逞しくて良かったです(笑
そんな中で木下監督が語ってましたが「褒められたい」って確かに重要だし軽視すべき感情じゃないと思いますよ。
自分が頑張った分だけ、努力した分だけ褒められたい、認めてもらいたいってのは普遍的な感情だと思いますし
時には欲望が強いパワーや意志となってそれが結果的に“誰か”を動かすことだってあります
何より良い仕事をしたら褒められたいって気持ちに間違いは一切ないですし
変に謙遜に執着するよりもよっぽど“健全”だと思ってます
人が何を以って精を出すかなんて他人に決めてもらうものでも定めてもらうものでも全然ない。
ちゃんと良い仕事をして、一生懸命頑張って、その上で褒められたい、認められたい。木下監督は何一つ間違ってないと俺は思います。

そんな監督と衝突した?美術担当の方がいましたが彼の言ってる事もまた間違ってないですよね
有り体な表現を求められること、個人的に大好きなTHE NOVEMBERSの小林祐介の言葉を借りるならば
「“これまでがこうだったから、これからもこう”という理由になり得ない理由が万延してる。」って事ですよね
普通こうだから、とか、みんなこうだから、っていうのは確かに思考停止だし考えてみれば理由になってないんですよ
彼が小難しいんじゃなくてある意味当たり前の欲求を監督に突き付けてると思ったワケ
そういう各々の意見を尊重しつつ“三女”を作っていく必要性がある・・・って事で
これからはそういった対話が必要不可欠になっていくんだと思います
にしてもこういうふとしたパートに問い掛けや主張を紛れ込ませるあたり本当にこのアニメは侮れませんね(笑
これまでがこう、だったらこれからもこう。ではなく、一歩一歩新しい表現へ。その辺も描かれていくのかと思うととても楽しみですね。




このりーちゃんのカット、ただ可愛いだけじゃなく色気もあって実に最高ですね
りーちゃんはりーちゃんで自分ひとりだけ自分の力で暮らしてない、金を稼いでいない
つまりは“自立してない”事に劣等感を抱いているのかもしれません
だから、少しでも自分がアニメ制作に参加している実感が欲しかったんじゃないかなあ・・・なんてふと感じてしまいました
そんな彼女が焦燥感に飲み込まれず色々な経験を味わった上で“何か”を掴み取って欲しいな、とも思いつつ
いつも明るく振舞ってるけど内心は不安で、でもだからこそ熱心な勉強家具合が際立ってる娘なんだなあとりーちゃんの事を更に理解出来た気もする

もう一つ、このパートでちょっと思ったのは今回新しく制作している「第三飛行少女隊」略して「三女」には
ずかちゃんもオーディションで参加するしりーちゃんも(結果的に)協力してるし、みゃーもりも絵麻も参加している
美沙だけ未知数ですが今後の展開によっちゃもしかしたら参加するかもしれない(もしかしたら車で?)
そしたらある意味高校時代の面子の“血”が勢ぞろいする可能性もある訳で・・・
そこもまた注目、ですね

そう、今回の新作は「原作モノ」なんですよね
だから木下監督と舞茸さんとのやりとりには原作モノ「ならでは」のキーワードや打ち合わせ模様が滲んでてそこもまた面白かったです
木下監督は作業は遅めだし拘りすぎな部分はあるけれど、実は物凄く明確なビジョンを持ってる人でもあるんだなって今回感じました
特に〆をどうするか語っていたパートに木下監督ならではの強いビジョンと誠実さが出ていたと思う
一応フィクションはフィクションですけど、ああいう生っぽい会話劇はノンフィクション“っぽさ”を演出出来てて素敵だなあ、と
まあでも木下監督の意向が絶対!って訳じゃなくあくまで舞茸さんが出してた数ある選択肢の中の一つに過ぎないんでしょうね
それを説明的ではなく自然に展開出来てたのもまた今回の良いポイントだったかなあって思いました。
いずれにせよ、オリジナルも原作も良い作品に仕上げられるのは実力派の証拠なんで是非監督の想いもまた結実したらいいな、なんて思ってます
ま、一筋縄じゃ行かないでしょうけどね(笑
頑張れっ!
















にしても2クール目で大分キャラが馴染んで来た所為か会話がより面白く感じられるようになってます
高梨の安定のボケっぷりとか木下監督のイジられっぷりとか最早板について来て「またやってるよ 笑」って温度で観れるのは大きいですね
この辺も2クールにした事による利点だよなあ、と じっくりと成長を描けるって事だけじゃなく、ね。
みゃーもりも木下監督も“好き”に真っ直ぐという点ではとても似ているし、さり気に良いコンビなんじゃないかと
(みゃーもりは素直に三女の原作で泣いて、監督は素直に好きなセリフを熱く語ってたのが象徴的)
後輩も近々入って来るでしょうし、そんな折にみゃーもりや高梨がどう振舞ってどう教えていくのかも期待!ですね
コメディもメッセージもキャラの水面下の感情もそして確かな成長も楽しめた見所満載の13話目でした。BDもきっちり売れたようで何よりです。

あとOPEDも一新されましたね
OPは高校の時の絵面からいつの間にか社会人になってるカットが好きで(時の早さと道のりを示唆してるよう)
EDはねるねるな~ってリフレインが耳から離れなくていい感じですね 笑
そんな訳で2クール目も精一杯応援していくつもりです!!




俺のも・・・



【学ぶということ】SHIROBAKO 第12話「えくそだす・クリスマス」 感想

2014-12-27 | SHIROBAKO
なんだかんだで仲良いなあ(笑)。











松岡修造の格言に「失敗したらガッツポーズ」というものがあります
要は失敗したからこそ学べたし、知る事が出来た。むしろ失敗は成長する為の糧なんだと
みゃーもりもまた“切羽詰まったから手当たり次第に頼み込む”という明らかな失敗を犯していました
とはいえ、俺自身「そうするしかないよなあ」って感じで先週は観ていたのでみゃーもりの事を責める事は出来ませんがね

ただ、大物アニメーター菅野さん(っていうか庵野さんですよねまんま 笑 声までめちゃくちゃ似せやがってからに!)がそれを正してくれました
適材適所、ただ闇雲に頼み込むのではなく、きちんとアニメーターの質や得意分野を把握して頼む方がスムーズに進行するし自分も助かる
手当たり次第にチラシをばらまくよりもちゃんと反応してくれる人を見極めて配った方が効率が良いように
制作進行もまたそういう知識や選択能力が問われるお仕事なんでしょうね

