続きです。
竜の発現は世界が大きく変わる前兆と言われてますが、竜が初めて現れたのは今から3000年前、周の武王と商のチュウ王が戦っていた時代の四川文明遺跡から発掘されています。三本足の烏・ヤタガラスと共に。
古代中国では竜は大蛇に似ていて四本の足を持ち、二本の角と長い髭を持つ実在の生物とされています。顎下の逆さの鱗、つまり逆鱗に触れなければ大人しいそうです。
さて、ここで問題です。気が付きましたでしょうか。前回の「その1」で「龍」と書いていたのに、「竜」に変わった事を。
「竜」の字は甲骨文字が源流です。頭に冠を被り胴体をくねらせた大蛇の姿を現した象形文字が「竜」です。「龍」は「竜」の字に模様をデコレーションした文字。同じ意味とされていますが、「竜」の方が古いのです。
中国の生薬に「竜骨」があります。消耗性の興奮や熱感に効果があるとされますが、この「竜骨」は化石の骨です。現在の「竜骨」は哺乳類の骨らしいのですが、古い「竜骨」には恐竜の骨も含まれていたそうです。
私、思うのですよ。昔の中国人が恐竜の化石を発見し、それが蛇・蜥蜴・ワニに似ている巨大な生物と考えた。それが「竜」だったのではないかと。
その「竜」が紀元前二世紀の後漢の時代に王符と言う学者によって、「駱駝の頭」、「鹿の角」、「鬼の目」、「牛の耳」、「蛇の額」、「虎の掌」、「鷹の爪」、「大蛇の腹」、「魚の鱗」の九つ特徴を「九似」として定義づけられたのが「龍」となります。つまり「龍」は人間が発案した姿なのです。
「龍」が架空の生物なのは誰もが知っています。発案国の中国人だって、昔の日本人だって。
私、ネットで調べたのですが、昔の日本人や中国人で「龍」を見た人は見つけられませんでした。私個人の調査では全て把握したとは言えませんけど。
勿論、日本に「龍」の伝説はあります。秋田県・田沢湖の「辰子姫伝説」は「大変美しい辰子が永遠の美しさを大蔵観音に祈願した。大蔵観音が現れ、北にある泉の水を飲めば願いが叶うと言った。辰子は言われた通り北の泉を探し出してがぶ飲みした。そして水鏡に自分の姿を映したら龍になっていた」と言うものです。でもこれは伝説です。
「西暦何年何月何日の正午頃、福島県磐梯町在住で朝寝、朝酒、朝湯が大好きで後に身上を潰した小原庄助さん(52才)が何気なく会津磐梯山を見ていた処、磐梯山上空100メートルで輪を描いて飛んでいる緑色の龍を見たとの事です」的な話があるのなら、「龍」を見た人がいた。「龍は存在している可能性が有る」と言えますが、この手の話が無い。これは「龍」を見た人はいない。架空の生物だから存在する訳が無いと言えるのではないでしょうか。
「龍」の写真も調べました。殆どが「雲」でした(炎や煙の場合もあります)。雲の形が龍に似ている。その雲が龍だとしているのです。これは変です。
私は幽霊を肉眼で見ています。昔から幽霊を見た人の話は伝わっています。海外でも幽霊の姿を見ている人は大勢いるし、写真・映像にも撮られています。
それなのに「龍」の写真が雲しか無いなんて、どう考えたっておかしい。幽霊でさえ姿を表せるのに、それ以上の存在である龍が雲や火でしか姿を現さない。雲や火では龍の形になっても不思議でも何でもありません。龍である証拠とは言えないと思います。
本当の姿を見せないのは何故か。それが不思議でなりません。
続く。