令和4年11月8日
21年度決算報告・会計検査院
税の無駄など455億円=「不当」指摘、108件増
会計検査院(森田祐司院長)は7日、2021年度の決算検査報告書を岸田文雄首相に提出した。
税金の無駄遣いなどを指摘した件数は310件、金額は455億2351万円だった。
うち法令違反など悪質な「不当事項」は265件(計約104億3000万円)で、
新型コロナウイルス感染拡大の影響で実地検査が減少するなどした前年度に比べ108件(約38億円)増加した。
今回の報告書で取り上げたコロナ関係経費での「不当」は計57件に上り、
不合理な制度設計や事後チェック方法などを改善するよう求めた「意見表示」や「処置要求」は計7件だった。
1件当たりの指摘金額が最大だったのは、中小企業基盤整備機構の約217億8000万円。
東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた地域の中小企業への無利子融資制度で、
貸付件数が激減して使用見込みがないとして、福島県への貸し付け分を同機構に償還させるよう求めた。
省庁別で指摘金額が最も多かったのは厚生労働省の約88億6000万円。
農林水産省の約56億5000万円、経済産業省の約15億7000万円が続いた。
津山市の指摘事項
会計検査院の検査により、市内2箇所のポンプゲートにおいて、
地震時における所要の安全度が確保されていない状態になっているとの指摘を受けました。
会計検査院は、この結果を11月7日に公表しました。
対象施設は、以下の2施設です。
・河辺ポンプゲート ・二宮ポンプゲート
今後の対応地震時における所要の安全度を確保するため、会計検査院と協議しており、
承認を得たのち、年度内に2箇所のポンプゲートの補修工事に着手する予定です。
対象施設
・河辺ポンプゲート(市内河辺地内)
・二宮ポンプゲート(市内二宮地内)
経緯経過
・平成 25 年 河辺、二宮ポンプゲート実施設計業務委託発注 翌年 3 月委託完了
・平成 26 年 河辺ポンプゲート設置工事発注 翌年 6 月竣工
・平成 28 年 河辺ポンプゲート電気設備工事発注 翌年 3 月竣工
・平成 30 年 二宮ポンプゲート設置工事及び電気機械設備工事発注 翌年 3 月竣工
・令和 3 年~令和 4 年 会計検査院による web 及び実地検査
・令和 4 年 11 月 7 日 会計検査院が令和 3 年度決算検査報告を提出
原因
・ポンプゲートの躯体の耐震設計にあたり、レベル1地震時における照査のみを行い
レベル2地震時における照査を行っていなかった。
・委託した設計業務の成果品は、上記の照査を行っていない誤りがあったのに、
これに対する検査が十分でなかった。
山陽新聞(さんデジ)2022.11.7
津山市浸水対策工事など支出不当 21年度会計検査院 岡山県関係分
会計検査院が7日公表した2021年度決算検査報告で、岡山県関係では、
津山市が実施した浸水対策のポンプ付きゲート工事や井原、赤磐市での延長保育の事業費に対する国の支出が不当と指摘された。
津山市は、大雨による市街地などへの浸水被害を防ぐため、
吉井川、加茂川の雨水排水路合流部分にポンプゲート計2基を18年度までに設置。
この工事の耐震設計に不備があり、安全性が不足していたとして国庫補助金6753万円が不当とされた。
同市は補強工事を行うとしている。
井原、赤磐市は19、20年度に実施した保育所や認定こども園での延長保育事業で国交付金の算定を誤り、
井原市は316万円、赤磐市は413万円が過大に交付されたと指摘を受けた。いずれも返還するという。
広島県関係では、県が17~19年度に行った厳島港(廿日市市)の旅客船ターミナル施設整備事業で、
補助対象となる事業費の算定を誤ったとして国庫補助金2485万円が不当とされる指摘があった。
今後返還する予定。
※ レベル1地震動 : 施設の供用期間内に1~2度発生する確率を有する地震
※ レベル2地震動 : 施設の供用期間内に発生する確率は低いが大きな強度を持つ地震
(例:阪神・淡路大震災のような内陸直下型地震)