でも、今回みゃーもりが「失敗」した事できちんと「学べた」はずなのも確かです
現に菅野さんの話をしっかり聞いて、周りの反応が良くなくても「杉江さんにお願いしましょう」と意見を押し切る事が出来た
そんなみゃーもりの“確かな成長”もまた「えくそだすっ!」完成に間違いなく作用してたと思うので
やっぱりこの作品はきちんと段階を踏んで一歩一歩キャラの成長や報われるシーンを描いてくれる
俺の大好きな誠実な作風たり得てるなあ・・・と感動してしまったのでした

みゃーもりが“失敗出来た”のはみゃーもり自身がまだ新人ながらも必死に声と足を使って“行動した”からなんですよね
絶対にこれは偶然なんかじゃない、みゃーもりが能動的だったからこそ得る事の出来た「失敗」なのは疑いようもなく
逆に言えば積極性がなけりゃ成長など出来ない、って事を暗に示してるかのようでした
それはアニメ制作云々だけの話ではなく
どんな場所でもそうです
自身から積極的に動かなければ壁にぶつかる事もそこから学ぶという事もずっと出来ないままです
それを直接的に説教じみた形で表現するのではなく、間接的に視聴者に伝わるように仕向けた作劇は流石ですね。
アニメ業界の今が分かるだけじゃない、可愛くて素敵なキャラが頑張ってるのも魅力だけど、こういう深みがあるアニメだとも感じるのです
みゃーもりはみゃーもりらしく、みゃーもりのままで、“報われる現実”をみゃーもり自身の行動で勝ち取った
その末の彼女の涙だったからこそ視聴者としても泣きそうな気持になってしまったんでしょう
決して棚ボタじゃない
人から享受してもらった「だけ」じゃない
きちんと能動的に積極性を保っていたからこそ掴み取った“結果”
このアニメを観続けて来て良かった、ファンになって良かった、そう確かに感じる事が出来た話数に仕上がっていました
改めて、みゃーもり、絵麻、そして武蔵野アニメーションの皆さん完成おめでとう。って言いたくなりましたね。おめでとう。




みゃーもりが素敵なのはその積極性や真っ直ぐな部分だけじゃなく
きちんと人の云う事を素直に聞いて実践出来る「素直さ」にもあると思います
普通菅野さん(庵野さん)ほどの人に会ったら嘘でも全話観ました、とか大好きです、とかその場しのぎのご機嫌取りをしちゃいそうなものですけど
みゃーもりは本当に素直にありのままをパッと話しましたからね
そういう取り繕わない部分
傍目から見ていても明らかに素直な部分が際立っていたからこそ
菅野さんもそんなみゃーもりにアドバイスをしてくれたんだと思います
よしんばそうじゃなかったとしても、みゃーもりが素直だったからこそそのアドバイスを受け入れる事が出来たのも事実
それに加えて「チャッキー」の原画マンだったという情報も後押ししたのも事実でしょうけどね
でもそういう風に素直に他人の話を聞いて成長出来る人材は貴重なんじゃないかと
みゃーもりは、“みゃーもりが好きなもの”に関してはとことん疑いがない
本当に純粋に好きを貫いてる姿勢が素敵だなあ、と思います
こんな風に何かを素直に愛してる人間でありたいなと。
個人的に大好きでめちゃくちゃ感情移入出来るヒロインですね、みゃーもりは。ホント観てて清々しい気持ちになります。
それと同時にみゃーもりなりのペーソス「も」表現されてるからこそ余計に感情移入出来る要因になってるんでしょうね。
新人ながら、ここまでよく頑張ったと思います。意志の強さが伝わるカットの数々も今週特にグッと来ましたね。




杉江さんは大ベテラン、故に絵柄が古い。という理由で最新の美少女アニメからはお呼びが掛ってなかった状態だった
だけど、昔から動物を描くのが上手く、また作業スピードも速いという今の状況にはうってつけの人材でもありました
ただ、悲しいかな一度出来てしまった流れは誰かが壊さないと元には戻らない
それを確かな意志の元で壊してくれたみゃーもりの存在は
やっぱり杉江さんにとっても嬉しかっただろうし、
また杉江さんも“成長”を遂げる事が出来たんでしょうね
今のアニメとは合わないから~って理由で今の状態を半ば受け入れてた杉江さん
だけど、経験の分だけ知識も技量も豊富で「教えられること」がたっぷりある杉江さんの存在は
今の若手にとってもいい刺激になるし、ここでもまた“学ぶこと”が沢山あったんですよね
そういう先人に対するリスペクトの気持ちだったり、
素直に“学ぼう”とする若手の姿勢
そういうものにも気持ち良くさせてもらったなあ・・・と思いつつ、未だ衰えてなんかいない杉江さんの厳しい眼差しにも確かな面白さを感じたのでした

そんな風に、誰もが頑張って誰もが苦労して、誰もが自身と向き合ってその末に完成したのが「えくそだすっ!」なんです
それは別に自分がこうやって書かなくてもきっとここまでこのアニメを楽しんで来た視聴者なら分かるはず
だからこそ本田さんも目を潤ませて、監督も完成した最終話を観ながら涙して
誰もが同じ感動と達成感を共有出来たんでしょうね
その“過程”があったからこそ、
自分にもその「嬉しさ」が伝わった
素直に感動出来る隙間があったんじゃないかな、、、って今は思います
気が付けば今まで出て来たメンバーの中で尽力してない奴は全然いないですもんね
そんなみんなの想いの結晶こそ「えくそだすっ!」でありだからこそ完成報告の瞬間がとても美しく感じられたのでしょうね
紆余曲折ありながらも、それぞれが考えて選んで足掻きながら作った「ドラマ」が確かにこのアニメにはありました。
まだまだ何もかもが報われた訳じゃないけれど、この“達成感”はきっとみゃーもりにとっても大きいはず。
それが今後の経験に活きて来る事を願いつつ、1クール目ラストの回は最高でしたと締めさせて頂きます。

あと、クリスマス回がクリスマス当日ってのも出来過ぎですよね(笑)。
堅実に誰もが成長していく様を描いている良いアニメだと思います。
2クール目も非常に楽しみですね!














