Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

スピーカーの選び方 その2

2016年02月19日 | ピュアオーディオ
「スピーカーは時代と共に進化しているか?」・・・。性能と寿命と云う観点から自分は考えている。

性能は一長一短な部分が有る。それは「周波数特性の幅」。古いSPは低域側も高域側もあまり伸びていない。マイルームシアター等AV系の再生において「楽音」とは別な音(例えば爆破音やヘリコプターの音等)の再生に迫られて、低域側により重低音を時代が要求して来た事が上げられる。しかし、ピュアオーディオは純粋に「音楽再生」を目指している。30Hz以下の音は早々録音されていない・・・当然それほど必要性を感じないと思う。

性能の大半を占めるのは「質感」だと思っている。その観点から行けば、1975年前後を境に「退化」してきたと思う。当時はハイエンド機~ブックシェルフ機位までがオーディオマニアの対象であった。しかし、その頃には「シスコン」(システムコンポ)も出ていた。こちらが大衆受けしていた。現在のSPを見るにつけ、「ハイエンドのSP達もシスコンのSP」になったと感じている。デザインからして「新幹線フォーム」(綺麗な流線形の外形)をしていたり、すべてのユニット配置がデザイン化されている。出てきたサウンドを聴いても「シスコンの音」だと感じる。現在流行のデザインにも一長一短が有る。それを良しとするならばそれでも良いと思う。ただし「質感」や「音質」はヴィンテージユニットの時代に比べれば「下がっている」と思う。市場が小さくなり、量が出ない訳であるから当然コスト重視のメーカーの思惑が出て来る。

オーディオ装置、分けてもスピーカーユニットについては1960年以降は「コストダウン」の歴史で有る事を忘れてはならない。

アンプ類は時代と共に順調に進化していると思える。性能については疑う余地はない。しかし、「寿命」の面では一長一短が有る。メーカーの予備部品の保管期間が8年しかない。どのメーカーも「棚卸在庫」を持てば「資産」と捉えられ「税金」がかかってくる。当然コスト面でデメリットしかないので草々に在庫品を処分してくる。

電気機器で良く壊れる部分と云えばコンデンサーと抵抗器である。この部分は単一パーツが存在するので「交換」すれば修理は可能だが、古い機器の「手半田配線」と最近の「リフロー半田」では対応が違ってくる。リフロー半田では使って有るパーツが小さいので「基板毎」の交換になる。その基盤が保証期間を過ぎたら手に入らない事になる。

この辺の事は「アンプ」の事と思っておられるかも知れないが、スピーカーの「ネットワーク」部分が同じ構造になっている。もっとも、扱う電気の量が知れているので故障の頻度は極端に少ないと云える。50年前のネットワークのコンデンサーの容量ヌケを気にしておられる方が非常に多いが、自分の経験ではそんなに劣化はしていない。劣化してくると逆に容量が増加する傾向に有る。