Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

2インチスロート(4インチダイアフラム)ドライバー

2014年07月21日 | ピュアオーディオ

JBL#4343を27年間使って来て、上手くバランスさせて使って来たつもりであったが、有る処で#375を使ったシステムを聴いたら「スケール感」がまったく及ばない事を痛感した。以来、JBL#375を使ったシステムを3セットも作り上げた。

2インチスロートのドライバーもJBL#375をはじめプロ用の#2440、2441、2445,2482、ガウスHF-3000等を使って来たが、潜在能力(可能性)で#375を使う様にした。2インチスロートのドライバーを使う場合、ホーンと組み合わせて使う事になるが、組み合わせるホーンで表情が大きく変わって来る。組み合わせるホーンは癖が無ければ良いと云うものではない。上手く癖を掴み、その癖を利用してオリジナルな世界を作る事が重要だ。

過去でも最近でも2インチスロートドライバーを使ったシステムは、フラッグシップSPで有る。しかし、2インチドライバーの強力なエネルギー感を使いこなす事がなかなか難しい。使い手にスキルとノウハウを要求される。有る雑誌では、製造元のJBLの経営陣が1インチドライバーが「家庭用で最適」等と云っているが、個人的には「使いこなし切れない」良い訳にしか捉えていない。作る側からして音楽に対する創造性が欠如している様で、現在の経営陣が作る最近のSPには興味が無い。

ホーンも切削やプレス、射出成型で作られる様になって、コストダウンもあからさまになって来ている。それを雑誌は「最新型」等と云ってべた褒めしているし、昔の「良い音のするモノを作ろう」と意気込んでいた技術者たちとは比べ物にならない程、「商業」を意図した商品に変わって来ている。40年前もハイエンドのSP達と一緒に「シスコン」(ゼネラルオーディオ)が有った。現在のSPはそのシスコンの流れに乗ったシスコンSPが大型化した様に感じる。

2インチドライバーを上手く鳴らし込んでいるシステムを聴いてから、他所の1インチドライバーやコーン型、ドーム型のシステムを聴くと、まったくエネルギー感と分解能が足りないし、音の重心が高く感じられもの足りない。最近のSPは「進化しているのではなく退化している」と感じる。

自動車の「買い替え需要」ににも似た商業戦略で、ネオマグネット、8N、カーボン、ボロン等々、新技術のみの宣伝でお客を捕まえようとしている。企業として生き残る事は重要であるが、お客のニーズ(良いものを長く使える)と相反する状況の時代に突入した事が時代の流れなのか?