ところで、ナベPと本田さん&監督が言い合うシーンは現場の熱!って感じで見応えありましたね
最後までギリギリだったのも武蔵二らしいし、ドキドキ感があって良かったと思います
杉江さんを真っすぐに信用したみゃーもりと、それに頑張って応えてくれた杉江さんのやり取りが感動的だった12話目
肝心のエリカさんは特に高梨と何かある訳でもなかったのもある意味面白かったです(笑 まあ、高梨だしなあ。
でもなんか、気付けばどのキャラも人間味が感じられて俺は大好きですよ、みんなが。
本当に七福神作れるのかはさておき、誰もがまた一歩進む作劇であって欲しいなと。

それから先日出たBD買いましたよ。
特典が凄く豪華な上に3話収録なんでこのアニメ好きならおススメです
今は東京で「SHIROBAKO展」もやってますし、コミケでも色々出すようなので様々な角度から楽しんでみてはいかがでしょうか。
自分も行こうかな、と。



某風立ちぬ後だったのが余計に色々な意味で伝わりやすくなったと思います(笑)。



【ないものはない】SHIROBAKO 第11話「原画売りの少女」 感想

2014-12-23 | SHIROBAKO
興津さんはニュースキャスターみたいだな(笑)。









武蔵野アニメーションの最初の面接者のやたらとかしこまった論調と有り体な言葉「しか」並べない
そんな有様を観ていて「あ、この人やりたいこととか絶対ないな」ってはっきりと思いました
何故ならばああいう受け答えは俺自身何度も繰り返して来ましたし
本当にやりたい事がないから立派“風”の答えしか用意出来ないんです
立派じゃなくて立派“風”です。
本心じゃ別にやりたい事とか全然ないから取り敢えず相手を感心させようと思って口から出る実は全く中身のない受け答えがあれなんです
あれだったら、実際に自分の作った同人誌を持参してアピールして来た娘のがよっぽど説得力ありますよねえ
だって口ではいくらでも立派な事だったり意識高そうな発言出来るけど
それで「好き」が証明される事には繋がらないですもんね。

ただ、ああいう受け答えになっちゃうのも半ば仕方ないっちゅうか
実際「ない」んですもんね 絶対に自分のやりたい事とか、情熱を傾けられるであろう仕事だとか、最初から「何か」を諦めてますからね
無難に自分がこなせそうな“妥協案”の一つでしかないから、実は選択しているようで何も選択してないっていう。
まあ、でも、「ない」ものは仕方ないから、自分には彼の心情を指摘出来ても責める事は不可能ですね

しかしこの内容はある種そんな現代に生きる人々にとっての反面教師に近いものがあり、同時にヒントでもあります
別にメッセージというほど押し付けがましくないけど、確かな「投げかけ」として作用してるなあ・・・と個人的に考えます
なのでやっぱりアニメとかに興味のない今を生きる大人や青年たちにも観てもらいたいなあ、とか思いつつ
きちんと毎回「得るもの」が付随しているというとっても「SHIROBAKO」らしいお話であったかと
大げさに言えば人生を見つめ直すっちゅうか
もっと言えば“何がしたいんだ俺は”っていう事ですよね
勿論そんな判断や思考は守るものが多いこの世の中じゃ中々至らない事も多いんですけど
それでも、こういう内容を描いてくれる事はとても意味がある事だと思うし、個人的に支持したいですね

やっぱり「明確にやりたい事がある人」「ちゃんと理由がある人」が結局は強いんでしょう
その観点からいくと同人誌の娘と幕張勤めの方は多分受かると思います
いや、外したら申し訳ないと書くしかありませんが(笑
でもなんか考えさせられる内容だったなあ・・・と
凄く深いと思ってます。


でもそれがすべて、ってわけでもありません
「太郎でも受かった」「太郎よりはマシ」って何度も高梨軽視の発言が出て来ましたが(笑
俺自身、面接の時に遅刻をしてしまって「こりゃ終わったわ」と思いながら受けたら普通に受かって
しかも長続きしたという経験もありました
どの会社もめっちゃ厳しい!ってわけでもなく
案外緩めの企業もあるってこと、そして間違いなく武蔵野アニメーション自体他のアニメ会社に比べたらその辺は寛容だった、ということ
みゃーもりがストレートに受かった理由も多分それでしょう だからまあ、「運」もかなり作用してたりもするんですけどね・・・。
(ただ、よしんばホイホイ採用したとしても長続きするのはやっぱ前述の二人って気はしますね。)

何でもやります=やりたいことがない、っていうのは恐らくは正解です
特に大企業であればあるほどそういうなあなあな人間は取ってくれないでしょう
でもみゃーもりは幸運な事に経験を積む“機会”と考える“時間”はたっぷりとあります
別に最初から答えなんて出さなくても良いし、出もしないだろうから
散々迷って逃げて、その末に辿り着けば良いと思ってますけどね
みゃーもりは本当に頑張ってる
みゃーもりは毎日一生懸命
みゃーもりはスレてなく純粋に「何か」に喜んでウキウキ出来る素養がある
みゃーもりは取り合えず目の前に旗があったらそれを全力で取りに行く力が備わっている。
人として大事な基本が出来てるからこそ多大なるポテンシャルも感じるので是非是非後半の飛躍にも期待したいですね
最終的にはみゃーもりの心からの笑顔を観てみたい。そんな風に今作に期待をかけながら観ています。





しかし何のアニメなのかよく分からなくなるカオティックな絵面ですねえ(笑
みゃーもりは新人なりに体力と足を使って必死に原画を探してます
時には無鉄砲な行動に出る事もあるけれど
基本的に責任感が強く仕事に取り組む姿勢は真剣そのものです
後は強烈な自信、成功体験が彼女をより強くすると思っているので(周りから褒められる、実力を認められると一気に勢いが乗ります)
彼女の頑張りや駆けずり回ったこの体験が“結果”に結び付くように祈ってますし、誠実な作風だからこそ、ね。
絵麻もちょいちょい評価されるようになって来てますし、このままみゃーもり達が少しずつ成長していく情景を眺めていたいですね。
報われて欲しいですし、
そうなったらいちファンとしても嬉しいだろうな。って思います
割と等身大のキャラクターだと感じるからこそ、そうやって素直に“応援”したくなるんでしょうね
誰もがエリートでもなく、特殊な才能があるわけでもない、でもどうにか成長しようと自分を見つけようと日々もがいている。
そういう「等身大の人間が頑張って一歩一歩報われていくカタルシス」のような感触もまた「SHIROBAKO」の大きな魅力の一つじゃないかなあ、と俺は。

そして「頼れる先輩」矢野エリカさん(どうでもいいけど、彼女にはさん付けが似合いますね 笑)
彼女が抱える弱さのようなものも描かれてました 父子家庭であるが故の父親を強く思う気持ち・・・の断片
エリカさんもちゃんと“理由”があるからこそああいうしっかりした仕事内容だったのかなあ、と
とってもピンチな状況に陥りましたが、
だからこそ「えくそだすっ!」完成に向けての士気も(ある意味)高まるというもの
そんなエリカさんを一旦は今ちょっと危ない状態である病気の父親に送り届ける役割を担ったピンチヒッターの高梨
いよいよ高梨が「男を見せる」場面がやってきたのでその点でもこのトピックは要注目ですね
その仕事っぷりによってはもしやの展開もあるかもしれません
そう、まだ“恋愛”は取り上げてませんからね
心配としては高梨はやらかし系のキャラだし「仕事アニメっぽさ」を出す為に敢えて配置されたキャラクターだと思ってるんで
その点が心配っちゃあ心配かな(笑 せめて無事に仕事を果たしてくれる事を願ってます。

ある意味“みんなの想い”が懸ったコンテンツである事は疑いようのない作中作「えくそだすっ!」
その完成、そして成功の瞬間を早く観たい気持ちでいっぱいです。
後はみゃーもりの(これから出来るであろう)後輩に関しても気になって来ました。
兎角、まだまだ楽しみが沢山って事です!













犯罪者かあんたは(笑)。
考えさせられつつもケレン味溢れる演出も多々ある緩急がまた良いですね
そして何気に杉江さんの存在も気になりますが・・・色々と修羅場の予感も?



SHIROBAKO 第10話「あと一杯だけね」 感想

2014-12-12 | SHIROBAKO
                            
いつか、「それで良かった」って言える日を迎える為に。








人生、「それで良かったのか?」とか「これで良いんだろうか」なんて思う事ばっかりです
あの日あの時あの決断は正しかったんだろうか、とか意地が悪く思い続けてしまう事だってあります
だけど、重要なのは今こういう歩みをとかあの決断はどう、とかそういう事じゃなくて
結果的に「それが正しかった」「それで良かったんだ」って言えるような未来に持って行く事こそが重要なんです
まだ美沙はその入り口に立ったに過ぎないし、また逆に言えば「それで良かったのか?」と思ってしまう未来になる可能性もありうる
だけど、やっぱり美沙は美沙で流されずに、なあなあにならずにきちんと“選んだ”んだとも個人的には思います
それは決して軽い決断じゃない
あっさりノリで決めたような軽薄な判断じゃない
美沙は仲間想いだし、先輩想いで真面目な性格だからどうしてもみんなで七福神を作る夢を諦めきれなかった
そして、自分の大好きだった心温まるハートフルなCGアニメを作る夢に向かって進み続けている実感が欲しかった
でもそれって凄く苦しい決断ですし、本人的には随分悩んだんだろうな・・・っていうのは言葉でなく彼女の仕草から伝わって来ました。

高校の時のみんなと集まって話す時のちょっと思い詰めた感じの声のトーン
あなたの決めたことなら、みんな応援するよと告げられて思わずグッと来た上記カットの彼女の表情、
辞める事を告げる為にわざわざ人のいない時間を使って辞表出す所なんかすっげえリアルだなと感じつつ、
彼女の手の震え、切羽詰まった声の表情などからその苦しさや申し訳なさ、不安な気持ちが如実に伝わって来ました
個人的に最も感心したのはそれまでは働いてね~って言われた時の「はいっ」って返事の上ずったイントネーションが物凄く生々しくて
確かにあそこはああなるよな、なんて言われるか不安だからこそ安堵の想いも手伝って上ずっちゃうんだよな、と
自らの経験則なんかも思わず観ていて想起してしまったんですが(笑
それだけ「辞める」って事はエネルギーを使うっていう事
それを自分で選んで、
誰かの支えもあって後押しされて
きちんと一歩踏み出す事の出来た美沙の事を今は肯定したい気持ちでいっぱいです
確かにそれによって失うものも沢山あるでしょうけど、でも彼女が決して無責任じゃない事はもう十分今回の描写で分かっている。
手が震えて、声が上ずるくらいに本当は責任放棄のプレッシャーも重さも感じていたって事ですから
でも、そんな美沙の本心をちゃんと分かってくれる仲間が美沙には沢山いる。その想いを携えてこれからも頑張って欲しい
最終的には「全部それで良かった。」と思えるような未来に辿り着いて欲しいな、とそんな風に思えるような話数に仕上がってました
辞める側だって、それなりの理由があるし、続ける事も重要ですけど、でも続ける事だけがすべてじゃない。
時には「辞める」って選択自体が前向きに生きれる理由に繋がるんだという水面下のメッセージを感じ取れて、
生き方なんて拘束されるものでも選ばされるものでもないんだって事実を描いてくれて見応えのある10話に仕上がってました
それは本田さんの進退にも表れてた気はしますけど、やっぱり他人に気を遣って自分を犠牲にしちゃいけないんですよね
今回美沙の仲間に対する想い、夢に対する想いも明らかになったのでこの娘の行く末にも是非注目したいですね
最終的にはどの人もどの娘も「それで良かった。」って思えるような人生を歩んで欲しいです。
「辞めた」訳ですから語弊かもしれませんが、それでも美沙は“頑張った”と思います。
でも、その経験の何もかもが無駄にはならないと思うからいつか「あそこにいて良かった。」なんて事も思えればいいですね。人生まだまだこれからです!


前述しましたが、本田さんが「えくそだすっ!」の終了をきっかけに退職、今後はケーキ職人を目指すそうです
多分アニメ関係の仕事はその為の段階の内に過ぎなくて最終的に彼の目指す夢ではなかったんでしょう
そしてこれまた高梨くんとのコンビが面白かった頼れる先輩矢野エリカさんにもその気配がします
武蔵野アニメーションどうなっちゃうんだろう・・・とか複線にビクビクしつつ
でも、なんか印象深いキャラだったので寂しい気持ちが強いですね

ただ、仕事を長年続けてれば分かるけど、それもまた日常茶飯事なんですよね
あの人腕前良かったな、とか仕事のクオリティ高かったなって人ほどよく辞めるでしょう?
それでなんか心にぽっかり穴が開いたような感覚になったり「なんでだろう」って思いつつも続いてく日々が待ってたり
それが「仕事」ってやつの本質の一部だったりもするんですよね でも、みゃーもりは頑張って「続けて」欲しいな
本田さんも、まだ分からんけど矢野さんも本当に頼れる先輩だった、そのスタイルを継承してもらいたい気持ちがファンとしては強い
そういう生々しさ・・・みたいな感覚をけれん味溢れる演出と共に魅せる事が出来るのがこのアニメの凄さの一つだと思ってます
正直アニメ好き、アニメの裏側を観るのが好きな方は勿論、今を生きている人にも是非触れて欲しい作品ですね・・・って
これ以前も書きましたが引き続きそう感じられた今週分だったのでした
こんだけポテンシャル溢れるキャラ達も早々いないので、これからも是非“成長”に期待していきたいです
みんなそれぞれ本当に見つめているポイントは違うのかもしれない、だけど「えくそだすっ!」を良い作品にしたい。って気持ちは共通してるはず
散々迷って燻ってるみゃーもりも、監督の絵コンテを観て想いに触れてからは一転してそこに焦点が絞られました。
1クール目のクライマックスポイントだと思うので是非是非その瞬間を楽しみに待ちたいですね。
そして、同好会のみんなとの“絆”の証しである七福神の夢にもめっちゃ期待しています!




