ひびレビ

特撮・アニメの感想や、日々のことを書いてます。
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「劇場版 幼女戦記」を見て

2021-07-14 06:36:19 | テレビ・映画・ドラマ
 2019年に公開された映画「劇場版 幼女戦記」を見ました。

 本作は2017年にテレビアニメ化された「幼女戦記」の続編。当初は総集編かなと思っていたので、見始めたら新作で、慌てて1期見返しました(苦笑。圧倒的な物量で攻め込んでくる連邦軍、そして1期ラストで異様な雰囲気を発していたメアリー・スーとの戦いが主に描かれており、ラストでは現在制作中である2期に繋がるであろう描写もありました。

 主人公は我らがターニャ・フォン・デグレチャフ。元は普通のサラリーマンだった彼が、神たる「存在X」により砲弾と血が飛び交う世界に幼女として送り込まれ、以来その卓越した頭脳を生かしてどうにか安全な後方勤務に移ろうと試みるも、有能すぎるが故か、はたまた存在Xによる運命操作か、結局過酷な道を歩む羽目になるという…戦場では頼りになる司令官ですが、そんな彼女をも上回る手腕を発揮するゼートゥーア閣下がおり、加えて幼女であることが有利にも不利にも働いたりと、決して万能ではない感じが好きです。
 
 今回は戦略的に重要な拠点となる場所の救援が主目的。しかしそこで彼女たちを待ち受けていたのは想定外の物量作戦、そしてターニャへの異常な執着を見せる少女メアリー・スーでした。
 改めて1期を見返すと「国」や国が指揮する「軍隊」と戦ってきた印象を受けましたが、今回の相手は「個人」だったように感じます。各国の思惑や戦略を読めたとしても、それを上回る個人的感情は読み切れないと痛感させられることに。うち一つは今のターニャには知る由もない…というか知りたくも無いことでしょうけども、もう一つはターニャと熾烈な戦いを繰り広げることとなります。それがメアリー・スーでした。

 「メアリー・スー」といえば、創作において完璧すぎるキャラクター、デウス・エクス・マキナのように万能の力を持って物語を終わらせるキャラクターを表すもの…といった風に捉えていましたが、実際には様々な定義があるようですね。何をもって「メアリー・スー」とするかは難しいところなのでしょう。
 ともあれ、本作におけるメアリー・スーは、ターニャが父の仇だと知るや否や、尋常ならざる力を発揮。ターニャが神に祈りを捧げて得る力も相当なものでしたが、メアリーのそれはターニャ以上のように感じました。戦局をたった一人で変えてしまいかねないほどの力には唖然とさせられます。
 さすがのターニャもこれは…という緊迫した状態が続き、最後に勝敗を分けたのは「軍人か個人か」だったと感じました。どちらにも勝機があったと感じられる、ギリギリの戦いを楽しませてもらいました。

 そうした圧倒的なまでの「個人」を突きつけられたターニャが最後にくだした決断とは何か。最後まで目が離せない作品でした。ラスト、あそこで一旦アレを挟んでからのあの展開はズルいなぁ…


 …とまぁ、そういった感じでメアリーとの激しい戦いあり、ヴァイス中尉たちの奮闘あり、笑いどころありと、テレビ版の雰囲気そのままに楽しめた本作。てっきり2期でメアリーの話をやると思っていたので、まさか映画でやるとは思いもしませんでした。
 続く2期ではどんな戦い方を披露してくれるのか、どんな個人的感情をぶつけられるのか、レルゲンさんの胃はもつのか、色々気になりつつも、楽しみに待つとします。
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映画「漂流教室」を見て

2021-07-14 06:29:45 | テレビ・映画・ドラマ
 1987年に公開された映画「漂流教室」を見ました。

 原作の漫画「漂流教室」はだいぶ前に読んだきり、フジテレビで放送されていたドラマ「ロング・ラブレター~漂流教室~」も当時見たっきりという、うろ覚えな状況だったのですが…多分はっきりと覚えてたら「何だこれ」感がより一層増したと思います(汗。

 原作では小学校、ドラマでは高校が舞台となっていますが、本作の舞台はインターナショナルスクール(国際学校)に変更されています。日本人の登場人物は主人公である翔を含めてごく僅か。普段洋画は字幕版を好んでみる私ですが、まさか日本の映画でこれほどまでに字幕を見ることになろうとは…OPやEDのスタッフロールまで英語なんですけど、一体どこに向けた作品だったのだろうか…
 加えて国際学校であることが生かされているようには思えませんでした。漂流教室という作品で国際学校を舞台にするならば、生き残った子供たちが言葉や文化の違いを乗り越えて共存していき、それは荒廃した世界の生物たちとの共存の可能性に繋がっていく…という展開も描けたのではないかと思います。が、会話は成立しているし文化の違いに戸惑っている様子も無い。何がしたくて国際学校に設定を変更したのか分かりませんでした。


 物語は荒廃した世界への漂流、関谷の暴走、謎の生物の襲撃が主となっています。
 まずは荒廃した世界に漂流するまでですが…ぶっちゃけこの時点でややダレ始めました(汗。合間に元いた世界の光景が挟まるとはいえ、5分ぐらいはずっと教室が揺れっぱなしで子供たちは騒ぎっぱなし。「漂流教室」ですから、ただの揺れではない、何かが起きているのを伝えるためにはこのぐらいの長さが必要なのかもしれませんが…それにしたって長くて、「まだ終わらないの?」と見ていて段々ダレてきてしまいました…

 関谷は原作ではだいぶしぶとかった記憶がありますが、前半で退場。その後は謎の生物の襲撃がメインとなっていきます。しかしこの襲撃、夜の出来事とはいえかなり見づらかったですね…「何が起こっているか分からない恐怖」というのはあると思いますが、それにしたって見づらかった…
 
 一応未来に希望をもたせるラストにはなっていますが…何と言ったらいいものか。「漂流教室」の要素は入っているけれども、面白いかと言われると微妙で…ここだ!という見所が無い気がするんですよね…強いて挙げるとすれば、謎の生物の襲撃に対して「僕らが連中を襲ったのかもしれないよ」というセリフは印象に残りました。謎の生物たちにしてみれば、自分たちの生活圏にいきなり学校が来たわけですから、そりゃ警戒もするわなと。

 そんな感じの「漂流教室」でした。久々に原作読もうか…
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