誰だって金が欲しい。
金があれば、大きな家、豪華な家具、見栄えのする車、最新のAV機器が手に入る。愛情だって概ね手に入る。友達だって寄り集まってくる。なによりも自分が偉く思えてくる。嗚呼、お金とはなんて素晴らしのだろう。
問題はお金の入手手段だ。基本は安く買って、高く売ることだ。そのはずだった。
現在、世界経済を飲み込みつつある金融不安。何故にこのような事態に陥ったのだろう。問題の背景には、実体経済を遥かに超えた規模で行われる金融取引がある。先物取引や為替取引など複雑な仕組みの金融商品が、世界市場を駆け巡る。あまりに巨大すぎる規模をもつため、もはやコントロールの効かないマーケットを作り上げている。この金融市場がのた打ち回っている。
このような実体経済を超えた金融市場が育まれたのは、20世紀後半からだ。もっといえば、人類の科学の進歩が停滞しているがゆえでもある。
現代の文明は、石油や石炭などの化石燃料を燃やしてエネルギーを抽出し、それを活用することで過去に無い巨大な産業を産み育てた。その技術に停滞がみられる。学者たちはあまり積極的に認めたがらないが、20世紀中盤以降革新的な発明はない。
核エネルギーは未だ開発途上だし、汎用性ではとても化石燃料には及ばない。バイオやITなどは周辺技術であって、現代文明の牽引するだけの力はない。そして化石燃料は永遠に存在しない。
そこで遅れている途上国の開発を投資の対象としたが、上手くいっているのは東アジアのみ。もし、中国が閉ざされたままだったら、どれほど世界経済が停滞したか。今後も成長が望めるが、この地域は欧米とは異なる価値観をもつがゆえに信頼がおけない。
一方、欧米のかつての植民地たるアフリカや南米は厳しい。どれだけ資本を投じても、なかなか成果は出ない。わずかにブラジルに可能性が見出せる程度だ。
投資環境の整備を目指したグローバリズムは、かえって反発を買うばかりで、投資家の心理は冷え込むばかり。だからこそ、投資家は実体経済への投資よりも、金融市場へ金を注ぎ込んだ。
18世紀のユーラシア大陸の西端で生まれた産業革命以来の現代文明は、ゆるやかに停滞を迎え、その先行ランナーたる欧米各国(日本もこの一員だが)は穏やかに衰退しつつある。
私は予言者ではないし、煽動屋でもないつもりだが、もし21世紀の予測をするとしたら、増大する一方の人口と食料問題を軸に世界は動くと思う。さらにエネルギーの分野で革新的な発明が無い限り、枯渇する石油資源をめぐり、新たなる世界秩序の構築が巻き起こる可能性は大きい。
迷走する金融市場は、適切な投資先を見出さぬ限り、今後も世界をかき乱すと思う。
金があれば、大きな家、豪華な家具、見栄えのする車、最新のAV機器が手に入る。愛情だって概ね手に入る。友達だって寄り集まってくる。なによりも自分が偉く思えてくる。嗚呼、お金とはなんて素晴らしのだろう。
問題はお金の入手手段だ。基本は安く買って、高く売ることだ。そのはずだった。
現在、世界経済を飲み込みつつある金融不安。何故にこのような事態に陥ったのだろう。問題の背景には、実体経済を遥かに超えた規模で行われる金融取引がある。先物取引や為替取引など複雑な仕組みの金融商品が、世界市場を駆け巡る。あまりに巨大すぎる規模をもつため、もはやコントロールの効かないマーケットを作り上げている。この金融市場がのた打ち回っている。
このような実体経済を超えた金融市場が育まれたのは、20世紀後半からだ。もっといえば、人類の科学の進歩が停滞しているがゆえでもある。
現代の文明は、石油や石炭などの化石燃料を燃やしてエネルギーを抽出し、それを活用することで過去に無い巨大な産業を産み育てた。その技術に停滞がみられる。学者たちはあまり積極的に認めたがらないが、20世紀中盤以降革新的な発明はない。
核エネルギーは未だ開発途上だし、汎用性ではとても化石燃料には及ばない。バイオやITなどは周辺技術であって、現代文明の牽引するだけの力はない。そして化石燃料は永遠に存在しない。
そこで遅れている途上国の開発を投資の対象としたが、上手くいっているのは東アジアのみ。もし、中国が閉ざされたままだったら、どれほど世界経済が停滞したか。今後も成長が望めるが、この地域は欧米とは異なる価値観をもつがゆえに信頼がおけない。
一方、欧米のかつての植民地たるアフリカや南米は厳しい。どれだけ資本を投じても、なかなか成果は出ない。わずかにブラジルに可能性が見出せる程度だ。
投資環境の整備を目指したグローバリズムは、かえって反発を買うばかりで、投資家の心理は冷え込むばかり。だからこそ、投資家は実体経済への投資よりも、金融市場へ金を注ぎ込んだ。
18世紀のユーラシア大陸の西端で生まれた産業革命以来の現代文明は、ゆるやかに停滞を迎え、その先行ランナーたる欧米各国(日本もこの一員だが)は穏やかに衰退しつつある。
私は予言者ではないし、煽動屋でもないつもりだが、もし21世紀の予測をするとしたら、増大する一方の人口と食料問題を軸に世界は動くと思う。さらにエネルギーの分野で革新的な発明が無い限り、枯渇する石油資源をめぐり、新たなる世界秩序の構築が巻き起こる可能性は大きい。
迷走する金融市場は、適切な投資先を見出さぬ限り、今後も世界をかき乱すと思う。