絵麻の笑顔が観たい。
そんな風に7話の感想で書いた覚えがありますが
それをきちんと叶えてくれた作劇にいたく感動いたしました
苦悩があって、「深刻」に陥って、でもそこから「真剣」になれたからこそ絵麻がその手に掴んだ“評価”
頑張ったら頑張っただけ報われるなんてただの幻想に過ぎない。って思うけど、でもだからこそきちんと報われたら
その頑張りを認めてもらったらこんなにも嬉しいんだ―
そんな気持ちが説明せずとも伝わって来る絵麻の何とも言えない笑顔のカットにジーンと来ちゃいました
不安だったし、自信もなかったし、心配もしてたけど、だからこそそんな努力が認められるとこんなにも心が満たされる。
そういう風に段階を踏んで一歩一歩進んでいく作劇は大好物ですし、以前の悩み苦しんだ姿があったからこそ観ていて胸に来たのだと思います
絵麻の心からの笑顔が観れて良かった
絵麻の気持ちがちょっとでも救われて良かった。
今は、そんな風に素直に思います。これからも頑張れ、絵麻!

瀬川さんも厳しいけれど、でもちゃんと頑張った時にはこういう風に「良かったよ。」って声を掛けてくれる
割と孤高な印象もあったけど意外と優しい一面もあるんだな~ってほっこりした気分になりました
なんか苦悩してるシーンが多かっただけに観てるこっちまで嬉しくなっちゃったよね。
そういう面でも今週分は素晴らしかったと思います。

そんな同好会のみんなも本当“絆”感深いですよね
誰かが落ち込んだら集まって励まして、
誰かが困ってたら力を合わせて助け合って
理想的な関係性だなあ・・・と思いつつ、先輩がしっかりしてるから後輩も慕ってくれるんだろうし
後輩が頑張ってくれるから先輩としても頼もしい気持ちなんだろうなって観ていてつくづく思いました
友情と一重に言ってもね、わざわざ忙しい時間割いてまで「会いに来てくれる」、それこそ真の友情なんだな・・・と
「SHIROBAKO」を観ていると深々と感じられますね こういう支えて支えられての関係性が羨ましいな、って鮮烈に感じてしまいました。
本当に、いつか七福神作れるといいねえ。












さて、いよいよ13話の制作も佳境!!
スタッフの力を総動員して「えくそだすっ!」最後まできちんと仕上げて欲しいですね
本当にキャラが可愛いってだけじゃなく社会人的に沁み入る内容にもなっているので是非触れて欲しい作品の一つ、です。
あと余談ですが純粋に絵コンテに感動したり効果音の制作に感心したりするみゃーもりがめちゃくちゃ可愛かった(笑
そういう部分にみゃーもりが愛される理由が詰まってるんじゃないかな・・・と思いつつ、呑みすぎな監督にプリプリしてる怒りんぼ姿も可愛いのが更に良かったですね。
美沙もそうなんだけど、新人を使ってる割には意外にも普通に演技上手いなって感じる事も多くその辺もイイと思います。




その眼差しが見つめる先に最高の「えくそだすっ!」があるはず。みゃーもりの決意の程を感じさせる好カットですね。



SHIROBAKO 第9話「何を伝えたかったんだと思う?」 感想

2014-12-09 | SHIROBAKO
                           
未だ夢は遠く・・・








正直「俺は何をやりたかったんだろう」ってなる時も多いですよね
もっと言えば「何が好きなんだろう」「何が面白いんだろう」って
そうなる要因としては多種多様な価値感が溢れている為にそこに身を置くといつの間にか「分からなくなってしまう」
芯を保ってたつもりでも気付いたらブレてしまっていたり、或いはブレざるを得ない状況があったりする
要するに・・・心を無にする、無心で生きるなんていうのはとっても高度な「業」でしかなくて、中々それを実行出来る人間なんて少なくて
どうしても色々な“邪念”“雑念”が絡んで本来の形を見失ってしまう、しかも見失ってても迷ってしまうことは日常茶飯事なんですよ
木下監督も色々な価値観に触れて、スケジュールに押されて、プレッシャーもある中で「何が面白いんだろう?」って、
自分自身にも作品自身にも迷いが生じてしまった ただ、それを素直に口に出せたのはちょっと通じ合えてる証拠っつーか
ある意味「何でも話せる相手」である本田さんとの相性は全然良いんじゃないかと思いました
それもこれまでの描写の積み重ねもあるんじゃないかとは感じますけど、
それほどストイックでもあるという話でもあるんですよね
裏を返せば優柔不断ですけど(笑

ただまあ、「面白いって何だろう?」って問い掛けはね、あまりにも難し過ぎますね(笑
「面白い」とか「面白くないね」とは言いますけど、これほど不確定で不安定な言葉かつ事柄もないなあとは思います
何が面白いかなんて単純に言えば“人それぞれ”ですけど、それでも最大公約数的な部分は存在するわけで
結局はそこを“狙っていく”しかないんだけど、
それはそれで無難で冒険心がなくも映るし、極論を書けば全員を納得させる事なんて無理なわけ
それだったら、最初から最大公約数狙わなくても「分かる人には分かる」「届く人には届く」作品作りをするのも正解だとは思うわけさ
みんなその狭間で迷ってたり悩んでたりしてる気もするんですけど、まあ明確な答えなんてきっと出ないと思います

でもやっぱり、そういう部分は悩んで考えたりしてもいいけど、「やりたいこと」だけはブレちゃダメだとは思います
何が面白いか何が面白くないか、何が良くて何が悪いのか、それは“人それぞれ”って言葉で済まされるけど
「やりたいこと」に関して言えばその舵は自分で動かさなきゃいけないし
舵を切る行為を他人に委ねてるようじゃ正直終わってると思う
何が面白いか、何が良いか、
でもその前に、「自分は何がやりたいか」。その「やりたいこと」さえブレなければ何があろうと思慮すべき事柄が浮かぼうとブレることはないと思います
売り上げも評判も確かに重要ですし、“全く気にしない”という行為はある種許されない事だとは思いますが
最初から売り上げや評判、つまりは「結果」を求めるのではなく、自分のやりたい事をやり切って、その後で結果を気にする程度がちょうどいい
やっぱり表現っていうものはその人の「やりたいこと」をブレなく貫いてる作品のがスッと入り込んでくるものです
逆に初っ端から最大公約数狙って無難に的当てしてるような作品って案外心に残らなかったりするからね
面白さなんてものは不確定な要素の割に、そのタイプは「やりたいこと」の方向性によって驚くほどに違って来る
裏切られても裏切られても、最終的には人を信じ人の為に歌を歌って人の心を動かしたというEDはその前の無難なEDよりも心に残る仕上がりでした
今まで逃げ続けて来たトレーシー達が最後まで逃げ続けるのではなく、最後に一つ大きな「何か」を掴んで明日に向かう
よりドラマチックで、より荒唐無稽で、でも、だからこそ記憶に残るEDになったと思います
少なくとも何が面白いのか分からないまま流れ作業で終わらせず、
きちんと最後まで追及して辿り着いた今回の“答え”
不真面目そうに見えてその実何かを厳しく追及し続けているのが木下監督なんだと思う
それ故に作業の遅延等発生する訳だけど、その分良い評判を得て来たのもまた事実と言えば事実。
でもそんな彼を支える面子も面子で一筋縄では行かないセンスの持ち主の様子。最後まで「えくそだすっ!」の制作頑張って欲しいですね。
色々な人が悩んで、色々な人が奮闘して辿り着くのが一本のアニメであり、それの集合体が一本の作品である。
このアニメを見ているとそんな事実を深く意識させられますね。面白いです。





