ひびレビ

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相棒16 第19話「少年A」

2018-03-08 08:02:08 | 相棒シリーズ
相棒16 第19話「少年A」

 マンションで1人の女性が殺害された。右京は現場近くでダンボールを持ち、靴紐が両方ともほどけた少年に目を留め、冠城と共に彼について調べ始める。しかし少年は偽名を使う、1人暮らしを装うなど不可解な行動が目立つ。どうやら少年は怪しげな連中に何かを指示されているようで・・・


 と、いうわけで今回は相棒シーズン11の第18話「BIRTHDAY」にも登場した加藤清史郎さんが、再び相棒に登場し少年こと高田創を演じられました。「BIRTHDAY」はその名のとおり、1人の少年の誕生日に起こった事件が描かれています。時間が前後しながら徐々に明らかになる事件の全貌、終わりが近づくに連れて増していく緊迫感など、今見ても素晴らしい作品です。
 役は違えども同じ俳優さんが出演されるということで、「少年A」を見る前に視聴していたのですが・・・時の流れってはえー!5年でこんなに大人になるのか!と驚かされました。

 殺人事件そのものについてはさほど複雑ではなく、創と弟の敦を取り巻く環境についての謎がメインでしたね。
 何故偽名を使うのか、何故敦は自分の存在を知られまいとしているのか。それは全て彼らが無戸籍者であることを知られないためでした。母親は「あんな父親の息子にしたくない」という理由から兄弟揃って出生届を出していなかったようですが、冠城の見立てでは明らかなネグレクト。男性との交友関係もだいぶ派手だったようですが、それでも創は違うと否定していました。母の愛を信じたかったのでしょうか・・・

 この場をどう乗り切るしか考えていなかった創たち。右京たちの追及に対しても、サラッと偽名を用いていたことなどからも、ああいった風に質問されたことは一度や二度ではなかったんでしょうね。その場しのぎを続けてきた結果なのでしょうか・・・
 そんな彼のこれまでの苦労を察し、今日を生きることに精一杯だった彼に対して「これからは明日を生きていきませんか?」と優しく告げる右京さん。今この瞬間をその場のしのぎで生きていくのではなく、明日に繋がる今日を生きていく。明日は何をしよう、今度ここへ行ってみよう。そうした何気ない明日への期待や希望が明日を生きるということなのでしょうか。

 冠城くんも就籍について「俺も手伝うよ」と告げるなど、創のことをかなり心配していたように見受けられました。就籍について話す冠城くんの優しい声が印象に残った回となりました。

 
 事件が一段落つき、敦と再会した創。敦や右京さんたちの言葉を受けた創は、その場に倒れるようにして泣き始めました。崩れ落ちながら泣きじゃくる、というのは見ますが、ああいった風に倒れて泣くというのはなかなか見ない光景だと感じました。
 事件発生以前から、その日を暮らすのに精一杯でずっと気を張り詰めていたことでしょう。それまでに溜め込んでいたプレッシャーや疲れが一気に溢れ出た結果、倒れながら泣いていたのかもしれない。加えて母を失ってなお、流せなかった涙がようやく今になって溢れてきたのかもしれない。そんなことを感じたシーンでした。

 ラストは創から右京さん、冠城くんに宛てられた手紙で締めくくられることに。手紙を見ると「ぜつぼう」「かんしゃ」などがひらがなで書かれている一方で、「杉下さん」「冠城さん」や「敬具」、「住所」「氏名」は漢字で書かれていました。
 世話になった2人の名前や手紙のルール、自分の居場所、そして自分の名前。せめてそれだけでも漢字で書けるようになりたい、書きたいという彼の思いが伝わってきました。文面に何度も表れる「ありがとう」の思いからも、創がどれほど2人に感謝しているかが伝わってきて良かったです。

 出番は少ないながらも、犯人に罪をきっちり償わせる、「こんなことしかしてやれなくて・・・すまんな」と創に謝る伊丹さんもまた素敵だったところで、次回はシーズン16最終回!
 犯人候補が6人とのことですが、その中に冠城がいなくて心底ホッとしたのは言うまでもありません(汗。
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