ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

街路樹のある通り

2011-04-19 12:12:00 | 日記
街路樹が植えてある道を歩くのは楽しい。

特に春がいい。街路樹の陰に入れば、まだ冬の残り香のような寒さが感じられる。しかし、陽射しのなかに踏み出せば、春の陽気が心地よい。

これが秋だと、少し趣がことなる。日向を歩めば夏が思い出されて、涼しさへの安堵と眩しさへの憧れが入り混じる。そして日陰に入ると、冬へ向かう厳しさを嫌でも思い出す。やはり春がいい。

歩くたびに、交互に訪れる日陰と日向。人生を歩むということも、街路樹のある通りを歩むようなものなのだろう。楽しい事と辛い事、厳しさと優しさ、幸運と不運とが交互に訪れる。

そんな街路樹の散歩道を歩くと、時たま思い出すのが少女漫画家の河あきらだ。

私が少女漫画を読んでいたのは、1970年代前半までなので、その頃雑誌(マーガレットかも)に掲載されていたはずだ。ただ、タイトルが思い出せない。Wikiなどで調べてみても、思い当たる節がない。

覚えているのは、ショートカットで丸顔、そして大きくて丸い黒い瞳の登場人物たちだ。その絵柄は少女漫画雑誌のかなでは、少し浮いていたように思う。そのせいか、えらく記憶に残っている。

なかでも、エンディングで並木道を泣き笑いしながら走る主人公が、日向と日陰が交互に続く街路樹の通りを人生に喩えていた場面が印象に深い。

たしかに、人生って奴は並木道を歩むようなものなのかもしれない。少し日陰が長いと人生を悲観してしまうし、日向を歩む時間が長いと、いい気になって浮かれてしまう。

幸せは長く続かないのと同様に、不幸せも永遠に続くことは無い。ただし、歩みを止めないかぎり、はだ。

街路樹を歩くと、河あきらのあの漫画を思い出す。タイトルも思い出せないが、いつか又めぐり合いたいものだ。
コメント (10)
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