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2015年10月11日の私のブログでも紹介しましたが、
45歳で若年性認知症と診断された元看護師の藤田和子さんが、
認知症の人たち約10人ほどで結成された組織のシンポジウムが鳥取市で開かれたようです。
私達もかかわってしまう可能性のある認知症・・・
当事者の方達が、実際にどのように考えられ・・・どのように工夫努力され・・・
日常生活の中でどのように実践されているのか・・・
私達も知っておく必要があると思います。
今朝は、シンポジウムに関する記事を転載してみようと思います。
~以下、4月10日読売新聞朝刊より抜粋~
認知症の人 外出楽しもう
認知症の人達でつくる全国組織「日本認知症ワーキンググループ」のシンボジウムが、鳥取市で開かれた。認知症は2025年には高齢者5人に1人が発症するとされ、誰もが関わる可能性がある。認知症になっても安心して外出できる地域づくりをテーマに意見が交わされた。 (米井吾一)
当事者団体 シンポで提言
シンポジウムで外出時の工夫などを語る丹野さんや藤田さん(右から)(3月20日、鳥取市で)
「過剰に危険視しないで」
シンポのテーマは「外出」。愛知県の認知症の男性が列車にはねられて死亡した事故を巡り、最高裁が家族の監督義務を否定した判決が議論を集める中、「私達が外出することを過剰に危険視しないでほしい」という声が相次いだ。「先日、バスに乗っていて自宅の前の停留所を乗り過ごしたら、うちの妻、笑いながら私を指さしてたんですよ」。仙台市の丹野智文さん(42)は、こんなエピソードを紹介し、会場の笑いを誘った。
自転車販売会社員だった3年前にアルツハイマー型認知症と診断された。病名を公表し、現在も同じ会社で仕事を続けている。
丹野さんは「外に出れば道に迷うことや、駅を間違うこともある。でも、妻は『最終的には家に帰ってくるから』と外出を認めてくれる。だから、仕事も続けられる。失敗しても怒られない環境が、私たちの気持ちを安定させ、病気の進行を遅らせると信じている」と話した。
藤田さんも「家族に信じてもらうというのは大事で、うちの家族も、認知症を理由に制限をかけることはない。むしろ、逆に出来そうだからと、どんどん任せてくれる」と語った。
実践の工夫も紹介
シンポジウムの前日に開かれた認知症の人達によるミーティングでは、各地から参加した男女19人が、外出時などに実践している工夫などを話し合った。主な工夫としては、△外出時の目的に合わせて洋服を一式まとめておく△荷物をできるだけ少なくし、両手がフリーに使えるリュックを使う△大事なものはポーチにまとめて入れ、かばんを替える時はポーチごと移す△「雨の日は外出を避ける」
雨の日避ける
カードに駅名
社会に対しては、△困った時に声をかけられる人を公共機関で決めて、目印などで示してほしい△買い物のレジなどで計算で時間がかかる時は、お店の人やお客さんに待って欲しい――などの声があった。
「外出中に声をかけられると、すごく安心できる。そのためにも認知症であることをどんどん公表した方がいい」という意見も出た。
丹野さんは、外出時の自身の工夫も明かした。定期ケースに入れたカードに、<若年性認知症本人です。ご協力お願いします>といった文字を、電車やバスで乗り降りする駅名を書き、乗り過ごしそうな時に近くの人にそっと見せる。「みんな親切に教えてくれる。偏見なんてないですよ」
外出を一緒に楽しむ友人の存在も大きいという。「家族もいいが、家族以外で何でも言い合え、何かを一緒に楽しめる人がいれば、もっといい」と話した。
厚生労働省は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)で、地域の居場所づくりとして認知症カフェの設置を掲げる。
丹野さんは「人数を目標にするのではなく、一人でもいいから楽しいと思える場所に」と提案。藤田さんも「行きたいところはみんな違う。新しい場所を作らなくても、役所や病院の食堂でもいい」と話した。
支援団体の代表からは、認知症への理解を深めるため、「
藤田さんは「認知症の本人たちも、目的を持って外出している。皆さんと一緒。ただ、一人だと危なかったり、家に帰れなかったりすることがあるだけ」「本人が行きたい場所をじっくり聞いた上で、どうすればいいか考えてほしい。外出できる場所を作れば解決できるという問題ではない」と訴えた。