元ヤクザで俳優で小説家で歌手でプロデューサーの安藤昇さんが亡くなりましたね。去年の年末の話ですけど。
私はヤクザが大嫌いで、ヤクザに高倉健みたいな奴はいないと言うのが持論ですけど、この人は確かに器は大きかったみたいですね。20代中頃でヤクザの組長をやってて500人の手下を率いていた見たいですし、その中には「塀の中の懲りない面々」の安部譲二も居たそうですし。
この人の映画を見た事は無いですが、多くの映画に出演していると言う事は、そっちの方面でも才能があったのだと思います。私とは何もかも正反対の人だと思います。別に憧れたりはしませんけど。
それは兎も角、実は実話なのですが、私の本名はこの安藤昇さんに肖って付けられたのです。私の親父が安藤昇さんが主役のヤクザ映画を見て私の本名の候補に入れ、その幾つかの候補の名前を近くの神社の神主に見せて選ばさせたのです。
正直言って、その神主さん、全然名前の大切さを理解していないと思います。こんな猛毒の名前を選ぶなんて。今の私だったらこの神主さんより良い名前を付けられると自負してます。神主さんは良い名前を付けられるように勉強すべきだと思いますね。
話を戻します。その安藤昇さんが主役の映画は、私の本姓と同じ名前のヤクザの組の若頭だった。つまり○○組の安藤昇だから私の名前を○○○としたんだそうです。
そんないい加減に名前を付けるなんて酷いです。名前は子供に対する最初で最高の贈り物なのに。
しかも私の父親の兄弟の名前は全員一文字なので、自分達の子供にも一文字にするよう相談していたのだそうです。男の一文字の名前は大凶なのに。しかも出来たら最後に「る」を付けようとも相談したようです。「る」は「流」から来ているのです。命が流れてしまうのです。本当に馬鹿兄弟だ。本当にその通りになっただろ。馬鹿共が。
それも兎も角、私の名前の由来の元である安藤昇さんが亡くなった。少々感慨深げななりました。そして思ったのです。私の名前の由来の一因となった映画のタイトルは何だったのかを。
調べるのは簡単です。私の本姓に組を付けて、安藤昇で検索すればいいのですから。そしてその映画のタイトルが判りました。そしたら何と主役は安藤昇さんでなくて高倉健でした。映画のストーリーでは、安藤昇さんは高倉健さんと水と油の関係です。多分、敵方のライバルです。全然話が違います。
しかももっと驚いたのが、映画の公開は1973年だった事。私の生まれは1964年ですよ。その映画、私が生まれた9年後に公開されていたのです。つまり、私の名前の由来はこの映画じゃなかった。映画での○○組の若頭を演じた安藤昇さんとは関係なかったのです。大嘘をついていたのです。私の親父は。
これまでもね、何度も何度も嘘をつかれました。もう慣れっこです。でもまさか私の名付けの由来まで嘘をついていたとは思いもしませんでしたわ。何で私の親父は嘘ばっかりつくのだろう。それでこれまで何度も大恥をかいたし、災いを呼んでいると言うのに。
50歳を過ぎて、この事実を知って、チョットねぇー凹みますわ。嘘をつくのがそんなに楽しいのだろうか。何かガッカリですわ。
こう言う父親を持ったから私は馬鹿正直になったのではないでしょうか。私と親父は何もかも正反対です。子供の頃から反面教師として映っていた。双方とも極端になってしまった。それが私の歪みなのだと思いますね。
もうとことん私の親父には期待しません。っと言うより、やっぱり私に対して災いを運んでくる存在であると認識しましたわ。
あーあっ、調べるんじゃなかった。知らなきゃ良かった。
ではでは。