天知迦流美豆姫を祀る神社は存在しないと言い放っておりましたが、私、見つけてしまいました。
何と私の故郷・福島県の郡山市熱海町安子島町に鎮座しておりました。天知迦流美豆姫を祀る大鏑神社を。
注目点は「熱海町」に鎮座している事。熱海と言うとその名の通り海が思い浮かびますが、郡山市ですから海は無い。私的には海人のアタ族が由来する土地だと考えます。
アタ族は産鉄民族でもある。鉄を求めてこの地までやって来た。或いは朝廷から迫害されてこの土地まで逃げて来たと言えます。
因みに「安子島町」の地名ですが、福島県の「福島」は元々は「浮島」から来ています。福島県は湿地帯だったのです。その湿地帯の小島から「安子島」との地名が残ったと推測します。
大鏑神社神社には天知迦流美豆姫の他に大山咋主が祀られています。この二柱は母と子の関係です。
大歳神と天知迦流美豆姫には10柱の子がいます。大山咋主もその子の一柱です。
そして10柱の兄弟の中には代表的な鬼渡神である阿須波神・波比岐神がいる。
その二柱を祀る鬼渡神社も郡山市には点在している。ここからも鬼渡神はアタ族から信仰されていた可能性があります。
この信仰の点ですが、鬼渡神はアタ族を守護する神だとは思えません。
鬼渡神は境界線の神。生と死の境界線の神でもある。生と死の間には三途の川が流れている。そして古代において川は分かり易い境界線。つまり鬼渡神は川神でもある。
しかし、アタ族は産鉄の民。産鉄は自然を破壊します。山を崩し川を濁らせる。
私、産鉄の町・釜石の川を見て愕然としたのですが、川が赤い乳白色でした。あれでは魚は住めないでしょう。
竜は鉄を嫌うと言いますが、水神である竜の川が産鉄により汚される。死の川となる。だから竜は鉄を嫌う。
山を崩し川を汚す自然破壊は天津罪と言えます。その天津罪を産鉄を行うアタ族は犯している。
故にアタ族は境界線の神でもあり、川の神でもある鬼渡神の祟りを恐れた。
それで鬼渡神社を建立し、長い間丁重に祀り続けて来たのだと考えます。
神社は神が鎮座する場所。鎮まり座す場所。鎮まってい頂くために為に神社を建立し信仰する。
それが神道の根本と言えますので。
続く。