一方で、美沙やずかちゃんもそれぞれで頑張っていました
美沙に関しては、こう、歯痒い悩みって感じではありますけれどね
確かにモノづくりには関わってはいる、だけどずっと「車」のCGばかりで「他」を学べる環境ではない
このままずっと「車」=安定を選ぶか、それとも「他」=刺激を選ぶかって話でね。
ここに居れば安定は保たれる、だけどそれ以上のものはない、しかし中途半端に待遇がいいのもあって中々離れる踏ん切りはつかない
正に迷い子そのものな美沙でありますが、やっぱり美沙が目指すのは、選びたいのは安定じゃないと思うんですよね
そんな自分の気持ちに正直になれるかどうかですね。でも安定は安定で一つの“生き方”ではあります
それはそれで否定されるべき事柄じゃない 要は合うか合わないか、それだけですね。
でも、普段は元気一杯な美沙の不機嫌な表情は少し可愛かった(笑

ずかちゃんは、傍から見てると「頑張ってるのは分かる、けど、もうちょっと肩の力を抜いて」と言いたくなりますね(笑)。
ちょっと物事を重く捉え過ぎっていうか、トラウマから脱却だ!とはいうものの、それを意識し過ぎて「あくまでガヤである」って事を失念してますよね
もっと気楽に、あくまでガヤである。って事を念頭に置いた方が良い仕事出来たと思うんだけど、まあそんな冷静になるのも簡単じゃないですよね
しかも有名作品への参加と言うオプション付きですから仕方ない部分もありますよね
ただ、ガヤは主役やサブを食ってはいけない
その点であの主張し過ぎなセリフはいささか作品の視点をボヤけさせるものでもあったと思います
存在感を示すよりも、トラウマ云々よりも、まずは確実に、地に足を付けて一つ一つ仕事をこなしていって欲しい。
その先に彼女のサクセスもあるんじゃないかな・・・とか思いつつ、そんな風に“頑張りすぎちゃう”ずかちゃんもそれはそれで好きだったりするのでした(笑

そういう風に、紆余曲折経るのは当然っていうか、順風満帆に行かないからこそ応援したい、または頑張って欲しい
みんなで一緒に励まし合いながら育って欲しい・・・と素直に思える雰囲気と土壌が今作にはあります
一つ一つ“ちゃんとミスをして”しっかり学びながら歩んでいく
そういう堅実さのある作風は大好きですし、
2クールある分段階を飛ばさない丁寧な作劇が光っているので是非じっくり観て欲しいアニメの一つ、ですね
意外と監督の意向が脚本に関わってる事も分かるし、制作進行が陰で出来を左右してる事も分かるし、ガヤでもDVD渡されたりしっかりしてる事も分かる
何より、今はまだ「線」のみんなが「点」で結ばれる瞬間を楽しみに観れる隙間が個人的にたまらないですね
みんなで励まし合って、共に一歩一歩進んでいって、その先に視聴者としても驚き感慨深くなる「何か」が待ってて欲しいし、観たい。って思います
そういう高校の同級生同士の絆だとか友情だとか、そういう要素もきっちり入っている脚本も相変わらず良かったと思います
随所に溢れるケレン味溢れる演出も良かったですし(七福神とか最後のあるぴん達とか)この回もこの回ですっごく楽しめる良回に仕上がってました
また、新たに生まれた「新構想の顛末で、さて作画間に合うのか?」って問題も浮上したり引きの部分も上手かったかと。
面白かったです!















それにしても最終的に「えくそだすっ!」が無事に完成するのか、完成したとしてどのくらいの評判を得るのか
そして次の制作に関しての水面下の争奪戦の模様も描かれてたりして益々続きに期待したくなるような話数でもありましたね
果たして本当に七福神を作れるかどうかも気になりますし、本当に観続けていくのが楽しみで仕方ない作品であります
こういう一歩一歩成長していく類の職業ものが好物でもある自分にとっては宝石のようなアニメですね(笑
「上手く行かない現状」はリアルであり、「後々の成功」の為の糧でもある。
その意味合いでも欠かせない9話目でした。

あと、木下監督の声優を檜山修之にしたのはどう見ても大正解だよね(笑
コミカルでだらしなさも表現出来て、でも一瞬でイケメンにも変われる。かなりのハマり役だと感じます。



SHIROBAKO 第8話「責めてるんじゃないからね」 感想

2014-12-03 | SHIROBAKO
                              
やっぱり「真剣」と「深刻」は違う。









絵麻は神経質になって自分を追い込む事で「なんとかしよう」と思っているように見えた
だけど、「深刻」なのは危機意識はあれど、決して「真剣」とは違う、似て非なるものだと思います
「深刻」って言葉自体はパッと聞いて苦悩してるんだなあ、って思うけれど裏を返せば正直“無策”だし
自身を追い込んでる事自体が「自分はこんなに頑張っているんだから」という“驕り”や“甘え”に繋がりやすい
勿論当人にそんな思いなんてないものだし、元々生真面目な分生じる問題だけれど、だからこそ無意識下で現実逃避のスポットと化している
ある種の袋小路として作用してしまうのが「深刻」の最も厄介な点なんだと思います。

