ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

健康保険料に思うこと

2008-10-14 12:17:34 | 経済・金融・税制
なんか、おかしくないか。

ここ数年、厚生労働省への風当たりが厳しい。あの無駄遣いぶりを思えば当然の批難だと思うし、後期高齢者などの姑息な増税プランが反感を買うのも当たり前だと思う。

私が近年不思議に思うのは、健康保険制度だ。

健康保険には2種類ある。サラリーマンやOLさんたちの給与から天引きされる社会保険(年金も同時に引かれる)と、自営業者などが自ら納める国民健康保険だ。

どちらも上限があるが、その金額が違う。天引きされる社会保険料は、収入が多いと年額120万円ちかくになる。ちなみに、同額を雇用者(会社)が法定福利費として負担するので、合計すると200万円を突破する。

一方、国民健康保険は最大でも年間60万円程度だ。これに介護保険料が上乗せされるが、それでも70万円を超えることはない。

一例を挙げれば、年収2000万円の会社役員の負担する社会保険は、年間120万円。もちろん同額を会社が負担しているので合計なら240万円だ。一方、土地の賃貸収入などの不労所得で年収4000万円の不動産オーナーの負担する国民健康保険は年間70万円。

これっておかしくないか?

いろいろ見解はあろうと思うが、原因の一つには天引きという形で強引に徴収できる社会保険と、国民が自ら納める国民健康保険との徴収意識の差があると感じている。要するに、ぶっちゃけ取り易いのは社会保険だ。だから簡単に上げられる。一方、自らの財布から払わねばならない国民健康保険は、下手に上げると反発が大きい。

いつのまにやら給与の手取り額が減ったのを嘆くだけのサラリーマンたちと異なり、身銭を切る自営業者たちは黙っていない。役所に文句を言うのはもちろん、選挙をたてに政治家に直接文句を言う。

誰だって文句を言われるのは嫌だ。だから大人しい奴らから取ってやればいい。そう考えて長年済ませてきたのだろうと、意地悪な私は勘ぐっている。実際、サラリーマン連中は飲み屋で愚痴をこぼしても、選挙には行かないことが多いし、役所や政治家に文句を付ける人も少ない。

かつての一割負担と、3割負担の差は現在はなく、サラリーマンであろうと自営業者であろうと支払う医療費に差はない。ただ、保険料の負担額が大きく違う。

大人しいコ羊ちゃん達は、この先も不公平な負担を強いられるのだろうか。黙っていても、誰かが助けてくれると信じているのだろうか。

ちょっと考えたほうがいいんじゃねえの。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする