自分はSPユニットの「能率」には気を使っている。メインのラインには「高能率SPユニット」を使う。一般的なSPユニットの基準を自分は90dbに置いている。高能率SPユニットとは100db以上のユニットを指す。
何故「高能率ユニット」に拘るかと云うと、「ろれつの回らない音」(反応の遅い音」を嫌っているからです。3連符や5連符のパッセージをキチンと再生させるには、「軽くて反応の良いユニット」でないと対応できない。音楽は時間の芸術と云われている。0.1sec或いは0.01secに入っている情報をすべてSPユニットから出すには「軽く反応の良い」ユニットでなければ対応出来ない訳で、3連符が2連符や、5連符が3連符になって再生出来ても、それは情報が欠落した「音楽」を聴いている事になるからです。
測定器の工程での測定プログラムでは、0.001sec単位で測定プログラムを組んで有った。わずか1secの中で累計20項目以上の測定を数回繰り返し実施する程、電気信号の流れは早い。電気としてはそれくらい早い反応が出来ている。
それに対してSPユニットは「電気信号を物理的振幅」に変換している。SPユニットでは当然遅れが出て来る。その遅れを出来るだけ最小限にしたいだけです。
SPユニットの能率が85db等と90dbを切る様なスペックのユニットでは、「軽く反応する」なんて事は理屈的に説明出来ない。そんな低能率のSPユニットでは、パワーアンプの「駆動力」が大幅に良くないと追随出来ない。そんなアンプはどれくらいのパワーや大きさや費用がかかるのだろうか?
実際に「ろれつの回らない音」をあちこちで聴いている。そう云うフレーズはほんの一瞬なので、「ろれつの回っていない」事さえ気付かずにいる方が殆どだと思う。これは体験しなければ理解しがたい事かも知れない。