続きです。
事務局長とお話をしたのは、私と副編集長の2人。何を話して良いものか。
私は大学の駐車場に駐車しているスーパーカーの話題をしました。
この大学病院の職員の駐車場にはフェラーリ、ポルシェ等々、スーパーカーだらけです。ベンツがカローラの様に見えます。当時、BWM320が六本木のカローラなんて呼ばれていましたが、そんな貧乏くさいクルマは止まっていません。まるでスーパーカーの展示会の様でした。
私は聞きました。「凄いクルマばかり止まってますねぇー。やっぱりお医者さんは儲かるのですねぇー」と。
事務局長は「あんなクルマに乗っているのは学生だよ。医者の息子のボンボン。医者になるのは並大抵じゃない。あんなクルマに乗って遊んでいるようでは、医者には成れない。大抵は大学を辞めていく。薬学部を受け直したり、親の病院の事務をやったり、他の大学に行くね」と。
そうなのでしょう。医学部に入学しても国家試験をパスするのは大変。医者は凡人では成れない。IQが高い者が努力して初めて医者になれる。そうでなければ医者は務まらない。
否、医者に成ったとしても性格が合わない場合だってある。
ブラックジャックを書いている漫画家の手塚治虫は江戸時代から続く医者の家系で、医師免許は取ったが医者向き性格ではないと周りから反対されて、医者を断念したと聞きます。やはり医者に向いた性格でないと続けられない。
私の家系に日本史上最高の名医と私が断言している永田徳本がいますが、慈悲の心が無ければ医者になるべきではない。医者になる資格は無い。
事務局長の発言から、そんな事を考えていたら、事務局長は続けてこう言った。
「医者はどうだか分からないけど、病院経営はどこも大変だよぉー。うちの病院も全然儲かっていない。潰れそうだよ」と。
そくな筈は無い。この大学病院は関東の郊外に有るが、それ全体が街のよう。この規模は日本一かも知れん。こんな大きな大学病院が儲からないなんてありえない。賄賂・・・・じゃ無かった、口利き料・・・・これも不味いか、そうだ取材協力費。取材協力費が10万円では足りないと暗に言っているのか。
そう思案していると事務局長は話を続けた。
「人件費が高過ぎる。これでは大学病院なんて経営出来ない。どうしようもない。だから看護婦には2年で辞めて貰う方針だ。大学で2年間教えて1年で辞められては割に合わない。2年以上勤められては経費がかかる。2年丁度で辞めさせるのがベスト。看護婦の給料が高い。昇給率も高過ぎるから仕方が無い。そうしないと大学病院の経営なんて出来ない」と。
この大学は看護師になる為の学科もあります。今は3年制ですが、当時は2年制です。つまり、ここの大学病院では看護師は22~23歳で辞めさせられる。それって熟練の看護師がいないと言う事。医療的に大丈夫なのか。
もしやと思い今、2ちゃんねる、5ちゃんねるでその大学病院を検索してみたのですが、頗る評判が悪いです。看護師、医師問わず酷評されています。入院費も高いとかかれてました。もし、その方針が続いているのであれば、そうだろうなぁー。
私も糖尿病で過呼吸になりながら血液検査しているが、卒業したばかりの看護師さんに血液を採られるのは怖い。私の腕は血管が見えないから、何度もやり直しをされてしまう。そうなったら失神しちゃうよ。
続く。