ただ、「真剣」っていうのはそんな不健全なものではないですよね
もっと高い意識だったり明確な目標の元で行われるのが「真剣」であり、ただただ無策で自分を追い込むのは「真剣」とは呼ばない
色々な方法論を試したり、常に自分が全力を出せる環境を意識したり、時には他の誰かの手を借りてでも自分を高めようと頑張るのが「真剣」
井口さんが話していたように絵麻は“自分を追い込む事”に終始し過ぎで様々な視点から自らを成長させるという事を怠っていたんです
もっと他人に頼っていいし、煮詰まってると感じたら刺激を求めるべきだし、やり方なんて一つに固執するべきでもない
そうやって自分の力量を自覚して「今何をするべきか」を把握して自分なりに“考えて”行動する事こそ「真剣」と呼べるんじゃないか
この話数を観ていて個人的にそんな事を考えましたし、確かなメッセージとして伝わって来て正直ありがたかったです
アニメ好き、アニメの裏側を観たい人ならずとも今を生きてる、今に悩んでる人にも観て欲しい内容のアニメに仕上がっており
しっかりと観た分得られる教訓だったり糧が存在している良作も良作だなあとこの話数でも変わらず感じたのでした

何より、杉江さんから小笠原さん、小笠原さんから井口さん、井口さんから絵麻・・・っていう風に
正しく先輩から後輩へと教えだったりメッセージが受け継がれている“系譜”みたいなものが凄く「いいなあ。」と思えて。
今では仕事の出来る女性風の井口さんも若いころは色々と初々しくてはしゃぎ気味だったんだなあ、とか
絵麻と同じような悩みや迷いを抱えてここまで来たんだなあ、とか
若き日の井口さん純すぎて可愛いな、とか(笑
元々は杉江さんからの「頼み」ではありましたが、彼女もまたそういう先輩たちからの優しさやアドバイスを絵麻に誠実に伝えてくれた
そんなに張り詰めなくても良いし、深刻にならなくても良い。最初から完璧を目指さなくても良いし、むしろ最初から完璧に理想通りにいく人なんていない
それは「今すぐ」ではなく「この先」手に入れるべきもので、誰かを頼りながら誰かの真似をしながら成長してその後“自分らしさ”を掴めればそれでいい
井口さんなりの伝え方で話し方で絵麻を快方に導いてくれた“先輩としての頼もしさ”が実に素敵だと感じられましたね
武蔵野アニメーションは決して完璧とは言えない会社だけども、確かに誇れるべき先人達が存在している
ある意味そんな事も観ていて伝わって来る話数にも仕上がっていたと思います。
また、絵麻が“真剣に”作業出来るようになって本当に良かったです!





一方でみゃーもりはみゃーもりでやっぱり独特の可愛さを披露していました
このカットなんかはちょっとプリプリした感じやジト目が個人的に堪らないんですけど(笑
俺もみゃーもりにジト目で責められたい・・・いや、まあ、それは置いといて
ねいちゃんに翻弄されつつも
本当はねいちゃんがなんでこのタイミングでここへ来たのか知っていた
最初の内は自分も余裕がなくて対応出来なかったけど、冷静になるに連れてそんなねいちゃんを心配する気持ちも生まれた
その辺りは正に姉妹だなあ・・・と思いつつ、言葉にせずとも伝わる二人の絆や想いなんかを感じ取れたりもしました
みゃーもりは本心では多分「辛いならまだここに居て良いよ。」って言いたかったんでしょうけど
ねいちゃんはそんなみゃーもりに対して元気良く「がんばっぺ!」と東北弁で返した
そんな二人のやりとりも些細だけど確実に感動したワンシーンでありました
色々と辛い事もあるけれど、
ねいちゃんなりのやり方で頑張っている
行きたくもない誘いに聞きたくもない愚痴に例え先輩が間違ってても“謝らない”どう考えてもおかし過ぎる暗黙の決まり・・・
(余談ですが人によっちゃ本当に謝らないですよ。しかも高圧的な空気を出すので言い返す事も難しいし。だから相当リアルに感じました)
ねいちゃんは社会経験が長い分「深刻にならない術」を彼女なりに身につけているんでしょうね
そして、そんな“拠り所”があるからこそ、また希望を持って今を生きれる
後半の同級生なじみが集まっての飲み会のシーンも、
ただ遊んでるだけじゃなくそんな厳しく理不尽な世の中を生き抜く為の確かな術なのかもしれません
そしてそんな風に頑張っている“みんな”の姿を観て胸が熱くなるのもまたこのアニメのストロングポイントの一つですね
悩んだ分、傷付いた分、報われなかった分後々その頑張りが身を結べばいいなあ・・・と思いながら観ています

ただ、みゃーもり自身は「夢と現実」の境でちょっと揺れ動いてる様子ですね
まあ夢って曖昧なものですし最初から選択肢の中にない人がいてもおかしくはありませんが
どうもみゃーもり自身「夢」ってやつをリアルにイメージする事が出来ない人のように思えます
元々目標もなく高校時代の部活の延長線上で入った会社ですからある種目標を先延ばしにしているようなもの
周りの人間が嬉々として夢を語る中でみゃーもりだけ置き去りになっている感覚が視聴者としてもありますけれど
いつかはそんなみゃーもりが一皮向けて“自分の夢”を意識して動く瞬間を楽しみにしています
本当に「あの面子」で一つのアニメを作れる時が来ればいいなあ・・・と思いつつ
ここからの宮森あおいの成長にも大いに期待しています。


ところで、そんなねいちゃんに振り回されているみゃーもりはみゃーもりで可愛かったですね(笑
最後の寝巻パジャマなカットの数々も良かったですし相変わらず木村さんの声も似合ってて素敵でした。
ねいちゃんが朝早々と帰るってなった時にふてくされたような子供みたいな声出してましたがああいうのなんかツボでしたねえ。
本当自分好みなキャラクターですよ。つくづく!

















あと個性の強いキャラが多いからか、会話のシーンの面白さが格別ですね
それぞれがイジりあったり、イジったり、なんかそういう雰囲気が観ててすっごく楽しいです(笑
矢野エリカさんはツッコミ役、怒り役かと思ってましたが何気に本田さんに向けて強烈なボケを振ってたり中々いいですねえ
あんなこと言われたら本田さんも流石に前のめりに突っ込んできますわ。監督の会話も相変わらず面白かったしそういう部分でも手ごたえありましたね。
みゃーもりの殻を破る、成長フラグも着々と進行している感がありますしその点でも良かった話数でした。頑張れっ!




ある意味サービスカット(何)



SHIROBAKO 第7話「ネコでリテイク」 感想

2014-11-21 | SHIROBAKO
相変わらず密かな顔芸を拝むのが楽しみです(笑 みゃーもりがBBAになっちゃった!









