続きます。
この話、私からしたら突っ込みどころ満載です。
先ずは「牛方」。何で馬じゃなくて牛なのか。それは馬では困るからでしょう。馬は山姥を表しているでしょうから。
さて、牛方は魚を積んでいた。その魚は生ではない。当然、塩漬けや天日干しした魚です。多分、鯖だと思います。
鯖は魚で一番脂がのっている。だから天日干しにしても身がパサパサにならず、一番美味しい魚と言えるので。その証拠に鯖街道が存在しますし。
山姥はその名の通り山に住んでいます。魚が好きならば海沿いに住めば良い筈。それなのに何故山に住んでいるのか。
それは海人族であるから。朝廷側に迫害され、山に逃げ込むしかなかった。
それともう一つ。産鉄の民族だからです。
産鉄の場所をタタラ場と言いますよね。そう、山姥はアタ族の者です。
私の故郷、福島県で説明すると熱海、安積、安達太良、安達ケ原等々の地名がありますが、全て海人族であり産鉄の民であるアタ族から地名が付けられていると言えます。
そして代表的なのは「安達ケ原の鬼婆」。
ストーリーは京の乳母だった岩手がこの地まで妊娠中の赤子の生き胆を求めて遣って来た事になっていますが、元々はアタ族の老婆の話だと言えます。
話を牛方に戻します。さて牛方ですが、牛と言えば素戔嗚尊です。神仏習合時代、牛頭天王と呼ばれていましたから。
素戔嗚尊を祀る八坂神社では、頭を撫でると御利益がある牛の座像が境内に鎮座しているケースも多いですし。
牛方が素戔嗚尊を表している。だとしたら山姥は何者を示しているのか。
素戔嗚尊は高天原で武装した天照大神と対峙。「うけひ」での勝負で天照大神に勝利した。
素戔嗚尊は斑馬を残酷な方法で殺し皮を剥ぎ、機織りをしていた稚日女尊に投げつけた。稚日女尊はそのショックで自分の性器を突いて自害した。
天照大神は素戔嗚尊を恐れ天の岩戸に身を隠し、日が昇らず世を闇の世界とした。
そしてそれにそれに怒った高天原の神々は素戔嗚尊に罰を与え、素戔嗚尊は高天原から追放された。
素戔嗚尊は地に降りて悪神から善神に改心し、手名稚命・足名稚命の娘たちを生贄としていた八岐大蛇を退治した。
つまり山姥は素戔嗚尊と対峙した稚日女尊、天照大神、そして八岐大蛇の誰かを示していると私は考えます。
続く。
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