令和2年11月24日 I-JAMP
不妊助成、額・回数が焦点=所得制限は撤廃、調整本格化
政府は少子化対策のため、不妊治療助成の拡充策について本格調整に入る。
現在は夫婦合算で730万円未満とする所得制限を撤廃する方針だ。
原則1回15万円としている助成額や、最大通算6回までとしている助成回数も増やす考え。
2020年度第3次補正予算案に盛り込む方向で、今後は具体的な額や回数が焦点となる。
菅義偉首相は不妊治療の保険適用の早期実現を目指している。
厚生労働省はそれに先立ち、現行の助成制度を拡充する考えだ。
1回の助成額は、与党が将来的な保険適用を見据え、原則30万円(初回は40万円)を提案。
回数は40歳未満の場合、現行で最大通算6回だが、35歳以下なら無制限とし、
第2子以降を望む夫婦のため36歳以上も1子ごとに最大6回とするよう求めている。
政府はこうした提案を踏まえ、検討を進める。
男性の治療には現在、精巣内などから精子を人工的に取り出す手術に原則1回15万円を助成している。
この助成額についても、女性と同じ額に引き上げる方向だ。
政府は与党の提言を受け、法律婚の夫婦に加え、事実婚のカップルも含めるかどうか検討する。
年齢は現行通り、治療開始時点の妻の年齢が「43歳未満」を維持する方針だ。
ただ今年度は、新型コロナウイルスの影響で治療を延期する夫婦が多く、
厚労省はこうしたケースに対応するため、治療費の助成対象となる妻の年齢要件を時限的に「44歳未満」に緩和している。
政府はこの措置を21年度も延長するかどうかも議論する考えだ。
河野規制改革相
「子ども情報」一元化を=3次補正、調査費計上へ
河野太郎規制改革担当相は23日、東京都内で講演し、子どもに関する情報を各自治体がそれぞれ一元管理するデータベースの作成に向け、
2020年度第3次補正予算案に調査費を計上する考えを示した。
自治体での縦割りを是正し、子どもの貧困や児童虐待の兆候を早期に発見するのが狙い。
こうした取り組みは、東京都足立区や大阪府箕面市が既に採用している。
政府の予算執行の無駄などを点検する「秋のレビュー」でも議論され、対策の必要性が指摘されていた。
河野氏は講演で、自治体内の教育・福祉など各部署に散らばる子ども関連情報について、
一元管理してデータベース化することを提唱。
「児童虐待や子どもの貧困がもっと早く分かるようになると、行政が(早期に)手を差し伸べることができる」と強調した。