ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

王監督の勇退

2008-10-01 12:11:34 | スポーツ
先週、報じられたプロ野球のソフトバンク・ホークスの王監督の勇退。

ダイエー時代から14年に及ぶ長期政権を担ったのだから、凄いと思う。ダイエーの景気が良かった頃を別にすれば、ホークスはそれほど資金力のあるチームとはいえない。にもかかわらず、パ・リーグを何度となく制したのは、王監督の采配による部分が大きいと思う。

マスコミは触れたがらないが、本来ホークスは王監督から石毛に交代の予定だった。ところが、石毛の奇行があまりに目立ち、とても監督は任せられないと判断され、止む無く長期政権となってしまった。

監督をやりたがるプロ野球OBは多いが、王監督の後を継げる人材となると、なかなかに難しいと思う。それゆえに、何度も退任を希望した王監督も、ずるずると今日まで采配を振るわざる得なかった。

間違いなく名監督であったと思う。しかしながら、やはり長期政権の弊害もあったようだ。戦力的にはAクラスながら、今期は優勝に絡めないのが、その証拠だといわざる得ない。

何度もリーグ優勝を果たしながら、プレイオフ制度の導入により、日本シリーズには縁遠くなってしまったのが無念だと思う。が、もう潮時なのだろう。お疲れ様でしたと、心から労わりたいと思う。

ただ、来期のホークスは大変だろうと思う。誰が後任でも、チームの建て直しには苦労するはずだ。

それは企業でも同じこと。長期にわたって一人の人間がトップを勤めると、どうしても組織に澱みが出てくる。近年、日本の高度成長を支えてきた中小企業の社長さんたちの退任が相次いでいる。順調に次代の経営者の育成に成功している企業はそれほど多くない。

これからの日本を先導する世代は、学園紛争に敗れた挫折感を抱えつつ、高度成長に引きずられ、バブル経済の破綻を眼にしてきた人たちだ。熱血漢は少なく、醒めているというか、淡々とした印象が強い。

もっといえば、男性よりも女性のほうが元気な世代だと思う。先の北京五輪では期待の野球は惨めに敗退したが、女子ソフトボールは優勝の快挙を成し遂げた。プロ野球に女性監督が出るのは当分ないと思うが、経営者の世界ではどんどん優秀な女性経営者が出てくると予測している。

少子高齢化を迎え、徐々に衰退する日本にあっては、女だからとか、国籍とかで縛る時代ではないと思う。生き残るために最適な戦略を描ける人材を選んだ企業だけが、21世紀を生き延びる時代になる気がします。
コメント
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