続きです。
ホンダFTR250の重大な欠陥。それは始動性の悪さです。
私の家業は新聞販売店だったのです。バイクにはある程度慣れています。GX250SPも拘ってキックで始動していたのですが、FTR250は1.2度のキックてはエンジンがかからない。
チョークを引いたり、アクセルの加減を試したり、色々試してやっとかかる状態。これは大変。
そして絶望の極致なのは、エンジンが温まってからの再始動。
やっとエンジンがかかって走ってから止める。それから30分位エンジンを冷まさないと再始動はほぼ不可能。こんな欠陥があるなんて知らなかったぞ。こんなバイク、聞いたことないぞ。
更に狂った様なタペット音。エンジンが温まるにつれカチカチカチカチと音が高まる。アクセルを吹かすとエンジンが爆発するのではないかと不安になる程の音。煩過ぎる。
流石に異常だと思いホンダの工場に持ち込んだのだが、ホンダは異常を認めつつも直す事が出来なかった。
調整して多少音量は下がったのだが、そうしたらエンジンの始動が更に困難になった。エンジンがかからないのであれば本末転倒。仕方ないから、また元に戻しました。本当にどうしようもないエンジンだった。
このエンジン、XLX250から採用されたホンダ独自のRFVC機構を採用。放射状に4バルブを配したエンジンだが、このメカニズムに問題があったと思える。このエンジン、熟成されず廃止されたし。
更に問題はあります。これは仕方がない話。選んだ私が悪いのですが、あまりにもフラットトラックレースに準じたバイクだった。一般走行には向かないバイクだったのだ。
フラットトラックレースのバイクは、コーナーをカウンターをあててドリフトで曲がる事に特化したバイクです。タイヤを横滑りしながらコーナーを曲がるのです。その為に異常に広いハンドルだし、シートも薄い。
ハンドルはXL250の様なオフロードバイクよりも広い。私は足が短いので足つき性を重視していましたが、腕も短いのですよ。その私がFTR250に乗ったらどうなるか。
ハンドルが横にこれでもかと広がっているので、私も腕も広げてハンドルを握る訳です。腕を広げ過ぎてハンドルを握ると大変疲れるし、胸の筋肉が痛くなる。ハンドルに力を込められない。操作性が妨げなれる。
そして腕が短い私がFTR250のハンドルを握ると、顔がメーターに近づく。そんな状態でブレーキをかけると顔面がメーター類に直撃する。大変危険。
急ブレーキをかけたら大惨事となる。メーターに顔面がぶつかり陥没してしまう。鼻の骨は折れ、歯は飛び散る。こんな危険なバイクは無い。
だから私、怖くて急ブレーキがかけれませんでした。プレーキはリアブレーキをかけ、最後にチョットだけフロントブレーキをかける。こんな感じでブレーキをかけていました。こんなバイク、あり得んでしょ。
それに北海道ツーリングの為に買ったバイクなのですが、荷物を載せるスペースが小さい。しかもシートが薄く直ぐに尻が痛くなる。タンク容量は小さ過ぎる。レースに特化したバイクなので仕方がないのですが、本当に失敗しました。
ホンダはその後、FTR250の後継車としてFTR223を販売した。
ハンドル幅を狭めてシートも厚くし、エンジンを50年前から存在する2バルブのローメカエンジンに変更しています。つまり私が指摘したFTR250の欠点を全て直して発売したのです。
初めっからそうしろよ、人を実験台にしやがって。チクショー。
少ないですが長所もあります。燃費は街中でもリッター30キロは走りますし、エンジンも25馬力で力がある(FTR223は19馬力)。ある程度の林道なら走れる。
でも、上記の欠陥・欠点は全てを帳消しにする。本当に買って後悔しました。
北海道ツーリングの後16万円で下取りに出し、これまた欠陥車のスズキ・GF250SSを購入したのですが、これまた異常な事にFTR250は何故か大ブームとなり、中古車なのに50万円以上で取引されたりしています。
19万円で買って16万円で売ったので良かったと思っていたのですが、もう少し待っていたら楽に30万円以上で売れていた。それも悔やまれる。
兎に角、最初から最後まで悔やんだバイクでした。ホンダが大嫌いになりました。
もっと完成度を上げてから販売しろよ、ホンダの馬鹿野郎。チクショー。
ではでは。