かの松岡修造の格言の一つに
「真剣に考えても、深刻になるな!」というものがあります
私自身凄く好きな言葉だったりもするのですが、確かに「真剣」と「深刻」は似て非なるものです
「真剣」な状態は間違いなく「深刻」ではないし、「深刻」な状態は「真剣」と似てるけど絶対に「真剣」ではない
何故冒頭からそんな事を書き連ねているかというと、今週分のお話を観ていて真っ先に浮かんだのがこの言葉だったからです
つまりは・・・絵麻は「真剣」なようでいて、その実「深刻」になっているだけなんじゃないかと。

「深刻」というのは言っちゃえばある種の“逃げ”であり同時に“自己防衛”でもあります
真面目と形容出来るかと言えば個人的には真面目と形容出来る状態ではないと思う(真面目なようにも見えるんだけどね)
兎角考え過ぎる事によって視野は狭くなっているし、
自分の能力を100%出し切れる状態とは決して言えないですよね
例えば「真剣」であれば自分の能力をフルに出し切れる可能性も高いですけど
「深刻」っつーのはそもそもがハンデを背負ってる状態ですから絶対に健全なモードではない
絵麻がそれに気付ければいいんですけど、でもきっとこういう「深刻」な時間も経験と言えば経験になってくれるんじゃないかなとも感じてます
一番悪いのは何度も経験したのにも関わらずずっと「深刻」で居ちゃう学習能力の無さだから
そこから抜け出せさえ出来ればきっと絵麻は変われるんじゃないか― 
と、個人的に信じています
ちょっと一息置けば、視点を変えれば、きっと人は何度も立ち上がれるはずですし
ここまで立派にそんな「成長」を描いて来てくれた本作ならばこのアンニュイな空気も吹き飛ばしてくれるはず!
・・・と書きつつ、絵麻の“悔しさ”だったり叱られた事による“ショック”の気持ちは痛切に理解出来たりもします
少しでも自信や方法をへし折られると「あれっ?」ってなっちゃうし出来ない自分にも幻滅しちゃうんですよね
また「自分嫌われてるのかな」って考え過ぎちゃう気持ちもかなりよく分かるんですけど(笑
まあ流石に同じ作画監督に何度もリテイク出されたらそう思っても仕方がない
何だか辛い昔の記憶がふと蘇りましたが 笑(自分も仕事で「この人俺の事嫌いなのかな?」って悩んでた時期があったので)
人間関係こそ「仕事」って事柄の上では一番厄介なものですよね。

ただ、瀬川さんは間違いなく絵麻の事を嫌ってる訳じゃない
むしろ元々評価してたのに半ば省略じみた仕事をされたから怒っただけで
実は瀬川さん自身もショックっちゃあショックだったはずなんですよね
その辺は声優さんの演技上手いな、とか思いつつ
ある種すれ違ってもいるので
是非上手い事元鞘に収まって欲しいです 
そんな今すぐに結果を出さなくてもいいし、即座に小笠原さんレベルになれなんてきっと誰も望んでないんだから。
頼れる先輩の元で彼女なりに頑張ってすくすく「真剣」に成長していけばいい。そんな風に思います。


一方で、そんな絵麻を健気に励ますみゃーもりもまた観てて気持ち泣けるねえ
みゃーもりは、彼女自身気付いてないけれど、誰かに誠実に言葉や行為を投げかけて人を動かすパワーを持っている
つまりはリーダー的素質のあるキャラクターだと思ってるんですがみゃーもりは多分まだそこには自覚的ではないですね
でもここまでみゃーもりの将来的観測に於ける「空白」をフィーチャーされてるのできっとそれが見つかる時も訪れるでしょう
今は、絵麻もみゃーもりもまだまだ発展途上、でも、そのポテンシャルと高みを目指す想いがあれば(見つかれば)必ず大きな「何か」を作れると信じています
またこのアニメ2クールあるので十分そこまでの余裕がありそうなのが更にワクワクして来ますね(笑
みゃーもりの誠実に誰かを想って不器用でも「後押ししたい!」って気持ちは絵麻には伝え切れなかったけど
その分視聴者には届いてると思います そんな両者の“現在地”がよく見えてくる、その上で色々と頷ける面白い7話目でした。
来週のみゃーもりと絵麻の行動や立ち位置にも是非注目したいですね。めちゃくちゃ楽しみです!

取り敢えず、絵麻の笑顔が観たい。







ところで今週はみゃーもりのファンとして嬉しいカット満載でしたね
前回(4話)もそうだったんですが酔っぱらったみゃーもりはまた一段と可愛くなるな、と(笑
ほろ酔いバージョンのみゃーもりがたっぷり観れて個人的に眼福も眼福でした
また外見が物凄く美少女然としてるので色っぽさもあるしね
木村珠莉さんの声も元々良かったんですが更に馴染んで色々と可愛さマシマシ状態になりつつあります
特に冒頭の急いで家出るシーンとかウニ缶食べて「おいしいよ~」って感嘆の声を出すところとか本気で可愛かったですね
ねいちゃんが来て(ところでこのねいちゃんって言い方で検索すると福島が出てくるんですがもしかして東北出身なのだろうか)
慌ててるシーンとか山田さんのコンバート情報にいちいち素直に驚いたりやっぱあのルックスで様々な意味合いでウブっていうのはツボですわ
ぶっちゃけモデルとかアイドル目指しててもおかしくないくらい可愛いと思ってるんですけど、
そういうみゃーもりがこういうアニメ関係、それも進行っていう目立たないポジションの仕事してるってのが良いんでしょうね
同時に「進行」って目立たないけど実はもんのすごく重要なんだよ。って事もまじまじと伝わって来ますけど。

また、おねいちゃんとの絡みも良かったですね
良い具合に生活感が出てましたし嘘っぽくなかったと思う
特に「スペシャルな時」云々に関してはみゃーもりの性格の可愛さと
あと今作にしては珍しく下ネタ?が振られててとっても新鮮でしたね
あの反応からすると、みゃーもりはやっぱり処女なんだろうな

そういうみゃーもりとかおりおねいちゃんの放つ生活感、家庭的な感じだったり
日々の溜まってるもんを吐き出しつつあったちょっとした飲み会のパートもまた良かった回でしたね
色々と大変なこと、先延ばしにしてる事もあるけど、取り敢えずは今を取りこぼさないように、頑張れみゃーもり!














あとは何気に高梨と矢野さんのコンビは進行チームに於いてムードメイカー的な役割を果たしてますね
二人の夫婦漫才みたいなボケツッコミの応酬もまた観ててとみに楽しかったです
意外と似合うんじゃ・・・とも思っちゃったのは内緒。
相当な恐妻になる事は否めないが(笑

今週も今週でとてもドラマチックで、キャラの可愛さも楽しめて、今後に対する期待も高まった良い具合の内容になってました
あの絵麻の涙にはきっと自己にも、そしてみゃーもりに向けての申し訳なさもきっと入ってた。はず。
結果的に悩んで大きくなれれば、それでいい。それが、いい。




ポニテも似合うなあ・・・(笑顔)。